一昨日の「734地震津波火事原発3年目(5)」からのつづき
(現場を知らない年寄りの机上心配繰り言シリーズ)
悲観論ばかり言ってもしょうがないけれども、では、住宅移転してきた高台の街もできた、災害危険区域も店舗や工場がやってきて両立する街が復興できた、うまくいったとしよう。
でも、どこの被災地でもこうはいくまい。わたしにはそれがどこかわからないが、それはかなり限られた都市になるだろう。
さてうまく両立した復興の街づくりができたとしよう。そこからの問題は、巨大都市を除いて、日本のどこも人口減少であることだ。
いま、日本の都市・地域問題は、21世紀の人口減少社会の進行において、20世紀に人口増加を前提とした社会の構造、あるいは都市・地域の構造が耐えうるかということである。
そこで、いま流行しているのは、新たな人口減少に対応する都市と地域の構造として、拡大している20世紀の生活圏を、コンパクトな生活圏に再構成することである。いわゆるコンパクトシティである。
この点から見ると、高台にも街をつくり、元の街も再建したのでは、コンパクトタウン化の逆方向であることは確かだ。
人口減少が避けられない時に、人口増加型の都市・地域をいまさらにつくっていいのだろうか。
高台の街が、交通にも買い物にも働くにも便利で安全に、しかもコンパクトに整っているならばよい持続するだろう。
だが、単なる住宅地であるならば、そのうちに人々は便利な元の津波で被災した街に戻ることだろう。それを禁止しても、止めることはできないだろう。高台の街は衰える。
人間は忘れる動物である。忘れたころに津波はやってくる。二股かけた復興都市再生は、虻蜂取らずになるのだろうか。また悲観論になった。
そこで思うのだが、やっぱり、災害危険区域は単に住宅禁止ではなく、土地利用そのものを禁止するしかないだろう。
都市計画では市街化調整区域に指定変更してはどうだろうか。
人口増加時代を前提とする現在の都市計画法は、都市の範囲を市街化区域と市街化調整区域に分けている。
後者は人口増加で市街化の圧力が強い時代に、その抑制と計画的な開発を調整するという意味だが、一般に市街化予備区域としてとらられている。
なお、都市計画法を決める初めの検討では、4つの区域を考えていた。既成市街地、市街化区域、市街化調整区域、保存区域である。保存区域は開発を一切しない区域である。
災害危険区域を、この保存区域なみにしてしまうのである。もちろんそれには土地所有者からの公的買取請求を認めることになろう。それは現に防災集団移転事業では行っていることである。
このように、津波の危険区域は都市的土地利用をしないとしたら、どうなるのだろうか、考えてみたい。
参照:自然と人間はどこで折り合って持続する環境を維持できるのか
https://sites.google.com/site/dandysworldg/tunami-nobiru
参照:地震津波火事原発コラム一覧
http://homepage2.nifty.com/datey/datenomeganeindex.htm#jisin
0 件のコメント:
コメントを投稿