●大山鳴動応募はたったの２組かよ
熊五郎：ご隠居、大変ですよ、神宮外苑にクマが出るそうですよ。
ご隠居：なんだい熊さん、騒々しいね、クマはお前さんだろ。
熊：えへへ、実はね、例の新国立競技場の白紙見直しコンペね、それに隈研吾が応募するんですって。
隠：ほほう、あそこにもクマが出るのか。
熊：公募プロポーザルっていうやり直しコンペに、参加登録が始まったんですがね、ニュースによれば、応募者はたったの２組だけだそうですよ。
隠：なんだよ、それじゃあ公募って意味がほとんどないぞ。
熊：しかもですよ、大成建設組と竹中・清水・大林連合組だから、大手４社が２手に分れて応募ですよ。
隠：ふ～む、ちょっとニュースを見せてごらん、なになに、大成建設＋梓設計+隈研吾建築都市設計事務所組（大成グループ）と、竹中+清水+大林+日本設計+伊東豊雄建築事務所組（竹中グループ）、ほほう、大勢いるようだけどこの２組だけかい。
熊：そう、もっともＪＳＣは応募者を公表しないから、新聞屋の取材で、実はほかにもいるかもね。
●大成建設ツバつき工事だもんなあ
隠：大手ゼネコンじゃないと応募は難しいから、いるとすれば海外ぜねこんかもなあ。大手ゼネコンと言えば、最大手の鹿島が参加しないのは、おかしいね。はは～ん、これは大手５社で相談して割り振ったな。
熊：談合ですか。
隠：プロポーザルだから入札のいわゆる談合じゃないけど、まあ、調整だな。鹿島が仕切り役になって調整したから応募から外れたんだろうかなあ。
熊：じゃあ、鹿島はこの件ではすっかりチャンスを逃したってことですか。
隠：いや、そうでもないだろうな、鹿島はいま建っている秩父宮ラグビー場の工事をしたから、こんどはその移転建て替え工事をやるってことに、業界内の仁義で決まってんだろうなあ。
熊：あ、なーるほど。で、まだ案も出てないのに、ニュースに「大成建設が本命と見られている」って書いてありますよ。
隠：それはだな、大成は壊した旧国立競技場を建設したし、白紙見直し前の新国立競技場の工事の一部をすでに受注していたって、実績があるからだよ。まあ、大成のツバがついてるから、これも業界仁義としてほかのゼネコンは手を出さないんだろ。
熊：でも、竹中・清水・大林ってのも応募するらしいですよ。
隠：だから調整したんだろ、だって、大成グループだけ応募して当選なら、あんまりにも業界仁義が見え見えで、世間がゴタゴタ言うに決まってるよ、そこで、その他３社がおつきあいで竹中グループの参加ってことにしたんだろうなあ。
熊：で、大成グループが当選確実なんですか。
隠：そりゃわからないが、業界じゃあ自他ともにそう見ているだろうなあ。だって大成と梓は白紙見直し前の設計と工事にかかっていたんだから内容を熟知しているよ、これまで受注した設計図やら手当した資材だって使い回しできるだろうよ、単にツバつき以上のものがあるよ。ここがやるのが合理的とさえいえるね。安いか高いかが問題だけどね。
●看板オジサン建築家たちの役目は
熊：じゃあ、なんで隈さんが出て来るんですかい。
隠：そりゃまあ、大成と梓じゃあ地味すぎるので、だれか看板娘がいるってことだろ。
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| 隈研吾デザイン？歌舞伎座 |
熊：プッ、娘じゃなくて看板オジサンですね。隈さんて
歌舞伎座のデザインした人でしょ、でも、あれって、建て直す前のデザインをコピーしただけですよ、看板になるほど腕があるのかなあ。
隠：まあ、デザインは下手だけど、口は立つし、なんたってエライ国立大学の先生だからね、看板になるよ。
熊：でもね、竹中グループには
伊東豊雄って人がいますけど、これも看板オジサンですか。
隠：あ、そうだね、面白いね、国立大学教授二人が、それぞれゼネコンと徒党を組んでアルバイト競争だよ。ま、伊東さんの方が隈さんより、はるかにデザインはうまいね。
熊：じゃあ、あのザハ・ハディド案みたいな、ものすごい姿のやつを出してくるのは、隈か伊東か、どっちでしょ。
隠：そりゃ伊東の方が出しそうだけど、カネメがなあ。伊東はすでに国際コンペに出して落選してるね。
熊：あ、そうでした、そういや、落選したからかどうか知らないけど、ザハ案にケチつけて、また別の案をつくってこっちがいいなんて言って、なんかヘンでした。
隠：ま、こんどは
安かろう早かろう案を求めるコンペだけど、それだけじゃあいくらなんでもひどいから、ちょっとお化粧をつけるのを看板オジサンに頼むんだろね。
熊：
このまえはビフテキだったけど、こんどは素うどんですね。キザミ葱とか天カスとかを看板オジサンが作ってのせる、てなところですかね。これぞ日本流デザイン、、。
●出戻りＺＨＡ・日建組はいさぎよい覚悟の心中
隠：このメンバーを見て、大成、梓、竹中、日本、伊東が、白紙見直し以前に関係していたから、応募８社中の５社がいわば出戻りだよな。清水と大林は、技術協力一度手を挙げたことがあるから、半出戻りだな
熊：じゃ、
出戻りじゃない新入りはクマ一匹だけか。ザハ・ハディド、日建、アラップが、出戻りしてこないのはどうしたんでしょね。
隠：うむ、アラップは構造系だから別としても、ザハと日建は組んで応募するって公言してたよな、どうしたんだろ。
熊：あのね、組まなきゃならないゼネコンが見つからなかったから応募できないと、ザハがネットに公表して言ってますよ。
隠：そうか、彼女は白紙見直し事件以来、この事件の奇妙さについてみんな黙ってる中で唯一アピール公表していたよなあ、えらいもんだ。そういう西欧建築家的な自己表現が日本ゼネコンに嫌われたんだろうね、で、組んだ日建ともども沈没。
熊：ほほう、出戻りカップルで引き取ってくれるゼネコンを、裏相談じゃなくて公表して求めていたけど、どこからもオファーが無くて、とうとう
出戻り心中してしまったって、可哀そうにねえ。
隠：いや、そうじゃなくて、これは覚悟の心中だな、ゼネコン絶対優位のプロポだから、どこかのゼネコンに拾ってもらわないと建築家は応募できないだろ。
熊：そうですね、だから応募グループをつくるのを裏工作であれこれやるんでしょ。
隠：それが普通なのに、ＺＨＡザハと日建は早くから組んで応募するのでゼネコンを探すと公表してたね。設計施工型プロポで、こうも堂々と参加側でメンバー公募した例は聞かないね。白紙見直しと
設計施工型公募への抗議行動だったようにも見えるね、えらいもんだよ。
熊：あっ、そうですか、じゃあ、これはいさぎよい覚悟の出戻り心中なんですね、エライッ、、え、ホントかなあ。
●さて応募２組をどうさばくのか審査が楽しみ
隠：まあ、これで大成グループに決まっても、談合プロポーザルとかなんとか、うるさいこと言われそうだな。
熊：じゃあ、あっしが審査員ならこうしますよ、２グループとも当選、全員で仲良くやってくれって。
隠：おやおや、白紙見直しってそういうことかい、どこが白紙なんだよ、もととおなじじゃないかい、けしからん、え、おい！
熊：興奮しないでくださいよ、冗談ですよ、決まったわけじゃないんだから。
隠：あ、ごめん、いかんいかん、おまえさんのいかにもありそうな妄想に付き合っていたら、ついそうなったと思ったよ。
熊:：なに言ってるんです、ご隠居こそ、実はなんにも知らないのに勝手に妄想ばっかり。
隠：うん、まあ、ありがたいことだよ、このところ翼賛選挙、原発再稼働、新国立競技場、普天間辺野古移転、憲法解釈変更、１５年安保騒ぎなどなど、あれこれ政治のゴタゴタで妄想の種が尽きないからね、ボケ進行がこのところずいぶん足踏みしているんだよ。
熊：おお、実はこのドタバタは
アベ内閣の高齢者認知症防止の福祉政策なんですね。
隠：そう、国会デモにも行って腰椎負傷治療リハビリにもなったしね、感謝してますよ、アベさ～ン。
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
