2023/12/07

1759【言葉の酔時期】世にあまりに謝罪事件が多いので謝罪文句が次第に簡略化して今や謝らない

 放火して36人も殺しておいて、「申し訳ございませんでしたと言う言葉しか出てきません」と言ったらしいだが、これが「謝罪の言葉」であるものか。
 もう45歳の中年男、しかも何やら漫画原作を作っていたというのだから、もっと物の言い方を心得ているだろう、これが謝罪の言葉であるはずがない。

 これを聞いて、「謝罪の言葉を初めて口にした」と記事を書いた新聞記者の方は若者だったのかしら、言葉理解が変である。詫びになっていないと分からないのか。
 これは単に「申すべき言い訳がない」 と事実を言っているだけで、どこにも「お詫び」の言葉はない。「深くお詫び申し上げます」とか、「心より謝罪いたします」とか言ってこそ、始めてお詫びの言葉である。

朝日新聞朝刊記事より引用 20231207

 近ごろ新聞で出くわすお詫びと称する言葉遣いに、この「申し分けありません」を筆頭にして、首をかしげることが多い。
 「すみません」で謝ったつもりの人も多い。この意味は、ちょっとやそっとの謝罪とか弁償では済まないほどの罪を背負っていますと言うが元だろうが、ここで終っては単に事実を述べただけである。謝る言葉を省略してはいけない。

 「失礼しました」でお詫びのつもりの例も多い。「礼を失することをした」のだろうが、それではその事実を言っただけで、なにも詫びていない。失したと分っていながら謝らないのだから、いっそう始末が悪い。
工事現場にて

 「ご迷惑をおかけしております」でおしまいにして、お詫びしているつもりの例も多い。これも「迷惑をかける」という事実を述べただけで、どこにも詫びるとか謝罪とかの言葉はないから、全くお詫びしていないのだ。
 迷惑をかけたことを、わたしはわかっているが謝らないよと、相手に言っていると同じである。かなり酷い言い方と思うのだが、これも謝罪言葉で通用しているのが不思議である。
 世の中にあまりにお詫び事件が多くなり、次第にお詫び言葉の簡略化が進んでいるらしい。それでよいのだろうか。

(20231207記)
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伊達美徳=まちもり散人
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2023/12/06

1758【今日も戦争】薄暗い廊下の奥に閉じ込めた戦争がまた目覚める気配

  昨日は現在起きている外国の戦争のことを書いたから、今日は現在の日本で起きている戦争のことを書いておく。もちろん戦火が起きているのではない。戦争の気配が濃厚になっているのだ。
 去年にはウクライナで侵略戦争が起きて(実はもう2014年に起きていただが)、今年はパレスチナのガザで第5次ともいうべき中東戦争が起きている。ミャンマーでは内戦が拡大して続くし、朝鮮半島の北ではミサイル打ち上げに精を出しているし、チャイナは海洋に乗り出して東南アジアであちこちきな臭い。

 という世界戦乱情勢の中の日本は、今のところ戦乱は起きていないのに、なんだかきな臭い。ちょうど10年前の2013年に「特定秘密保護法」なる反情報公開法ができたのは、戦争につきもののスパイ策であったらしい。つまり戦争が近いからスパイに備えておこうというのである。その頃からどうもきな臭い。

 次に2014年には、憲法についてそれまでとは大きく異なり、日本は集団自衛権行使を可能とすると解釈を変更した。つまり、アメリカと一緒なら戦争できることにした。
 わたしは新憲法ができたとき11歳だったから、物心ついてからは憲法と一緒に育ってきた。戦争絶対しないと思い込んでいたのに、わたしより後から来た安倍さんに勝手に変えられてしまった。

 そして近ごろは武器を作ってその輸出さえ可能にするという方向へ論議しているらしい。現実に、ウクライナの戦争支援を公然とやっている。沖縄あたりの南西諸島では戦争基地づくりをどんどん進めている。
 いつ戦争が起きてもよいように備えるらしい。次の戦争が起きると沖縄は一番に攻撃される運命に落とし込まれている。戦火が上がるのは近いのかもしれない。


 今日の新聞に、その集団的自衛権行使への憲法解釈変更について、憲法9条違反だとして訴訟した人たちがいて、その控訴審判決が載っている。
 判決は敗訴、「いろいろ問題がありそうだが、明白な違反とは言えないなあ、、」てな感じである。わたしが一緒に生きてきた憲法が次第に離れて行って、戦争へとなびき傾いていくようだ。

 親友というか守り神と思っていた憲法君が育ちすぎて、わたしとは遊んでくれない不良になり、どこかに家出していった気分である。そうなったのは考えてみると、2006年に公然と憲法改正を唱えて自民党のリーダーになり総理大臣になった安倍晋三の登場からのような気がする。あの時のマスコミが伝える安倍晋三のいうことを見聞きして、デジャビュに襲われたことがある。赤尾敏である。

 わたしが学生時代に有楽町駅近くの公園で演説していた赤尾敏のいう右翼が居た。それに実によく似た言葉だったので、今どきこのようなことを言う政治家がまたも出たのか、と思ったものだ。
 それがするすると総理大臣になるこの国にすっかり不信を持ってしまった。安倍晋三にわたしの親友であった憲法君を拉致されたのだった。その拉致者が暗殺されたのも、かれゆえに怖い世を招いたご当人にも責任がある。

 わたしは日本の十五年戦争の半ばで生まれ、戦火こそ蒙らずに済んだが、その末期の教育を受け、敗戦の日も見届けた。そして敗戦後の混乱期も、腹ペコという現実的な不幸に襲われて、これが私の本当の戦争だったかもしれない。

 戦争を身に染みて知る最後の世代と言える。今、戦争を知らぬ世代の人々によって、戦火を招くような方向に世は動いているように見えて仕方がない。
 死ぬ時はまた戦火の時代になるのは勘弁してほしい。その前に死ぬしかないな。
 なお、タイトルは渡辺白泉の1939年の句「戦争が廊下の奥に立つてゐた」による。
(20231206記)
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伊達美徳=まちもり散人
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2023/12/05

1757【今日の戦争】ウクライナは今や戦い疲れ、ガザはこれから疲れるほどに戦うのか

 ウクライナでは、今や市民は戦争疲れの気分とある。その一方で、パレスチナのガザではますます戦争が盛んである。これも今に戦争疲れが来るのだろうか。
 そういわれると、毎日毎日戦争記事を読まされるこちらも、戦争疲れであると言えなくもない。戦火の中にいないのにそう思っては申し訳ないと思う。そこには何もできないでいる自分自身への責め疲れがあるかもしれない。


 そして思うに1944年から45年にかけて、わたしの父母たちの世代は、戦争に疲れたと思わなかったのだろうか。思ったに違いないだろうが、口に出すことができなかったのだろう。わたしの戦争時の記憶に、父と母が新聞を見ながらの会話がある。

 母が父に新聞を示しながら「こんなことを記事載せていいのでしょうかねえ」というのだった。それ以上は覚えていない。7~8歳の子には何かよくは分からない記憶の雰囲気では、どうも日本の戦局がかなり不利な状況の記事が載っている、そんな様子を感じたのだった。母は声を潜めているようだった。

 そうか、いま気が付いたが、母が声を潜めたのは、わたしに会話を聞かせたくなかったのだ。小さい子は外に行って無邪気に、家庭内での父母の会話を話すであろうからだ。そんな世の中だった。
 さて今頃のウクライナとかロシアの家庭内で、こんな会話があるのだろうか。

 ウクライナで盛んな局地のたくさんの戦いは、当然今も続いているのであろうが、今やニュース価値はパレスチナのガザに移ったみたいである。それでよいのだろうか。

 今ガザで起きている市民をたくさん巻き込んでの殺し合いは、ウクライナではもう終わって、軍隊同塩田高いばかりなのだろうか。ということは、そのうちにガザでもそうなるのだろうか。

 「あの頃はバカなことやったものよ」と、1945年頃を思い出すように今を思い出す時があるのだろうが、わたしには関係がない世界のことである。
 とにかく今日の戦争の記録を、ここに載せておく。

追記20231206ミャンマーの戦況図をみると内戦が広がっている。かつて日本軍がこの地を戦乱の場とし、そして敗れた日本軍の死者が撤退路に連なり重なる白骨街道を作った。

(20231205記)

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2023/12/04

1756【ポン大と小説家】火中の栗拾いで大変な林真理子さんを応援したい

熊五郎:こんにちは、ご隠居、生きてますか。

ご隠居:おや、熊さん、久しぶりだね、まあお上がりよ。

:ご隠居はあまり興味ないだろうけど、近ごろ芸能界とかスポーツ界には、あれこれ週刊誌を喜ばせるスキャンダルが多いんですよ

:うん、知ってるよ、芸能会社社長が少年好みの強姦魔だったってね。

:それも有名ですが、今日は小説家の林真理子さんが記者会見して、記者たちから突っ込まれている様子がテレビに出てましたよ。

:えーと、そりゃ小説家の方じゃなくて、日本大学理事長の方の林さんだね。彼女も日大に火中のクリを拾いに行ったけど、覚悟の上だろうがひどい目にあってる、気の毒に。

:そう、例の日大問題アメフト部がまたまた問題件を起して、今日は彼女もそのスキャンダル当事者側責任者としての記者会見でした。

:なんでも大麻を吸ってたとか持ってたとかだろ、ポン大と言えばヒロポンを連想したもんだけどなあ。。

:うわ、ダジャレが古すぎますよ。

:小説家の林さんに同情しているから言うけど、なんだか彼女を引きずりおろす陰謀団が居て、アメフト部をその先頭に立てているように見えてくるね。

:そうそう、あんなバカ大なんか放っておいて、もう小説家として復帰してほしい、なんて思ってたら、今日の新聞に林真理子作の「平家物語」って本の広告が大きく出ていますよ、ほれこれが切り抜きですよ。

:林さんの小説を読んだことないけど、そうかい、どれどれ、なるほど、え?、アッ、お前はまたいたずらやってるね、ハハ、気の毒に今日の記者会見は平謝りだったのかい。

:でね、もしかして、林さんは次作小説として、こういう題名の本を執筆中かもと思ったんですよ、彼女なら転んでもただで起きないでしょうから。

:うん、冗談として面白いね、いや、本当にそうかもね、イギリスの有名な小説家ジェフリー・アーチャーは、詐欺事件で有罪になり監獄入りしてたけど、自分の獄中記とか獄中小説とか書いてひと儲けしたからね。

:はは、じゃあこれは獄中記ならぬ理事長記として彼女の次作前宣伝になるかもなあ。

:いやいや、彼女は度胸で飛び込んだ大学理事長だから、どんなことがあっても泰然として「物語」に決まってるよ。

:ウワ、負けた。

(20231204記)

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2023/12/03

1755【節電時代】異常気象で暑い夏だから再エネも核発電も3倍必要というが本当か?

 2023年12月1日の新聞に、今年は「史上最も暑い年」と書いてあった。そして今日3日の新聞には「地球沸騰化、2023年に異常な気象と影響」の数々が載っている。
 たしかに今年は暑かったが、史上新記録とは異常事件を多く誘発するものらしい。わたしが直接にここに書いてある異常事態に面したのは、いつも食べている新潟の米のコシヒカリに白い小さな粒が目立って混じっていることである。



 暑いと言っても個人的にはいつもの夏と大して変わらなかったのは、年を取ってくると気温変化に鈍感になるかららしい。当人が気が付かないうちに熱中症でコロリと死んでいたなんて、なんとも理想的な死に方と思う。

 同じ今日の新聞に、ドバイで開催中の「COP28」で、日本など30か国が「2030年までに世界の再生エネルギー設備容量を3倍にする」と賛同したとある。
 ところが同じ今日の新聞の別ページには、おなじCOP28参加の中の22か国は、「世界全体の原発の設備容量を2050年までに3倍に増やす」ことに賛同したとある。これにも日本は参加している。


 この「再生エネ発電3倍」と「核発電3倍」とは、ひとつながりの賛同であろうか。気温上昇を抑えるためには化石燃料発電を抑える必要がある、それには再エネと核発電の促進だ、というのであろう。さてどちらが優先なのだろうか。同じ発電効率ならば、どちらが安価であるのか、そしてどちらがリスクが少ないのだろうか。

 昔々に原子力なる発電所がもてはやされていた時代があったが、再生エネルギー発電もつい先ごろまでその感があった。ところが今では再エネ発電もあれやこれやと問題が起きてきているようだ。核発電も福島巨大事故の教訓がどんどん忘れられてきて、COP28では堂々と肩を並べて増設を競うまでになった。本当に肩を並べるものなのか?

 はてさて、わたしたちはどれほどエネルギーがあれば生きてゆけるものだろうか。思い出すのはまだまだ暑い9月16日に、こんな新聞記事があったことである。「東電管内、電力危機起きず 原発なくても猛暑乗り切る」とあるのだ。


 毎夏になると今年こそ電力不足で停電が来るぞと言われてきた気がするのだが、史上一番暑かったこの夏でも、しかも最も需要が多い東京電力管内でも、節電すれば大丈夫と分かったのである。
 それでもCOP28の日本は、再エネも核発も3倍に増設するというのは、なぜなのだろうか。          (20231203記)

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2023/12/02

1754【今年の新語流行語】ネットは観るがテレビを全く観ないわたしが知る言葉はわずか2語のみ 

  1カ月前に今年の新語流行語について、その候補30語が発表されていて、そのことについてこのブログ書いた(1728【今年の新語流行語候補】。要するに30候補語のうち、わたしが知るものはその半分の15語であったという話である。

 今日12月2日の新聞に、ベストテンと大賞の発表があったニュースがある。30候補から10を選んだらしい。今度はわたしが知る言葉はたったの2語になってしまった。候補語では5割を知っていたのに、ベストテンに残ったのは2割とは、どんな選考をしてるのだろうか。


 なお、大賞は「アレ(A.R.E)」で、これは野球の言葉らしい。見世物スポーツ嫌いだから、もちろん知らない。

 どうせどうでもよいことだが、これまでの記録をのせておく。全体的に見てみて、わたしが知っている言葉の数に特別の傾向も変化もないようだ。
 しかし自分では分からないが、WEBサイトやSNSをよく観るがTVをまったく観ない者の傾向はこうだと、言えるのかもしれない。知らなくても困ることはなにもない。

●2022年(わたしが知っていた語数3)
 ×「村神様」(大賞)、〇「キーウ」、×「きつねダンス」、
 〇「国葬儀」、〇「宗教2世」、×「知らんけど」、
 ×「スマホショルダー」、×「てまえどり」、
 ×「Yakult(ヤクルト)1000」、×「悪い円安」

●2021年(わたしが知っていた語数5)
 ×「リアル二刀流/ショータイム」、〇「ジェンダー平等」、
 〇「親ガチャ」、×「Z世代」、〇「人流」、〇「黙食」、
 ×「ゴン攻め/ビッタビタ」、×「スギムライジング」、
 〇「ぼったくり男爵」、×「うっせぇわ」

●2020年(わたしが知っていた語数5)
 ×「愛の不時着」、×「あつ森(あつまれ どうぶつの森)」、
 ○「アベノマスク」、○「アマビエ」、○「オンライン○○」、
 ×「鬼滅の刃」、○「GOTOキャンペーン」、
 ○「3密」(大賞)、×「ソロキャンプ」、×「フワちゃん」

●2019年(わたしが知っていた語数5)
 ×「そだねー」、×「ONE TEAM(ワンチーム)」、〇「計画運休」、
 〇「軽減税率」、×「スマイリングシンデレラ/しぶこ」、
 ×「タピる」、×「#KuToo」、×「◯◯ペイ」、〇「免許返納」、
 〇「闇営業」、〇「令和」

●2018年(わたしが知っていた語数4)
 ×「そだねー」、×「eスポーツ」、×「(大迫)半端ないって」、
 ×「おっさんずラブ」、〇「ご飯論法」、〇「災害級の暑さ」、
 〇「スーパーボランティア」、×「奈良判定」、
 ×「ボーっと生きてんじゃねーよ!」、〇「#MeToo」

●2015年(わたしが知っていた語数6)
 ×「トリプルスリー」、○「爆買い」、○「アベ政治を許さない」、
 ×「安心して下さい、穿(は)いてますよ」、○「エンブレム」、
 ×「五郎丸(ポーズ)」、○「SEALDs」、○「ドローン」、
 ×「まいにち、修造!」、○「一億総活躍社会」、

●2014年(わたしが知っていた語数2)
 ×「ダメよ~ダメダメ」、〇「集団的自衛権」、×「壁ドン」、
 ×「カープ女子」、〇「危険ドラッグ」、×「ありのままで」、
 ×「ごきげんよう」、×「マタハラ」、×「妖怪ウォッチ」、
 ×「レジェンド」

●2011年(わたしが知っていた語数7)
 〇「帰宅難民」、〇「絆」、×「こだまでしょうか」、
 〇「3.11」、 〇「スマホ」、〇「どじょう内閣」、
 ×「どや顔」、〇「なでしこジャパン」、
 〇「風評被害」、×「ラブ注入」

●2009年(わたしが知っていた語数5)
 〇「政権交代」、×「こども店長」、〇「事業仕分」、
 〇「新型インフルエンザ」、×「草食男子」、〇「脱官僚」
 〇「派遣切り」、×「ファストファッション」、
 ×「ぼやき」、×「歴女」

(20231202記)

2023/12/10追記
 このところ政界は大揺れ、自民党の安倍派の資金集めパーティで集めた億の位の金を、政治資金収支報告書に載せないで、裏金にしていたことが暴露されて、検察の手が入った。安倍派重鎮6人が次々と閣外に出されるらしいとて、新聞はパーティで集めた金を「還流」したとか「キックバック」したとかの記事ばかり。
 今年の新語流行語に追加か、特別大賞「還流/キックバック」

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2023/11/30

1753【紅葉の季節】故郷生家の森の紅葉から思いを巡らす街の紅葉そして人工の紅葉

 今年の紅葉は平年と比べてどうなのだろうか。夏から秋へと暑かったから、紅葉は遅いのか逆に早いのか、どちらなのだろうか。

 ここに載せた紅葉黄葉風景の写真は、2014年11月10日撮影である、場所は岡山県中西部にある高梁盆地の神社境内で、ここはわたしが生まれ育って少年期までを暮らした生家である。故郷の盆地で暮らす同年友人が撮って送ってくれた。
 少年の頃には紅葉なんてものには全く興味なかったから、このような紅葉風景を送ってくれて、改めて美しいと感動したのであった。

 その生家の神社は、盆地を取り巻く丘陵の中腹斜面の街から見上げる位置に、裏に山を背負った森の中であった。生まれた時から自然の四季の移り変わりの中におぼれるほどにどっぷりと浸かって生きていた少年にとっては、あまりに日常的すぎて身のまわりの自然の変化には全く気を止めるようなことはなかった。周りの森もの樹々も裏山の森も全て自分の領分だから、それはまるで身体の延長である。自然を客観的に見る目はなかった。

 ところが、ある日のこと、突然に自然を感得した得難い体験の記憶がある。中学生になったばかりの頃だったような春のある日だが、真昼の森の中から森の外の雑木林のあたりをぼんやりと見ているとき、それは急にやってきた。
 樹々の萌える若葉のひろがる枝葉、その色彩のグラデーション変化、風による木の葉や草のさやぎ、鳥の鳴き声、森の樹々の合間からさす日の光、それまで気に留めることなかった自然の姿が一気に押し寄せてきた。

 それはいったい何だったのだろうか、しばらく立ち尽くしていた。自然がわが身の外にある客体としての自然が見えてきた”事件”があった。それはどこか外から来たのではなく、身の内から湧き出てきた感情であった。何か特別なきっかけはなにもありはしなかった。

 たぶん、それはその日から大人になるステップを登り始めるという少年にとっての、心と体の儀式だったのであろう、と勝手に思っている。遠い少年の日のその不思議な体験を、不思議なほどにありありと覚えている。もっとも、自然が美しいと悟るにはまだ時間が必要であった。

 それから20年ほども後のことだが、これに似た体験をしたという知人にひとりだけ出会ったことがある。また何か外国の小説であったとかすかな記憶だが、これと似たような体験する少年の話を読んだことがあり、ときに思いついて探すのだが見つからない。

 故郷の盆地にはもう20年も行かないし、もう行くことはなさそうだが、上の写真のような紅葉は今もあるらしく、先日のこと、故郷の盆地に住む知人が、街から見上げた神社の森の中に、今年もイチョウの大木の黄葉が目立っていたが、もう落葉したと便りをくれた。

 さて、今わたしが住む横浜の近所に紅葉黄葉の名所がある。街路樹のイチョウ並木がかなり多い。有名なところは日本大通りであろう。紅葉狩りの名所ならば三渓園である。これまで何度も出かけたものだ。

横浜三渓園紅葉風景 2021年

横浜大通公園 銀杏黄葉 2015年

 銀杏並木と言えば、今話題の明治神宮外苑である。上の日本大通りの銀杏本来の姿のそれと比べると分るように、外苑では強い剪定をして、槍の切っ先のようにとがった姿にしている。それはここが明治王権のシンボル空間だからである。その先にある絵画館に視線を集中する人工の仕掛けであり、その視線を強要する人工景観をわたしは好まない。
明治神宮外苑の銀杏並木 2013秋

 近ごろは紅葉や黄葉の樹木に、夜間にライトを当てて見せるということがしきりに行われているらしい。わたしは実は見たことが一度もないのだが、見たい気がおこらない。ライトの当て方が人工的でわざとらしい風景になるに決まっているからだ。いっそのこと紫色でもあてて紫葉狩りでもしたらどうですか。

 ネット検索で紅葉ライトアップを探すと腐るほど出てくる。これではご免を蒙りたい。雪景色でも花見でも瀧でも何でもかんでもライトアップして、しらじらしい風景に変えてしまうのが気に食わない。これも視線を強要して不自然極まる。

ネット検索サイトに登場する紅葉ライトアップ風景

 自然の風景を光で改変するライトアップも風景破壊であるし、こうも夜まで明るくされては植物の方も寝不足であろうから枯れてきて自然破壊になっているに違いない。
 これからクリスマスがやって来て、個人の家をキンラキラキラさせるのはそれぞれ勝手ながら、景観についての美的感覚に頭をかしげさせるのである。
 ここに並べた写真を見て気が付いたが、計らずも自然のままの紅葉から、人工の極致の紅葉へと並んでいるのが面白い。

(20231130記)

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2023/11/29

1752【宇宙のロマン?】地球は周囲を隙間なく飛ぶ人工衛星群がつくる中空球体にすっぽり覆われているらしい

 ネット徘徊していたら、こんな地球の図に出くわした。これって、現在地球のの上の宇宙空間に浮かんでいる人工衛星だそうである。こんなにも沢山こみあっているが、これは一部に過ぎない。

スターリンク群球体の中の地球


上の図の日本付近拡大

 上の2つの図はスターリンクなる名前で、例のイーロンマスクのスペースエクスが打ち上げており、インタネット通信の道具らしい。
 この数なんと現在は3000基で、そのうちに12000基になるとか。ほかにも宇宙衛星打ち上げ屋が沢山あるだろうあるから、競って打ち上げるのだろう。計画だけでもう10万個の人工衛星が飛ぶとのネット記事もある。
 そのうちには空一面にすき間なく埋まり、人工のお星さまがキラキラキラキラときらめくだろう。当然のことに昼は太陽光を遮るから、地上は薄暗くなるのだろう。

 前世紀の中頃までは、わたしたちは海水と空気は無限だからとて、無駄に使ったりごみを捨ててきたが、今頃になってやっとこれは大変だと慌てている。
 今の宇宙空間についても、かつての海水や空気を同じように、今は無限と考えているらしい。今にあちこちで空から知らぬものが落ちてきて人が死ぬ、そのうちに太陽光線が地上に来なくなる。地球は人工衛星という粒の群でできた中空球体のなかにすっぽりと入ったと、ある日気が付くのだろう。もうすでにこれまでに打ち上げたゴミが大小1億2000万個もあるとのネット記事があった。

本物の星の動きとスターリンクの動き

スターリンクの行列が行く
スターリンクすだれのすき間から宇宙の星を観測する

 次の世界戦争は情報戦争だから、この見上げる空を隙間なく覆うスターリンクなどの人工衛星群破壊戦争がおきるにちがいない。人工衛星群はゴミ衛星群となって地球を覆う。人間は宇宙人の攻撃ではなくて、自らが打ち上げたゴミで滅びるだろう。
 かなり近い将来でもその頃はわたしは地球上に存在しないから、どうでもよいことだけどね。これはSFか現実か、それとも現代の杞憂か
 
 宇宙の話なんてのは、わけもなく希望に満ちていた時代に育ったものとしては、希望が現実になったとたんに、宇宙もゴミにあふれた世界になって、実情はゴミ溢れる地上の地続きという、夢の無い話になってしまった。

 わたしは天文少年であったから、宇宙に横たわる銀河を見上げて大いに感激をしていたものだ。今、あの銀河はどこに行ったのか、もう何十年も見ない。
 その代わりにイーロンマスク提供のスタ―リンクのすだれを見て、今の天文少年たちは胸を躍らせているのだろうか。

(20231129記)

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2023/11/28

1751【Yahoo!LINEかよ~】LINEの裸淫とヤフーのヤプーとがつながって奇書が取り持つ縁かいな

 このブログに今月の初めにも採り上げた【LINE裸淫】についてまた書く。どうでもよいのにヒマだねえ。


 これについてはこのブログでずいぶん前から何度か面白がって指摘しているのだが(初出は2018年のコレ)、かいつまんで書くとこうだ。
 そのLINE発音の日本語イントネーションが、英語式ではなくて日本式「ハダカでミダラ」であるのを奇妙に思いオチョクリ面白がっていたところ、何故か使えなくなったので復活する操作が面倒なので、裸も淫も卒業したからもういいやと、全部アンインストールしたという話であった。

 さて、今日の新聞に「ライン情報44万件流出』との大見出し、使っていないから記事内容には興味がないのだが、「IT大手のLINEヤフー」と企業名が書いてるのに気が付いた。


 え、そうだったのか、ヤフーとラインは繋がっていたのか、知らなかった。これでまたオチョクリ種が増えたのが嬉しい。裸にして淫だからヤーにつながるのか、なるほど、。

  IT起業の「Yahoo!」の名を知ったのはいつだったか覚えていないが、「家畜人ヤプー」よりもはるか後だったことは確かだ。なる企業名を初めて見た時に、変な名前を付けるものだ、あの奇書「家畜人ヤ」から採ってきたのか、奇人が社長かしら、どんな人だろうと思った。日本法人のトップは孫正義だったから、この人が奇人かと思った。

 後にヤフーは外国企業と知ったので、奇書がもとではないと分かったが、日本企業としてはヤフーのままでよいのかなあと思っていた。それからヤフーが検索サイトなどでぐいぐいと伸びてきて、一時わたしもヤフーメールを使っていたこともあった。が結びつけられて語られたとは聞いたことがない。世間ではマイナーな奇書だったのか。

 しかしわたしはヤフーのネットサイトデザインが広告だらけで、実に汚らしいのでヤフーを嫌になった。そのうちにグーグルの方がサイトデザインがすっきりしていることに気が付いて、今ではそちらに乗り換えてヤフーとは縁が切れている。今も汚らしいようだ。

 さて、これをここまで読んで、「家畜人ヤプー」なる奇書をご存知ないお方にはちんぷんかんぷんであろう。今ではネット検索すればすぐ分るからここで解説しない。私がその奇書を読んだのは角川文庫本になってからずいぶんたった頃だから、1970年代後半だったか。

 あまり昔なのでもう内容をほとんどを忘れたが、寺山修司や澁澤龍彦が激賞するほどのSF、SM、エロ、グロ、冒険など満載の奇書であった。そのヤーイメージでヤーなる企業名に出会ったものだから、奇妙な偏見にとらわれたのであった。

 今調べたら「Yhoo!」の創設者によるネーミングの元は、スウィフト作「ガリバー旅行記」に出てくる野獣の名だと出てくる(Wikipedia)。そう言えばそうだ、朝日新聞にガリバー旅行記の新訳が連載されたのは5年ほど前だったろうか、「馬の国」でガリバーは「ヤフー」という退化した人間に出会う。ヤフーは理性ある馬「フイヌム」たちにこき使われれていた。

ガリバー旅行記 フィヌムとヤプー

 ガリバー旅行記はよくできた風刺小説であり、その時代としては一種の奇書だっただろう。そして「家畜人ヤプー」は、この元祖奇書がはるか後世に産み出した奇書であろう。
 やはり「YAhoo!」と「家畜人ヤプー」はガリバーを通じてつながっており、ヤフーは資本を通じて「LINE」とつながり、牽強付会で「裸淫」とつながり、メデタシメデタシ。

 ここで歴史的経緯(というほどではないが)をまとめておく。
 ・1735年 スウィフト「ガリバー旅行記」完全版の出版
 ・1956年 沼正三「家畜人ヤプー」が「奇譚クラブ」に初出現
 ・1996年 IT企業「ヤフー」設立
 ・2011年 SNS「LINE」出現
 ・2018年 まちもり散人 ブログ「伊達の眼鏡」で「LINE裸淫説」初出
 ・2023年 ヤフーとLINEが結びついた 

 というまことにもってどうでもよい話である。

(20231128記)

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2023/11/26

1750【横浜ご近所探検隊が行く】もしかして家を追い出された時のため安宿住いを考えておく

  街を徘徊していると、こんな安宿に出くわす。どうしてこれらに注目しているかと言えば、年寄りになると、年寄りには賃借アパート入居が簡単ではないらしいからだ。
 もしも今の住処をなにかの都合で追い出されることになったら、直ぐに泊まることができるホテルを平素から考えておく必要があるのだ。そこでこれらのホテルに目が行く。

 ひとつは伊勢佐木町界隈に何棟かある「ウィークリーマンション」と称するが実質はホテルである。最も安くて1泊4900円(水道光熱費込み)、シングルルームでバストイレ付、約20㎡とある。通常のビジネスホテル並みだろう。
 一泊2650円の安い部屋もあるらしいのは、新築らしい建物もあれば、戦後復興期の防火建築帯の改装ビルもあるからだろう。


 ただし一週間以上連泊が条件であるようで、長期になるほど安くなるらしい。独り暮らし老人にはちょっと魅力的である。わたしがまだ足腰立つうちにならば、ここに住んでもよいように思う。ほかにもあるか探してみるか。

 もうひとつは寿町あたりに多く集まる「簡易宿所」(俗称ドヤ)で、一泊1700円(水道光熱費別)であり、室内にバストイレはなくて、共同便所とコインシャワーがある。これは多分7㎡くらいの広さだろう。
 寿町で下記画像の表示がある「ベイサイド横浜」なる簡易宿所は、一番最近にオープンしたもので、ドヤでは最も新しい設備と言ってよいのだろうっと思う。

 こちらは通常のホテル並みの設備ではないが、何しろ安い。この値段には理由があるらしく、生活保護受給者が住宅に支払うことができる上限という。どの簡易宿所も同じ様な宿泊室と設備でこの値段だから、古いそれよりもこの新築に泊まる方がはるかに良い。

 わたしは十数年前に寿町の簡易宿所に泊ったことがある。友人たちと寿町見学会をやり、ホステルヴィレッジ運営で1泊3000円のドヤだった。その時のドヤ建物は清潔だったが古いので、人間の垢のような臭気がこびりついていて愉快ではなかった。

 新しいならば値段にひかれて泊まりたいが、年とると小便が近くなり、室外の共同便所通いを嫌だから、いまや敬遠したい。もっとも、最近のドヤ建築はもしかしてバストイレ付になっているのかしら。でもそうなると一泊1700円ではあるまいが。

(20231126記)

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伊達美徳=まちもり散人
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