熊五郎：やあ、ご隠居、元気に巣ごもりしてますかあ。
ご隠居：おや、熊さん、まあおあがりよ、元気にコロナ蟄居しているよ、時には徘徊に出てるけどね。何だいその巣ごもりってのは？
熊：おや、知らないんですか、巣ごもりってのは、こうやって家の中に引きこもって出て行かないこと。
隠：誰がそんなちょっと恥ずかしいこと言ってるんだい、もしかしたら巣ごもりの意味を知らないのかな。この歳になったわたしにゃ無理だよ。
熊：どうしてです？
隠：あのね、巣ごもりの意味は、鳥が巣に受精卵を産み、そこれを抱いて温めて孵化させ、生まれた雛が巣立ちするまで巣に居ること、要するに子づくりなんだよ、熊さんはできるだろうけど、わたしゃ無理だね。熊：え～っ、巣ごもりとは子づくりのことなんですか、知らなかった、あ、そうか、この際ちょどよいから子づくりして少子化問題を解決しようって、政府で言ってるのかな。
隠：いや政府が言う筈はないね、だって年寄りや子供もそうだし、いろいろな理由で子づくりできない人はいっぱいいるだろ、なのに巣ごもりしろというと差別助長だね。
熊：うわ、知らなかったなア。
隠：でもね、言われなくても、この全国いや世界一斉引き籠り月間いや年間になるかな、できる人はみんな子づくりに励むだろうね、だってね、滅亡の危機が迫ると生物は子孫を残そうとする本能が目覚めるものだよ、まさに今がその時だろ。
熊：はは、そうかもなア、来年は産院が満員になるかもなア、コロナベビーですね。
隠：そう、コロナ巣ごもりで日本の少子高齢化という人口問題は解決の方向に向かうかもしれないね。
熊：えー、まさか、う～ん、コロナのおかげですかあ、楽しみなような、ではこんな狂歌を、。
淫種ット裸淫のコロナ巣ごもりで 来年心配産院崩壊
隠：インタネットはわかるけど、「裸淫」はなんだい。
熊：それはSNSの「ＬＩＮＥ」なんですがね、どういうわけかそのライン発音イントネーションを、英語のline風にラを強く言わずに、イを強く言うので「裸淫」に聞こえるんですよ。
隠：ほほう、なるほど淫種裸淫巣ごもりって３連発こっぱずかしいよ、その巣ごもりには２密は必要だよね。そこでこんな狂歌を。
３密は密輸密売密造酒 蜂蜜餡蜜壇蜜は３蜜
熊：わかっていってるんでしょうが、３密ってのは密閉、密集、密接ですよね。
●マスクファッション時代が来るか
隠：そりゃそうと、熊さんもテレワークやってるのかい。
熊：あのね、あっしは大工ですよ、うちにいて仕事できませんよ、毎日現場出勤してます。
隠：あ、そうだね、うちでPCのキーボード叩いて釘打ちできないね。でもいまに熊さんそっくりなロボットができて、それを家にいる熊さんがＰＣで操縦するってテレワーク時代が来るかもなア。
熊：そんなつまらないテレ大工なんていやですよ、現場で仕事するのが一番ですよ。今の様にテレワークばかりで現場忘れる時代になると、怖いことが起きそうですね。
隠：うん、物づくりが危ういね。熊さんは立派なマスクしてるね。
熊：これはあっしの手作りなんですよ。うまいもんでしょ。だって毎日現場通いのわが身を守るのですからね。ま、大工の現場は３密ってないけど。
隠：政府が呉れるらしいアベノマスクじゃダメかね。
熊：あんな小さくてスカスカじゃあ危なくてね、国会でくっちゃべってる分にはいいでしょうがね。
隠：それにしてもマスク大流行だね、着けないで街を歩くと非国民扱いだな。
熊：眼だけしか表情がないから困りますね、街で出会う知らない人の顔の、マスクで隠れている範囲を想像するんですよ、もしかしてこの人は絶世の美人かもなあって。
隠：はは、熊さんもイケメンかもって思われてるよ。わたしも若者って思わ、。
熊：ヨーロッパのあたりじゃあ有名なファッションデザインブランドのマスクもでているとか。こうも流行すると、そのうちにマスクデザインに奇抜なものが出てきそうで、楽しみですね。隠：マスクに唇を刺繍するとか、カラスやペリカンの嘴の形にするとか、顔全体を覆う変装マスクとかプロレスマスクとか、いや、戦争だから千人針を刺すとか。
熊：そうですね、夏の海ではビキニ水着にマスクもセットにして４カ所を隠すとかね。
隠：ワハハ、そのうちに素っ裸でもマスクだけは着ける時代が来るな。公衆の面前でマスク着けないと猥褻犯でつかまるとか、。
熊：ではマスク狂歌を。
マスク付き十万円がやってきて
請求書には１１７兆円
布マスクよりもプロレスマスク呉れ
コロナなんかコテンパンだ
福翁を十枚重ねて紙マスク もの言ふ唇寒けりゃ覆へ
隠：よし、わたしも負けずに、でもちょっと優雅にね。
春過ぎて夏来にけらし白妙のアベノマスク未だ来たらず
君がため初夏の街にいでてマスク買ふ
わが衣手にコロナ降りつつ
買い物にうち出でてみれば白妙の
マスク高値に腹を立てつつ
清水へ祇園をよぎる桜月夜 白マスクの人みな美しき
参照：「コロナ大戦争おろおろ日録」
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