2024/05/23

1819【教職員性教育】猥褻教員公判で般傍聴席を公務として教員に傍聴させて市教委職員を性教育か

  近ごろちょくちょく新聞沙汰になる学校教員の猥褻事件がある。教師も人間だからエロ人間もいるだろうが、教え子を侵すような犯罪は困る。
 横浜市教育委員会が市の猥褻教員の裁判公判に、市教委の職員たちを組織として公判の場に傍聴のために出張命令を出しいるそうだ。しかも他の傍聴者を入れないように、その公判の一般傍聴席全部を占拠していたそうだ。もう何回も何年もそうやってきたとのこと。
 これを最初に見出しで見た時に、市教委は公判を教材にして市の教師に性教育しているのだろうと思った。


 東京新聞の記者がその公判の一つを傍聴に行ったら、とくに有名事件でもないのに、黒背広の傍聴者が行列している風景に出くわした。これはクサいと傍聴者の後をつけて行ったら、なんと市教委の入るビルに入った。そこで取材して組織的動員がわかったという。

 市教委からの説明では、猥褻事件の被害者の側から要望があったからだそうだ。公判で被害者が世間一般に知られるのは、被害者には耐えがたいことだろう。だから教員の側でその情報を独占秘匿して、被害者を守ろうとの作戦だろう。わかるわかる、気の毒だよなあ。まさかと思うが、猥褻教員を守るつもりではなかっただろうな。

 だが一方では、これで市教委職員側には広く情報が共有されることになるが、それはどうなのだろうか。たぶん、市教委はそれも狙ったであろう。つまり、市教委職員の性教育の場に公判を活用したのだろうと思う。猥褻やるとこんな恥さらしになるんだぞと、昏々と職員に教え込み、市の学校の性教育に生かすのに格好の場である。これで猥褻教員の発生を抑えることができるか。

 それほどにも今の教育現場は、猥褻教員の出現の多いことに悩んでいるのだろうと、おもわせるのだがどうだろうか。それにしても今の教委は、生徒の性教育で左右両派からあれこれ言われて大変だが、猥褻対策の教員の性教育も指導しなければならないから大変だ。裁判がその絶好の教材であるのはよくわかる。

 わたしの長い人生経験で、学校教育の場で猥褻教員に出会った記憶はない。わずかにあるのは、中学校の時の音楽科の男性教員が、「あの先生はいやらしい」と言う噂の対象だったことだ。それが何のことかわからなかったが、後にその教員がそれゆえに免職になったと聞いた。近ごろは男の生徒も被害者になるケースもあるらしい。男女平等が行きわたったのではなくて、男女という性別が怪しくなったというべきか。

 東京新聞は、他の一般傍聴の機会を、市教委という公的機関が組織的に妨害したことを非難している。教委もそこまで考えが及ばなかったことに気が付いて、謝罪している。でもじつは当然に知ってはいただろうが、それでも生徒を守ることが先だって必要だったろう。だから動員されたと分からぬように、互いに見知らぬ間柄として行動することが求められていたが、へたくそだったので新聞屋に嗅ぎつけられてしまった。

 性犯罪に関する報道は一筋縄ではいかない。新聞屋は市教委を非難しているが、それだけでは性犯罪の報道はすまないはずだ。もっと何かがあるような気がする。
 教委が配慮したという被害者の立場については、公判という場が2重被害をもたらす場になっているのが真実ならば、それへの対応を裁判所側がおこなうべきだろうが、そちらの情報はない。何か配慮があるはずだと思うが、裁判には縁遠いので推測もできない。

(20240523記)

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2024/05/17

1818【マイナー保険】薬局で健康保険証とマイナーカードをリンクさせられたが困ったことになったかも

 このところ鼻腔の調子が悪くて、久しぶりに自身の診療に医院と薬局に行った。病名は「鼻前庭湿疹」とのこと。大したことはなかった。
 この数年、病に臥した家人を連れて医院に行ったり、その代理で薬屋に行くことはしょっちゅうだが、自分自身のために医者にかかったのは、この前はいつだったか思い出せない。まあ、これで支払うばかりの高い健康保険料を、超わずかだが取り戻せるだろう。

●薬屋でマイナーカードと保険証をリンク手続き

 医院で受け取った薬処方箋を近所の薬屋に持って行き受付女性に出したら、いきなり聞かれた。
「マイナンバーカードをお持ちですか、お持ちならここに置いてください」
「え、国民背番号カードなら持ってるけれど、保険証にもなる登録してないよ」
「あ、いいのです、どうぞ」
「え、どうして?、それじゃあ意味ないじゃん、紙の保険証がここにあるよ」
「この機械でカードと保険証が紐づけできるのです」
「あのね、紐をつけられたらわたしのカード入れに入らなくなるから困るよ」
「いや、この機械でマイナンバーカードを保険証として使えるように登録できます」
「えええ、あのドジタレ大臣の言ってる事かい、そうなの~、区役所でなくてもかい」
「ハイ、できるのです」
「ドジタレ大臣を嫌いだからやりたくないけど、一方でやってみたい好奇心もあるなあ、どうするかな、やろうかな」
「ぜひやってください、協力しますよ。ハイ、ではここに写真を上に向けてカードを置いてください」
「おお、こうかい」
「ハイ、ではここのところを押して次に進んでください」

薬局のこんな小道具で背番号カードと保険証をリンクさせられるのだ
マイナー受付はここだがメジャー受付はどこだろうか

●いい加減な顔認証のような気がする
 
 てなことで、実は、あとで困ることになると思いが至らないままに、彼女の親切心らしいリードにうっかりのせられてしまった。
「では顔認証です。ハイここを押してください」
「え?、いまわたしはマスクして帽子も冠っているよ、いいのかい」
「ハイ、眼で認証するらしいです」
「おいおい、この写真の顔はもう8年も前だよ、そして今のこのマスク顔が同じなのかい、われながらいい加減な顔だなあ、いや、この機械がいい加減なのか」
「ハイ、できました、次に行きます」

 こうして次から次へと「ハイここ押して」と画面にタッチさせられるのだが、いったい何をしているのかさっぱりわからない。いちいち聞いていては、後ろに待つ人に迷惑がかかるからなあ。
 小さな字がいっぱい書いてある画面がズラズラ~と出現してきて、これにも最後にタッチせよとて、
「おいおい、その小さすぎる字を読めないから、君が読み上げてくれたまえ、1時間くらいかかりそうだねえ、いいかい、これも君の仕事だよ」
「あ、えー、えー、困ったな、、」
「ウ~ム、知らぬ間に契約なんかさせられて困るのはこちらだよ、ね、う~む、薬屋を使って、こんないい加減なやり方で、マイナーな保険証に切り替えさせようったってそうはいかないぞ、、え、どうだ、、まあ、君を可哀そうだから、しょうないや飛ばしてしまうか」
「ありがとうございます」
 なんてことが数回繰り返されたのだが、わたしは何か変な契約を河野ドジタレ大臣と結ばせられたのかもしれない。

「ハイ、これでマイナーカードは保険証として使えるようになりました」
「こんないい加減はタッチばかりでいいのかい、詐欺じゃないだろうな、では、政府から5千円だったかはどうやってくれるのかしら」
「え、例のポイントのことですか、あれはもう締め切りになったのでしょう」
「おいおい、税金を使って配るポイントを、受け取る人と受け取れない人がいるって、そんな不公平があっていいのかい、おかしいだろ、詐欺みたいだな、え?」
「あ、はあ、でも」
「ゴメン、君に文句言っても仕方ないね、こんなことさせるドジタレ大臣にイチャモンつけるとするか、今度の選挙でね」

●実は困ったことになったかも

 てなことで、なんだかパソコンいじっていて、うまい詐欺話に引きずり込まれて、ずるずる契約させられた気分である。
 その一方で、これでわたしが病に倒れても、代理であれこれ医療手続する息子が、ちょっとは楽になるのだろうとも思う。

 いや、まてよ、わたしの代理でこのカードを持って薬屋に行ってくれても、顔が違うから購入できないだろ、おお、困ったな、どうしよう。
 それに米寿も過ぎるとどんどん爺さん顔になってきて、この機械がわたしの顔を見ても判別できるのかしら、あ、そうか、マスクと帽子をつければよいのだな。
 顔認証ではなくて暗証認証にするべきだったな、どうしよう、軽率だったかな。

  わたしは背番号カードの取得は2016年で比較的早かったが、その後に使ったのは取得目的だった身分証明だけで、ほかにまったく用がなかった。それを本日はじめて保険証としても使ったのであった。
 久しぶりに医者にかかったら、政府のマイナーな医療システムに無理矢理引きづりこまれたのであった。メジャーな医療システムのほうがよいのに。
 この次に銀行窓口に行くことがあったなら、そこで預金口座と背番号カードをリンクさせられるにちがいない。そうならぬように十分に気を付けよう思う。

(「2024/05/17記)

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2024/05/15

1817【横浜港徘徊】初夏の港に巨大クルーズ船が来航して巨大建築と下手くそデザインぶりを競いあう

  初夏の陽光に誘われて、超久しぶりにぶらぶらと横浜大桟橋から新港地区へと徘徊。観光客らしい人たちも多い。なんとなく見ていて分かるのは、大陸や半島からの人たちのようだ。これが例のインバウンドだな、外来観光客といわずに印旛饂飩と言うのは何故?、そのくせアウトバウンドと言うのを聞いたことがない。

●へたくそデザイン巨大客船停泊中

 大桟橋には巨大な客船が停泊している。外国船のようだ。これを見ると思い出すのは、2020年の今頃は巨大客船がコロナ感染客を大勢積んだまま、この近くの海上で立ち往生していたことだ。
 その後しばらくは巨大客船を見ることはほとんどなかったが、今はどうやらこんな大きな船が次々と入港しているのであろうなあ、コロナ退散の痕をひとつまた見た思いだった。

 
 この港でこのようなアングルで巨大客船を見ることは多いのだが、いつも思うのはその船のデザインがあまりにダサいことだ。わたしは特に船のデザインを知るのではないが、とにかく一見してこれは人間を積荷にする貨物船にしか見えない。

 建築で言えばいわゆるマンションの類のへたくそデザインである。よく見るとちょこちょことデザインしているぞと言いたいらしい気配が見えるから、なおさら実利的な貨物船デザインよりも悪い。例えば、最上階の張り出しを支えるのは、キャンティレバーではなくて頬杖であるのが、いかにも倉庫のようだ。

 とにかく全体も詳細もどうしてこのような質実な姿なんだろうか。もしかしたら巨大客船は貨物船を改造してつくるのだろうか。どの巨大客船もへたくそデザインであるのが奇妙である。たぶん内装デザイナーはいても、外観は機械屋がやっているのだろう。

 わたしは大型客船に乗って船旅なんてまっぴらごめんだから、どうでもよいようなものだが、近所の港に来る船が格好悪いのは、住民にとっては目に見える迷惑である。乗らなくても景観としては困るのである。

●へたくそデザイン巨大建築出現

 巨大へたくそデザイン船は、そこに固定していないので、そのうちに出て行くから我慢するが、巨大へたくそデザイン建築は長年にわたって居座ってしまうから困る。この横浜港あたりも次々と巨大建築が生まれてくるのだが、ここに見るからにへたくそ巨大建築が登場したのである。


 これは国の建築物であり、「よこはま新港合同庁舎」と言うらしい。設計は梓設計である。梓設計と言えば国立競技場の設計者だが、あのデザインは隈研吾であって梓ではないのだろう。と言っても隈デザインが上手いとはとても言えないので、下手と下手が2重になったのがあの競技場だ。

 そのへたくそ設計事務所の設計したこの合同庁舎は、横浜新港地区への玄関口にあたる位置にあり、横浜港としても横浜市としても景観上で実に重要な位置に建つのだ。それがこのデザインとは情けない。

 もしもこれがなかったら、アプローチの万国橋から赤レンガ倉庫が見えるという、実に素敵な立地である。その赤レンガ倉庫を背後に回して前に立ちはだかるのだが、なんというへたくそ建築であることか。なんだ一生懸命にデザインしたらしい気配がみえるだけに、余計に無残である。道路の向こうに見えるホテルナビオス(設計RIA)の爪の垢でも煎じて飲ませたい。

 妻木頼黄設計の赤煉瓦倉庫がこの地区のシンボルであるのだが、それを目隠ししてしまったお詫びのつもりだろうか、赤煉瓦タイル張りの低層部が横に広がっているのが、余計にみみっちいデザインである。この新港地区ではハンマーヘッド客船ターミナルビルが梓設計のデザインであり、それもへたくそと思っていたのだが、この合同庁舎と比べるとあちらのほうがまだよろしいと思えてきた。

 建築単体デザインとして下手であるばかりか、横浜新港地区の歴史を踏まえる都市デザインとしてもあまりに下手である。地下から姿を現した初期の煉瓦造の基礎などを、セットバック広場に展示しているのだが、どうもそれらが生み出す歴史的デザインがない。出土したから空き地に適当に遺しておいたという感じが濃厚だ。遺跡が何かを語りかけてくるデザインがない。

 書き出せば悪口に終わりはないが、とりあえず今日はこの二つについて述べておく。

(20240515記)

ーーーーーーーこのブログの関連記事ーーーーーー

●2020/04/24・1458【横浜ご近所探検】
横浜都市デザインのひとつの成果にもコロナ大戦の影https://datey.blogspot.com/2020/04/1458.html

●2019/11/03・1426【横浜ご近所探検徘徊:新港ハマーヘッド】
新客船埠頭に第2の大桟橋デザイン出現か 
https://datey.blogspot.com/2019/11/1426.html

l2012/07/27・646【横浜港景観事件(10)】
横浜の景観行政は本当かと新港地区に現場を見にhttps://datey.blogspot.com/2012/07/646.html

●2012/06/20・632【横浜港景観事件(8)】
赤レンガ建築群が建ち並ぶ出島だったと思っていたら実はhttps://datey.blogspot.com/2012/06/632.html

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2024/05/03

1816【築地再開発(4)】ザハ・ハディドスタジアムと東京同情塔による芥川賞小説世界を築地に夢想する

築地再開発(3)】から続く

熊五郎:さて今日も築地談義の続きをやりましょうか。この話題は「築地市場跡地再開発」のタイトルになっているけど、実は話題の主はそこじゃなくて「浜離宮庭園」ですよね。

ご隠居:そうそう、築地再開発がどうなるか興味を持っているのは、あくまで浜離宮庭園の景観にどんな影響を与えるのか、そのスタンスで築地再開発がどんな姿になるのか知りたいけど、事業の中身にあまり興味はない。なにしろ浜離宮庭園は、これまで周りからどんどん景観破壊されてきて、残るは北の築地側だけだったからね、どんな破壊が来るか楽しみだ。

●浜離宮庭園の北からも超高層群が

:ようやく5月1日にその事業者が内容について記者会見して発表しました。そこでネットで調べたら、こんな開発イメージ図がありました。これを見ると浜離宮庭園から築地再開発がどんな姿に見えるか大まかには見当がつきます。

事業予定者の提案概要2024/04』より引用

:おお、これかい、この左の下の方にある森が浜離宮庭園だ。この庭園と築地市場跡地の間には築地川があるが、川のほとりに浜離宮庭園を向いて4本の超高層建築が横一列にならんで、浜離宮庭園を北側から見下ろして建っている、これでは浜離宮庭園の北側も空が狭くなるな。

:そうです、ネット徘徊していたら、この事業者の絵を基にして動画を作りユーチューブで公開している人がいる(→こちら)。それを見ると南側はこうなるらしい。

妄想MAP「築地市場跡地再開発(仮)」の風景』より引用

:おお、うまく作るものだねえ。では浜離宮庭園の富士見山からとか汐入の池からとかから、庭園越しに築地のある北の方を見るとどんな風になるのかねえ。

:それがですねえ、この作者は浜離宮庭園景観には興味がないらしい、しょうがないからあたしも作ってみましたよ、いかがですか、こんな感じになるらしい、こうなったらもう何でもやって来いって言いたくなっちまう。

築地再開発超高層群出現による浜離宮庭園富士見山から北方景観変貌の戯画


築地再開発超高層群出現による浜離宮汐入池から北方景観変貌の戯画

:ふむ、なるほど、浜離宮庭園北側はこんなビルが立ち並ぶのか、4棟が同じ高さじゃなくて、海の方へ向かって次第に低くなっている。これは横浜のみなとみらい地区でやっている手法だよ。でも、浜離宮庭園景観への配慮はなさそうだな。

:ウ~ン、ほかの西東南全部がバラバラいい加減景観デザインだから、この北側だって知ったこっちゃないと、建築家は思うのかもなあ。東京都にも横浜のような都市デザイン担当部局があればいいのにねえ。でも浜離宮庭園に限って言えば、もうすっかり手遅れだな。

:そうですよ、もう百鬼夜行ですお、これこそが現代の日本庭園であると、頭を切り替えましょうかね。シオサイトの無恥蒙昧広告がまた登場かもなあ、築地再開発の高層ビルから浜離宮庭園を覗き込んで景観破壊しながら、”美しい庭園「借景」のレジデンシャルホテル”なんてね。

●築地再開発にザハ・スタジアムを

:ところではじめに事業内容に興味ないと言ったが、築地再開発事業に提案をしたい。ここに5万人スタジアムを建てるのが事業の中心になっている、そこで思いついたのは、ここにザハ・ハディドの新国立競技場コンペ一等案を建てようとね、この絵だよ。

築地再開発にこのスタジアムを建ててほしい

:そうそう、2012年国際コンペで、一等賞はUKの建築家ザハ・ハディドだった、なかなかすごいデザインでした、あれが建つのを観たかったなあ。

:そう、わたしもあれが実現するといろいろな意味で面白いなあ、見たいなあと思っていたよ。ところがカネメでドタバタモタモタしてたら、時の首相の鶴の一声「白紙撤回して再コンペ」でボツ、もったいなかったね。だからね、今回の築地跡地再開発では、あのザハハディド案を実現してほしいのだよ。

:いいですねえ、ぜひここで実現してもらいたい、そういえばあのザハ案の実施設計をやったのは日建設計で、今回の事業者チームの一員ですよ、もう十分に準備できてるってことですよ、もしかしたらその気なのかも、、。

:まさかね、でも日建の実施案は自転車ヘルメットみたいでつまらないから、できることならザハのコンペ応募当初案のデザインでやってもらいたいものだ。

:あの女陰ごときデザインでね、それで浜離宮庭園と景観的に大丈夫でかしら。

:う~む、うん、今やもう浜離宮庭園景観には何でもありだから、これも面白いだろ、あの流線形と日本庭園とは意外に似合うかもしれないぞ。例えばこんな景色だよ。

浜離宮横堀にかかる海手お伝い橋から見るザハスタジアム風景戯作

:うわ、、ふ~ん、こうですかあ、ご隠居も何でもありになっちまった、まあ、壁よりはいいかな、いや、、。

●築地再開発に東京同情塔を

:ま、そういうことでザハスタジアムができるとしようか、そうするとこれと対になる超高層建築を、こんな案で建ててほしいのだよ。

:え、まだ超高層ビルもあるんですか、ご隠居も巨大開発賛成派に転向か。

:いや、なに、何でもありになっちまった浜離宮だからいいだろ、どうせできもしない与太話フィクションだからね、いいんだよ。ここで小説の世界を夢想している、その小説の題名は『東京都同情塔』だがね、読んだかい。

:あ、それって今季の芥川賞でしょ、あたしも読もうとしたけど、何だかわからないから途中で投げ出した、純文学は苦手だ、直木賞小説の方が好きです。

『東京同情塔』九段理江
:そうか、その小説は例の新国立競技場がザハ・ハディド案で実現した世界なんだ。その巨大建築に続いて、その隣の新宿御苑内に『東京都同情塔』と言う名の超高層建築が建つ、そういう話だ。

:ザハ案はわかるけど、その塔はいったい何で、どんな形ですか。

:その塔の機能をここで解説すると、ネタバレとかになって怒られそうだから言わない。でも形については、72階建ての円筒状の超高層と書いてある。でも建築高さとか円筒状の胴回り太さとかの数字はない。

:72階建てとなると、横浜ランドマークタワーが70階建てで高さ296mだから、似たようなものでしょうから、東京都同情塔は約300m強の高さでしょうね。え、そんな巨大サイロみたいな超高層とザハ案のスタジアムを建てようって夢想ですか、面白いなあ。

:そう、その東京都同情塔の機能が実に奇抜極まる代物なんで、この陰陽一対の巨大奇抜建築構想が実現すると東京一大名所になるね。

:それほどの巨大建築が築地市場跡に並ぶ景観が出現すると、浜離宮の日本庭園の繊細な景観なんて吹っ飛びますね。それにしても面白い、ザハスタジアムは陰の象徴、それに対して東京都同情塔は陽の象徴で、合わせて陰陽のメタファーかあ、その小説家の九段理江に意見を聞いてみたい。あ、だれかその夢想再開発イメージ図を作ってほしいなあ。

(2024/05/03記)

ーーーーこのブログの関連ページーーーー
●【築地再開発】(1)(2) (3) (4)
●【浜離宮庭園の景観変容】()()()()(5
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怨念の景観帝国 -円通寺と後水尾上皇の視線-
景観戯造

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