2022/07/27

1635【ようやく来た夏】世にはいつもの夏が巡り来るが生身にはいつも異なる老いが来る

  ようやく夏が来たらしい。今日、買い物の行き帰りに木陰が続く大通公園を通ると、今年初めて聞く蝉の声である。幹に抜け殻、上方にアブラゼミ、初蝉である。



 今年は夏が遅い、暑さもまだ不十分だ。その証拠には、わたしの部屋は今年はいまだに冷房にしたことがない。まあ、いつもの年でもほとんど冷房しないのだが、嫌いだからではない。地上20mの空中陋屋は風が気持ちよく通るのだ。ホコリも通るが、、。

 昨日の買い物帰りのこと、うちの近くの路上で後ろから若い男に声をかけられた。
「こんにちは、これをどうぞ」
 振り返り見れば、差し出してきたのは小さな透明プラ袋にはいったチリ紙らしきもの。何かの広告か。
 近頃は知らない人に声をかけられて、物をもらってはいけないと教えられている。コロナウィルスがついてるかもしれないから。

「え、どうしてこれをくれるの?」
「はい、わたしはオウチコープと言って、野菜などの買い物を、買いに行かなくても、おうちにお届けするのです」

 みれば「おうちコープ」とチリ紙袋に書いてある。わたしは近所の食料品店で買った野菜などを入れた白いプラ袋を手にぶら下げていた。
 なるほど、コープって協同組合のことだったな、おうちがコーポラティブショップになるってわけか。買い物ぶら下げてヨロヨロ歩く老人を見て、カモがいるとて声掛けして営業だろう。ねぎを買ってはいなかったが。

 わたしは昨年の夏に家人からバトンタッチされて、買い物役をやっている。それまでは酒の値段しか知らなかったが、今や豆腐3つで100円もせぬとさえ知っている。
 そういえばこの辺りには、わたしのような爺さん婆さんがババ車を押してヨロヨロ買い物姿によく出くわすから、おうちコープの彼の営業相手は多い。商売は成り立っているかもしれない。

 わたしはヨロヨロしてはいるが、街なか徘徊が趣味であり、足腰の健康のためであり、買い物はその一環だから、趣味を取り上げられては困る。
「ああ、そうなのかい、でもね、わたしには用がないね、ありがとう」

 超高齢社会になるとこういう商売がはやる。食材よりも料理した食品の通販も新聞には盛んに登場する。お世話になる時が遠からず来るかもしれない。
 今の横浜都心部住まいでは歩ける近所で、生活、医療、文化、行政、観光などの何でも調達可能だが、ヨロヨロ度がある程度以上になると、それさえも不可能になる時が来るのか。

 それにしてもこのところ忙しい世の中である。ヒマツブシ話題に苦労しないし、考えているとボケの進行が止まるような感がする。
 そこで狂歌を数首。

  宣言するお方を替えてみたけれど今度のお方は知らんぷりらし
  第5波でオリパラ開催やったから第7波では国葬開催
  第5波でオリンピックは無観客 第7波では無弔問客
  国葬のドレスコードは喪服着てアベノマスクを着用すべし
  国葬の準備でいま忙しいコロナ罹るとうちで寝ていろ
  公明党創価学会自民党統一教会それがなにか?

 そんな夏が今年も来たが、去年と違う夏でもある。 (20220727記)

参照:伊達の眼鏡 https://datey.blogspot.com/
   まちもり瓢論 https://matchmori.blogspot.com/p/index.html

 

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

伊達様

  狂歌に、感激しました。それと冷房をしない20階住まいに、いつか、私も住みたいと思いました。