(後段に後の日々の患者としての状況についても順次に追記してあります)
●はて、いつコロナのやつに掴まったのかしら
1時間程前に、医師から「新型コロナに感染」と宣告されてきた。おお。ようやく来たか。2020年初にクルーズ船に乗って横浜に押し寄せてきてからざっと5年、特に気をつけてもいなかったのにかかりもしないでここまで来たので、コロナとは縁がないと持っていたら、ここにき米呪とコロナと2重苦、酷いもんだ。
思いだせば、もっとも最近に雑踏に出くわしたのは、4日前の11月30日に地下鉄に乗ったことだ。コロナ感染がその時かどうかわからぬが、可能性は一番高いだろう。12月1日朝はなんだか喉の奥が痛くなって来た。でも熱はない。食欲もある。普通に食うていた。
そういえば思い出した。11月24日夜に近所の神社の酉の市の賑わいを歩てきた。それはもう身動きさえ不自由なほどの超混雑であった。野外だが、あそこはコロナ大喜びの夜市だったから、あの時からわが身に潜伏していたのかもしれない。
●絶食続きで体重減少効果がありそうだ
今年の正月にひいた風邪によく似ているから、間もなく治るだろうと思っていた。12月2日のは朝からのどの痛みがひどくなって、飲食できなくなった。無理に飲み込もうとすると猛烈にむせてしまう。これが誤嚥性肺炎かと思うほどにむせるのは苦しい。
ついに12月1日、2日は完全に絶食である。喉の痛みのほかはどこも何ともないが、次第に気分が滅入って来て、ベッドに寝てばかりいた。だから腹が減っても平気である。これで体重が減ってきて、歩くのに脚への負担が減るなら歓迎したいほどだ。それにしても今どき腹が減るとは、けっこう珍しい体験になるなあ。
そうはいっても3日も絶食はいくら何でもなかろうと、医者に診てもらうことにした。喉が痛いのだからこれはかかりつけ循環器医師ではなくて、耳鼻咽喉医師にだろうと出かけた。さすが腹ペコのせいもあってフラフラするので息子に付き添いしてもらった。
医院では待合室に入れてくれなくて、吹きさらしの階段室踊り場で待てという。小さなガスストーブはあるが寒くてたまらない。これではコロナでなくてもコロナになって帰宅することになりそうだ。
●耳鼻咽喉科の外の階段室でコロナと診断された
階段踊り場で待つことしばし、医師が出てきて、コロナかどうか検査をするという。そのうえでコロナでないならば待合室に戻って待て、コロナならば薬の処方箋を渡すから薬屋でそれを買って家で治療せよという。コロナだと医院の敷居さえ跨げないのだ。
階段踊り場につっ立っていたら、鼻になにやら突っ込むようす。
医師「そこの壁を背にして立ってください」
わたし「はい、これでよろしいか」
医師「口を開けて、眼も開けて、鼻も開けてください。はいいれます」
わたし(眼も口も閉じて鼻だけ開けて)「あ、いててててて、^」
医師「だめですよ、眼を閉じちゃあ、かえって痛くなりますよ」
わたし「本能的な防御姿勢だからそうはいきませんよ」
で、拷問は何度目かでようやく終わり、また震えつつ階段踊り場で待つこと20分、医師がやってきた。
医師「コロナでした」
わたし「え~っ、そうなんですかあ~、ほお~」(興味がわいてきた)
医師「これを見てください。ここにCSBAとあるでしょ、そのSのところで赤線が見えでしょ、これがコロナの標です」
医師「では薬を毎日忘れないようにね。症状は急に熱が出るかもしれない、超高齢なんだから特に注意のこと。今日から5日間は絶対に外に出ないように、他人と会わないように、できれば、10日間をそうしてください。そして10日後のまた来てください」
わたし「はい、わかりました。ところで先生、わたしは喉が痛くて飲食できずに、今日でもう3日間ほぼ絶食状態ですが、これを何とかしてください」
医師「それはもうご自分でナントカ無理にでも飲食してしてください、人間は水を飲まないと死にますから」
わたし「でもね、飲み込もうとするとかならずむせてしまって、酷い目にああうのです。どうしたらいいでしょう」
医師「それは努力するしかありません。そのうちに飲み込めるようになるかもしれませんから。処方した薬には痛みをおさえる効力もありますから、」
わたし「その前に絶食飢え死にか、あるいは誤嚥性肺炎で死ぬかもしれませんね、はは、まあ努力してみます」
てなことで医院を出たが、薬局で買ったコロナの処方薬「ゾコーバ」は1粒7090円もする高価でこれを7粒も、ただし保険で2割負担だったが。思えばコロナ大流行時は無料であったよなあ。もっと早くかかっておけばよかったとは思えど後の祭り。
そういえばあの頃は何回もあったウイルスワクチンはどうしたんだろう、もう効かないのかしら。今接種層を取り出してみると、6階も摂取している2023年5月15日が最後だ。それから2年半、さすがに賞味期限切れだな。捨てるまえに記念写真撮っておこう。
●ナントカ飲み込み技術を開発して飢えを逃れる
さて、薬は手に入ったが、問題はそれを飲みこむことだ。ほぼ飲み食いできない状況をどう打破するか、水分を飲み込むときに、むせない姿勢をあれこれとやってみた。かなり前傾した姿勢なら、あまりむせないことを発見した。やれうれしや。これって軽蔑する犬食い姿勢でイヤだけど緊急時だから許そう。
それでじわじわと流動食をこわごわ、水も生ぬるくして前かがみで薬を飲むことに成功した。よしよし、これで3日間絶食は終了して今後は細々と流動食としよう。まあ、明日はすっかり治るかもしれないし、逆に高熱が出るかもしれないから、考えても無駄だ。今日だけなんとかなればよい。
さて今週は明後日に大学寮仲間旧友たち10数人とズームの約束があり、わたしがZOOMアプリ設定操作当番である。今くらいなら操作できるが明日どんな症状になるかわからぬから、仲間の一人に電話して当番を交代してもらった。これがコロナになって最初にやった対外的処理である。
あ、そうだ、旧友の歌集制作があるのだが、月末となっている締切をちょっとのばしてもらうほうが良いかな。コロナになっても、予定変更はそれくらいなものである現在の身分を、喜ぶべきか悲しむべきか。もっともコロナで死ねば締切も消滅する。なんとかなるさ。
この米呪なる年齢になって、こんな禍に出くわすって、どう考えようかと思案中だ。どうせ長くもない先ならば、これをチャンスに仕舞にすれば、それはそれで分かりやすい。むしろ分りすぎてつまらない。
こんな時には、あれもやっておかねばならぬ、これもやっておきたい、なんて言いつつちょっとは慌ててみたいと思えど、さてもうやるべきことがほとんどないのだ。7月の引っ越しで物はほとんど整理したからなあ、あのときに人生を一度閉じたからなあ。
さて、明日はこんな悠長なことを書けなくなるかもしれないので、とりあえずこれだけはやってっておこうというのが、この老酔録⑩である。
(2025/12/03記)
●(2025/12/04追記)人生最後の好奇心はわが身へ向かうか
これを書いているのは、次の日の朝食を終えた9時、どうやら悪化していないらしい。昨夜は、夜中に何回も口内にたまった唾液を処理しなければならなかったが、睡眠を普通に取れた。のどの痛みはまだあるが半分くらいになった感じ。重湯をつくって慎重に前かがみで食べて、薬も飲んだ。飲み食いさえできれば、なんとかなるだろう。
なんだか自分の身体に興味がわいてきた。もう人生で興味あることは全部やってしまったと思っていたが、そうか、わが身への興味が残っていたか。これまで病気になることはめったになかったから、わが身への興味が薄かった。最後の好奇心の先はわが身へ向かうのだ。
(2025/12/05記)コロナは健康増進に役立つかも
ほぼ3日間の絶食の効果が見事に体重に現れた。昨夜久し振りに風呂に入り体重を計ったら、なんとまあ5キロも減量していた。願望の60キロ台に遂に到達した。80キロ台からここまで5~6年かかったような、更に素晴らしいことに、浮腫んでいた両脚が普通の老人らしい骨ばった姿になっているのだ。
おお、コロナのおかげだ。コロナは健康によろしい。これで大好きな徘徊も快適になるはずだ。よかったよかった、ウン?
さて今朝は久しぶりに朝飯らしい食事をした。ヨーグルト、茶碗蒸し、杏仁豆腐、紅茶だが、どれもこれものどに引っかからいものばかり。息子の見立てによる冷蔵庫内備蓄品である。次はもうすこし堅めの食事にしようかな。
ということで、昼飯はコロナ前と同じくトーストパン、紅茶、ポタージュ、野菜サラダにしてみたが、喉につかえることなく普通に食べきることができた。うん、大丈夫らしい。問題は、家の中にいるしかないので、腹が減らない。食欲出ないなあ。
食事をする目的は、食後に服用せよと指示の薬を飲むためである。何しろ高い薬だから、飲めばすぐに効きそうだし、飲み忘れるともったいないという貧乏人魂からである。
時々咳があるのが嫌だが、熱なし、痛みなし、どうやら快方に向かっているらしい。でもこんなに正気のままで10日間もお籠りできるかしら。せっかくコロナのせいで健康になったのに、運動不足で死ぬような気がしてきた。
今日は大学同期仲間8人でのZOOM会議に顔を出して、コロナの顔をみんなに見せてちょっと挨拶してすぐに退出した。遺影になるかもと、スクリーンショットを撮っておいた。
コロナ発症4日目、まだ、時々は激しい咳と痰が出るが、その間隔はしだいに遠くなってきた。喉に違和感が残るが、飲食に支障はないらしい。でも堅いものはよく噛んで飲み込んでいる。日に3回の食事後服用との処方薬があるから、やむをえず食う飯だ。食いたいのではない。動かないから腹が減らない。机でPCに向かうか、若干の家事をするか、ベッドに寝ているだけで、コロナが与えてくれた大義名分ある怠惰時間である。もちろん大きなお世話だ。おかげで歩行能力を衰えさようとの後遺症が待ちかまえているに違いない。さて、解放されたらどうやってこの裏をかくか。
こちらは昨日よりも良好だから、今日は来てくれなくてもかまわないが、どうも弱ったことになった、昨日来た時に調子がヘンだと言っていたけど、でも検査キットを使ったら感染していないと分かったなんて言っていたのに、、、とにかく早く治ってくれ~~、おれよりもそっちをたのむ、おろおろ、、。コロナのやつに裏をかかれたみたい。
咳が時々出るが、そのほかは何ともなさそうだ。今日は息子が休むだろうからと、昼前に久しぶりに買い物外出、6日ぶりだが歩くのに支障はなかったのにほっとした。蟄居中にもバルコニーで膝屈伸や足踏みをやっていた効果だろうか。昼頃に息子がやって来て、びっくり喜ぶ。お前ほんとに大丈夫かって、心配からつい怒った口調になる。掃除して長居無用で帰ってもらった。すまぬ。
ーーー老 酔 録ーーー
米呪を越えて老いに酔い痴れる日々の記録
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伊達美徳=まちもり散人
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