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2023/11/14

1739【敵材敵所】身をすてて納税義務の教訓を民草に垂れて副大臣退く

 岸田内閣ってよほど人材が豊富らしく、次々と任命しては次々と更迭して、そのたびにと適材適所の人材が登場する。さすがに自民党は人材の層が厚い。

 今日の新聞トップ記事は、財務副大臣が税金滞納常習犯であることが露見して、野党からボロクソに言われて、いたたまれなくなってしまったという、面白い事件である。
 岸田内閣改造してから二月で、既に3人目の更迭だそうだ。そして岸田さんは、いずれも適材適所で起用したと言っていた人たちだ。

 そこで3回目ともなると、政治にあまり関心ないわたしも気になった。あのお利巧な内閣総理大臣ともあろうお方が適材であるとして適所に充てた人だろうから、どこかそれなりの意味があるはずだ、それはなにだろうか。
 考えていたらわかった、今回の税金滞納常習犯財務副大臣こそ、適材適所の最たるお方であったと、悟ったのだ。


 財務省は、税金を国民から集めて、それを国家運営資金として政策に配分する大本の期間である。副大臣といえばそこのトップの大臣次ぐナンバー2であろう、たぶん。その人が税滞納の常習犯であったとはねえ、常習犯だから当然に財務省は知っていただろうし、岸田さんも知っていて登用したに決まっている。

 これこそ、適材適所だ、野党から追及を受けてあれこれ言われるに決まっている。そうしたらクビにしよう。それによって税金を納めることの重要性を国民に知らせるとともに、野党にここで点数を稼がせて、本命の防衛予算から目をそらせよう、そう考えた(たぶん)。

 そしてその通りに、週刊誌が書き、野党は国会で攻め、本人は立ち往生の大恥かき、その姿が同時中継で全国ネットに公開、国会はしょうもない質疑で無駄に時間が過ぎていく。
 TVやネットで見ていた国民は、税を収めないと副大臣でさえこんな大恥をかくのかと納税意識向上とて大成功。これはもう副大臣の身を捨ててまでして尽くした功績であるから、彼こそは絶好の適材適所であった。

 この財務副大臣がズバリ職務適材であったのに比べて、ほかの早期交替の二人は、ひとりは小指のコレネタらしいし、もう一人は子分の選挙誤指導だから、適材性も適所性も劣る。
 でも、大がかりな夫婦しての法律違反で実刑を受けた法務大臣経験者が広島にいたが、この方の壮大な適材適所性と比べると、さすがにこの副大臣は器量が劣ることは否めない。
 そういえば身を捨てて憲法20条の大切さの訓に垂れた、首相経験者がいたなあ。

  あ、そうか、敵材敵所に犯面教師かあ、。

(20231114記)

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伊達美徳=まちもり散人
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2023/11/09

1734【LINE裸淫】もう歳が歳だから裸も淫も卒業するとアンインストール

 わたしはインタネットのSNSを日常的に使うが、よく使う順にあげるとMailinglist、Blog、Facebook、Twitter(現X)であり、ごくたまに使うのがLINE、YouTubeである。ここで「使う」とは、わたしが書き込むという意味であり、単に見るだけならXもYouTubeも時間は他に負けない。

 どういうわけかつい先日から、わたしのPCもスマフォも「裸淫」を使えなくなった。たまたま新聞に「LINE新規約同意しないと利用停止」なる記事が載っているのを見つけた。わたしがそんな面倒なことを近ごろやった記憶はないから、先方の何かの都合だろう。

 スマホ上では、「ウェブページへのアクセス不可」みたいな文字が出るだけで全く動かないから、エイヤっとアンインストールしてしまった。

 PC上では、ヴァージョンアップせよ言うのでそのようにクリックしたら、なんちゃらカンチャラ要求が次々と来て、面倒くさいことこの上ない。とても付き合っていられないと、こちらもアンインストールした。
 大いに腹がっ立って、もういいや、わが身辺から裸淫を遠ざけたのだ。ああ、すっきりした、これで裸にも淫にも妄想を広げなくて済むのだ。

 はじめてこれを使い出したのは5年前の夏、その頃の裸淫への悪口雑言をここに書いている。https://datey.blogspot.com/2018/08/1155.html
 あまり使ってない。なにしろ裸にして淫である。わたしが文中に「裸淫」と書くものだから、女性の友人たちには評判が悪くて使おうとしない。
 わたしも自分のイントネーションはLINEと発音するのだが、他から聞こえる裸淫の発音には困惑する。ネット検索すると、やっぱり何やら怪しげなページが登場する。

 息子や友人たちとはどうでもよいことをたまに連絡しあうだけ、無くても困らないはずだ。でも、数人にはメールで、裸淫をやめたと連絡しておいた。年とってもう裸にも淫にも関心なくなったから、と理由を書いておいた。

 それにしても、どうしてLINEを【ラ↑イン】と頭高イントネーション、つまり線を意味するlineと同じでなくて、【ラ→イン】と平板に、つまり【裸淫】と同じに発音するのだろうか。もっとも、それを「裸淫」と聞いてなにやら妄想するこちらがオカシイのかな。

 こういう外来カタカナ語のイントネーションを聴くときに、アレッと思うことがしょっちゅうある。とくにコンピュータ関係に多いような気がする。
 例えばMSの「WORD」だが、英語のwordのイントネーションではなくて【和銅】のようになるのはなぜか。serverは【鯖】だし、net 【熱湯】、link【臨空】、site【斎藤】、どれも平板にまたは尻上がり東北弁風に発音するのはなぜだろう。

 近ごろは小学校から英語の勉強するらしいから、外来語のイントネーションくらい知ってっているだろうと思うのに、なぜだろうか。

(20231109記)

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2023/11/08

1733【史上最高暑い夏】コロナニモ夏ノ暑サニモマケズ生きのこる老いの柳腰

 言われなくてもそんな気配があったが、今年の地球の気温は、1940年以来の史上最高だったと、EUの気候情報機関が発表した。地球の平均気温がどんどん高くなっているのだそうだ。このままトレンド通りに上昇ると、いったいどうなるのか。


 そもそも平均気温とはなんだ?、世界各地の毎日の気温を記録して、それらの平均値をとり、それの1年分の平均値をとるのかしら。そこには人間が住むことのできない場所の温度も含まれるのだろうあ。分っていないが、まあいいや。

 過去最高ってやっぱりなあ、とは思うものの、本当かしらとも思う。そもそも人間が暑い寒いというのは、人間の感受性を基準とするものだ。そう、気温が高いから暑いのではなくて、暑いから気温を見ると高いと知るのだ。人の個性によって暑い寒いは異なる。温度の高低と暑さ寒さとは一様に連動しない。

 とすればこの新聞見出しの「史上一番暑く」とか、文中の「2023年が記録上最も暑い年なる」とかの記述は間違っている。「史上一番高気温」とか「記録上最も気温が高い年」というべきである。ま、どうでもよいことだが。

 現にわたし個人の皮膚感覚として、今年が最も暑かったとは言えないようなのだ。わたしの夏の暑さを客観的に表現するのは、自室のエアコンである。ここに住みだして20回の夏を過ごしたが、昔の方が冷房にした夏の日がはるかに多かった。今年は冷房にしたの日は5回もなかった。

 住んでいる住宅ビルのまわりの環境は変わらないから、今年が特に暑かったのではないと客観的に言うことができる。これはおかしいと言うべきであろうか。
 よくよく考えてみると、住いのハードウェアとしての物理的な環境は変わらないのだが、そこに住んでいる自分の身体が変わってきているのであった。

 そう、後期高齢者ともなると、身体の感受性が衰えているに違いなくて、当然に温度への感度が鈍り、当然に夏の暑さも感じなくなる。そうに違いない。「老人には暑さ寒さがこたえる」と言うのは嘘と、身をもって実証している。暑ささえも柳腰でやり過ごすのだ。

 と言うわけで、今年の夏も、自分が気が付かないうちに熱中症になり、コロリと逝くかと期待していたのだが、コロナニモ夏ノ暑サニモマケズに生き残った。
 気温が高いことと暑いこととは違うことなのだと、改めて思う。

(20231201追補)今朝の朝日新聞に同じような記事があるので記録のために載せる。


2023/11/07

1732【暗殺の国】その名を見てかの国に次々暗殺あった暗い日々を思い出し今も変わらぬとも思う

  おや、ロバート・ケネディ・ジュニアって、つまりあの司法長官だったロバート・ケネディの息子かしら、アメリカも政治には門閥が物言うのかと、新聞記事を読んでゆく。

 おや、「暗殺された第35代大統領ジョン・F・ケネディの甥」と書いてあるけど、おなじく暗殺された父親ロバート・ケネディのことを書いてない。

 へえ、そうなのか、父の方が近いだろうけどニュース価値がないのかしら。まあ、安倍晋三を岸信介の孫と書いても、安倍晋太郎の息子と書かないようなものだな。いや、暗殺の話なら晋三のほうが祖父よりも父よりも有名になったか。

 ロバートジュニアの伯父のJ・Fケネディが暗殺されたのは1963年、日本とU.S.A.との間に太平洋横断ケーブルができたとて、あちらのTVニュースが初めて生放送で飛びこんできたら、それがなんとJFK暗殺だった。

 太平洋の両方で誰もが唖然としたが、その暗殺犯人もまた暗殺されたニュースもやって来て、また驚いたものだ。話はまだ続く、更に5年後には大統領選挙に出ようとしていた弟ロバート・ケネディも暗殺される事件が起きた。ロバートジュニアの父である。

 なお、その犯人はパレスチナ難民だったのだから、現在につながる話か。
 なんという国なんだと思った。そして依然としてあの国では暗殺は日常生活のどこでも起きるようになっている。いっこうにそれを止めようとしない不思議な国である。

 ジョンとロバートのケネディ兄弟は、大統領と司法長官として、わたしにはけっこう記憶に残る仕事をした。そのひとつはキューバ事件のソ連との開戦危機を乗越えたこと、もうひとつは人種差別解消への公民権運動の成果の法制定である。どちらも大きな業績だった。
 そういえば、公民権運動のリーダーだったキング牧師も、ロバートと同年に暗殺されたのだった(1968年)。

 ロバートジュニアがどんな人か全く知らないが、あのケネディ王朝に系譜を持つ人なら、何かできるのかもしれないとも思う。でも、こちらから見るとトランプでなければ誰でもいいような気がしている。

 このコロナ後の戦乱時代をだれが政治をとっても困難だろうが、U.S.A.という世界大国には、それなりの能力ある人にリーダーになって貰わないと困る。このトランプともう一つの大国のプーチンとは、まさに反面教師を見せてくれたし、今も見せてくれるが、どちらの国民も彼ら排除する方向でないのが、素朴に不思議だと思うばかり。

 いったいこの地球の人々はどうなってるのだろうか、もう、嫌になってきた。

(20231107記)

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2023/11/06

1731【分らぬ宗教と戦争】ほのぼのとコロナ世の暗夜明けゆけば いくさ世の暗雲立ち込める見ゆ

ウクライナとパレスチナの紙面での扱い
 なんともはや、コロナが落ち着くと戦争と政争との地球が浮かびあがって来た。
 その戦争もつい先ごろまではウクライナ可哀そうロシヤ憎しばかりだったようなのに、今やパレスチナ可哀そうイスラエル憎しにどんどんと傾くのである。

 ますます可哀そうなのはウクライナである。もう新聞やSNSの片隅にしか出てこない。あれ、あの戦争はついに終ったのかと間違うほどの、このところのウクライナ登場の少なさである。

 ゼレンスキー氏がイライラらしているに違いない。でもよく分からないのは、彼はイスラエルに味方すると言ったそうだが、それって自分ところの戦いに武器支援してもらっている大スポンサーのU.S.A.がイスラエルの味方をしているから、そっちにつくしかないのだろう。
 戦争当事国が別の戦争の国への対応は、なかなか政治的に難しいだろうなあ、気の毒になあ。

 こんなマップをネットから拾ったが、なるほど地球の人間は大きく5宗教に分かれて、あちこちでいがみ合っているのか。困ったもんだ。
 特に緑と水色の二つのキリスト教系と、赤色のイスラム教系との確執が高いらしい。なぜいがみ合うのか無宗教のわたしにはまったく理解できない。

 この地図を見ていて思ったのは、アフリカから中東にかけてのイスラム系レッドゾーンが、人口爆発を起こしており、その溶岩がヨーロッパに流れ出しているのだなあ、と見えることだ。
 もうひとつへえーそうなのかと思ったのは、ロシアの北半分はロシア正教ではないということ。人口は超少ないのだろうが、これってどうしてなんだろうか。

 いま、キリスト教系とイスラム系の争いの先端を行くのが、パレスチナ戦争である。これもそのあまりに深い歴史の底から始まり、近現代における植民地政策の原因と結果らしいので、東アジアの島国で育ったものには、複雑すぎてなにが何やらさっぱり分からない。

 ユーラシア大陸の端から端までなんだかんだともめていても、南北アメリカ大陸あたりは同じ色の系統だから比較的に平穏と思っていた。ところが世界の警察としてその平穏を保ってきたU.S.A.において、そのリーダ選びドタバタで民衆主義さえ危ういという。
 あの国がねえ、困ったもんだ、トランプなんて与太者ひとりにかき回されてなんて、あの国の人たちはいったいどうしたんだろ。俺たちは昔お手本にしたものだよ、嘆かわしい。

 こりゃもうもう地球はダメだな、人間どうしがいがみ合うところにもってきて、温暖化が進んで人間が住めなくなる地球になる方向にあるらしいから、もういいことはないね。早くオサラバした奴が勝ちですな
 コロナ後に良い世界が来ると思っていたのになあ、辞世の歌でも詠うか。
  コロナ世の後を継ぐらし戦の世 もはや地球に見切りつけなむ
(20231106記)


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伊達美徳=まちもり散人
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2023/11/05

1730【怪しいハイテク】突然に蛍光灯の禁止とは実は家庭に水俣病かも、コワッ・・

 電灯の蛍光灯がもうすぐ製造禁止になるとの新聞記事にちょっと驚く。蛍光灯はわたしの世代で言えば、それが世に登場してきた頃は、例えば今のAIに似たほどに、前衛的にして身近な技術になろうとしていたものだ。

 わたしが蛍光灯に(たぶん)初めて出会って、強烈な印象を受けた記憶がある。1952年のこと、中学校の修学旅行で最初に降り立ったのが京都駅であった。それは昼頃であったろう、ぞろぞろと改札口を出て、大きなホールに出たわたしたちは、まばゆいほどに明るい光が満ちた大空間の中にいた。

 外の光ほどにも明るいのに、そこが青天井ではなくて、天井一面が白い光で広がる。あれ、ここは外か、それとも中か?、なんて、200人ほどもいた田舎中学生たちは、一様に見上げ見回していたのだ。
 これこそ(たぶん)当時では最先端の建築設備の蛍光灯天井であったのだ。

 その京都駅舎は、その頃にちょうど完成したばかりであった。今ある駅舎のひと世代前の駅舎である。その時代の国鉄建築は最先端技術だったから、最先端の照明器具の蛍光灯を存分に使用したのだろう。子どもの目で見てもモダンな姿の駅舎だった。それも1997年に今の姿に建て替わった。

モダン建築だった京都駅

 その修学旅行では、京都と奈良のあちこちに行ったらしいが、わたしの記憶はこの京都駅と、奈良公園でパンパンに出会ったことの2件だけだ。
 その頃は朝鮮戦争中であり、それに派兵されたアメリカ兵たちの一時帰休時の慰楽施設として奈良にRRセンター(もちろん後になって調べて知ったこと)があり、彼らの享楽相手の女性たちをパンパンと俗称した。

 修学旅行生のわたしたちが遊ぶ奈良公園には、その男女たちが幾組も仲良くじゃれあいつつ闊歩しており、子どもは驚き眺めていた。 この彼女彼らの風俗絵巻は戦後解放の明るさを振りまいており(実は戦争の暗さが裏にあるが)、駅の明るすぎる蛍光灯ほどに驚いたのであった。
 そう、わたしにはバッチリと時代の最先端の学を修めたあった。

 やがて蛍光灯は家庭にもはいってきて、電灯よりも光まばゆい蛍光灯が白熱電球を駆逐してゆき、それが現代文明だと思わされていた。ところがそのうちに蛍光灯の明るすぎる青白い光に飽きが来て、白熱電球が見直されるのである。

 そして今や、白熱球に続いて蛍光灯も駆逐される時代が来たのである。今度は熱効率での悪さの故ではなくて、蛍光灯が含む水銀が公害を及ぼす危険があるからと言うのである。
 蛍光灯に替わる照明器具としてLEDが登場したからでもあるが、これってLEDを売る作戦のためではないだろうね。

 だって、これまで蛍光灯がこれほども普及してしまっているということは、水銀公害も普及してしまっているはずだが、どうなのだろうか。蛍光灯水俣病なんてのが、あるのか、ないのか?

 実はあの水俣病の様に、気が付いたら蛍光灯を使う各家庭には水銀による病が行き渡っている、そんなことがあるのかもしれない、なんて思わされる。だって突然に蛍光灯廃止なんて言うなんて、怪しい、怪しい。

 そういえば思い出したが、「あの人蛍光灯だね」という悪口があった。スイッチを入れてもちょっと間があって反応することであるが、ラピッドスタートが普通になってこの言葉はすたれてしまった。蛍光灯水俣病が蛍光灯でありませんように。

 いま見回して気が付いたが、わたしのうちの蛍光灯はキッチンに5本と冷蔵庫の中に1本がある。そのほかはLEDだが、よりによって食品のあるところが蛍光灯とは、うちは夫婦とも水俣病になっているのかもしれない。まあ、いいや、もうすぐ死ぬ老人だから、。

 これまでの白熱球→蛍光灯→LEDという電灯ハイテクノロジーの歴史から見て、これでしばらく経ったら、今度はLED禁止のお触れが出てくるにちがいない。その頃には私はいないから、もう知ったことではない。

(20231105記)

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2023/11/04

1729【お願いだから元号やめて】役所が元号を強制して西暦を嫌うのは高齢者虐待か福祉か

 じつは老人問題についてもっと高尚なことを書くつもりで、厚生省とか総務省の高齢者人口を調べていたら、つい、腹が立ってしまってこんなイチャモン文章になった。

 ネットに出てくる人口統計のグラフはものすごくたくさんあるのだが、まずこんなものをダウンロードした。


 これがいつのグラフなのかしらと眺めていて、ふと気が付いたのは、「平成62年」と書いてあるのだ。わたしは昔から元号を使わない主義なので、平成ってけっこう長かったのだと思った。でもその数字の傍に西暦2040年と併記してある。未来の数字である。

 はて、じゃあ、これは平成62年も未来のことか、え、平成天皇はそこまで生きるのか、そんな年があるはずないだろ、そして元号はとっくに令和とかって変わってるのに、これはどうしたのだろう。
 政府の文書にありえない年代が堂々と載っている。虚偽そのものである。そこまでして元号を使いたいのか。
 グラフによる人口増減について調べることを忘れて、怒りが頭に登った。なんだ、このいい加減な年代は!、ありえない年号を記してはずかしいと思へ。

 ほかのダウンロードしたグラフも元号と西暦と両方書いてあるから、煩瑣で見づらくて仕方ない。そこで元号年を消してみたら、実にすっきりして見やすくなった。

 庶民のわたしでも日常に扱う羽目になっている、いくつかの政府機関や自治体機関等の統計ばかりか、書類に元号が書いてある。それがいつのことか分からずに迷うが、こちらが書き込む欄には、必ず西暦にすることにしている。

 以前には明・大・昭のどれかを選べと指示するる書類ばかりで、西暦を選ぶ欄がなかった。だからわたしは元号を無視して西暦を書いているのだが、それで突き返された経験はない(もしかして先方が抗議敬遠して勝手に書き換えているかも)。近ごろは元号でも西暦でも選べるようになってきて、なかには西暦だけになっている書類もある。じょじょに西暦化するらしい。やればできるのだ、はやくやれ。

 統計のような長い時間とか国際的な比較をするには、同じ時間の物差しを使うのが常識である。 
 日本人が世界史的歴史観に欠けるのは、元号で歴史を考えるからだろう。官公庁が率先して西暦にするべきだ。このグローバル時代に狭い島国根性のままでよいはずがない。義務教育で教科書はどうなっているのだろうか。まさか元号一点張りではあるまいな。

 わたしが昔から西暦を使うのは、その方が内外の歴史的事件を、あれは何年前だったかと計算するのが便利なためであった。
 昭和のころは和暦西暦換算式を覚えていたが、これに平成と令和の換算式が加わると、もうその式を覚えられない。もちろんそれにはわが頭の老いも加わっている。元号使用は高齢者虐待になっているのだが、役人どもは高齢にならないと分らないのであろう。

 このブログの2019年4月の記事に書いた和暦西暦換算呪文を再掲する。わたしは歳とって、もはやこの呪文を覚えることさえできず、おぼえていても暗算ができなくなった。

 和暦西暦換算呪文(元号年に括弧内の数字を加えると西暦年変換)
  ・明治いやむなしい(1867)
  ・大正ひどくひどい(1911)
  ・昭和ひどくにごる(1925)
  ・平成ひどくはんぱ(1988)
  ・令和じわっといや(2018)

 考えようによっては、この換算式を毎日頭の中で働かせて暗算していると、ボケの遅延策になるかもしれない。そうか、元号使用の強制政策は、政府による高齢者者健康福祉政策であるのかもしれないな、、。
 というわけで、これは2023年11月4日の記録である。

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伊達美徳=まちもり散人
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2023/11/01

1726 【人と熊】減少中の人間と増加中の野生熊とが生存領分争い開始か

 近ごろ街の中とかその周辺で、野生の熊の出没ニュースが多いようだ。要するに人間と熊が出会う機会が多いということだ。

 今の時期の熊は、冬眠に備えて食いだめするために、あちこちで食料をあさっている時期らしい。もともと山中に棲むクマだが、山中だけでは冬眠に必要量を食うことをできないらしくて、人間世界にまで餌あさりに出てきてしまうらしい。今年は異常気象のせいで、山中に木の実などのエサが少ないのであろうか。

 しかし、熊にしてみれば、いつものように秋の食いだめをやっていて、ついつい人間世界に踏み込んでしまうのだろう。そうして人間側の都合で害獣駆除とて、鉄砲で撃たれ、、罠にかかり、殺されるのだ。
 熊は殺されると知っていて人間世界にやって来るのか、知らないで来るのか分からぬが、今年もたくさん駆除されるのだろう。

 新聞の社説に、「クマ被害最多」とタイトルがあり、おや、熊が人間から被害かと読んでしまった。もちろんそうではなくて、人間が熊から被害とのこと、このタイトルは主語を間違っているよ。


 でもその熊の側の気分で本文を読んでいくと、この社説をもしも熊が書いたら、人間と熊を入れ替えると、ほぼこのままで熊の嘆きになると気が付いた。
 そうだよなあ、筆者が熊ならば、「人間による熊の被害が続いている」と書きだすはずだ。耕作放棄地の藪や空き地の草だらけ敷地とか、もう人間には用がないからいいだろうと入り、熊の領分が増えたと思っただろう。それで殺されてはたまらないだろう。

 人間側の事情はわからないが、無用になったらこちらにくれてもいいだろ、もともとは俺たちの先祖が棲んでいたところだぞ、お前らが勝手にやって来て、田畑にしたり、村や街にしたのだから、不要になったらもう返してくれ、と熊はいうだろう。
 あ、これってなんだか今、戦争が起きているパレスチナみったいだな、昔々に日本人が中国東北部に満州開拓なんて地元農民を押しのけて入り込んだのも似ているような。

 昔々、わたしは野生の熊に山中で出会った経験がある。大学山岳部の夏山合宿で、日本アルプスの剱岳直下の劔沢の河原でキャンプをしていた。昼間だったが沢の水流を隔てた向こう岸を、親子らしい黒い熊が右方の上流側から歩いてきた。こちらは初めて巨獣を見て、ただ茫然としていただけ。20mほどの距離だったが、あちらはこちらに関心を持たない様子で下流方向へ歩き去った。

(20231101記)

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2023/10/31

1725 【10月尽】あの超ダサかった渋谷が無国籍イベントのハロウィン騒ぎの場になる時代とは

 よそから人々に遊びに来てほしいとあれこれやっても、うまく行かない日本の各地がある一方で、こうやってよそから人々になにがなんでも来てほしくないと、条例を布き警察までも出てきて規制する街がある。

 どうして渋谷がハロウィンで騒ぐことになるのかわけが分からない。ただの駅前交差点とゴチャゴチャした商業の街だよ。まあ、あのゴチャゴチャが良いのだろう。

 ハロウィーンなんて今やまるっきり無国籍イベントなんだから、どこでやってよさそうなものだ。どこか寂しくて困っている村や町で、「バーローウィン」イベントなんてやってはいかがかな。
 それにしてもよく分からないのは、こうやってマスコミが来るな来るなと書き立てると、ますます人が集まるだろうになあ、来年からはマスコミ報道規制をするかもね。

 あ、そういえば最近のわたしの渋谷訪問は、2019年の暮のことだったから、もう5年も無沙汰であるのだ。そうか、この後に行っていないのはコロナパンデミックの故であるし、それに加えてわたしが年取ってヨレヨレになってきたこともある。コロナと年齢が協力して、わたしの渋谷だけではない外出活動の足を引っ張ったのである。

 その前はよく行ったものだった。コロナでもうパタリだ。今はどんな風景に変わったか、行ってみたいけど、いまやどうでもいいやとも思う。ある程度は知識として知っているのだが、どうせ超高層ビルだらけの、ありふれた都会になったのだろうなあ。見なくても分かっているような気がしている。
 
 わたしが初めて渋谷駅前に降り立ったのは、1957年のことだからもう66年も昔であったか。あのごちゃごちゃゴミゴミの街に、東急文化会館だけがいかにも都会的に建っていた。ほかに大きな建物は、東横デパートだけだった。

2008年 東急文化会館が断末魔のころの姿

 今、ハロウィンで話題の駅前交差点を渡った先の方は、ごちゃごちゃしてポッと出の田舎者が行ってはいけない感じの街だった。とくに今のハンズのあるあたりは、いわゆる連れ込み宿の街だった。そして新宿や池袋はもっともっと怪しげな街だった。
 その頃の渋谷は思い出すと、何となくダサいという言葉がぴったりだった。いつのころからか若者の街になったが。それは西武デパートが来てからだったろうか。
2011年 渋谷スクランブル交差点の面白くもない風景

2012年 東横線渋谷駅が健在だったころの姿

 そんな渋谷の変転を永らく興味を持って見てきたものだ。昔はブログなんてなかったから書いてないが、2012年からいくつか書いている。それでも読めば懐かしい。

●2018/10/09【渋谷アスレチックステーション】久しぶりに渋谷駅から外にでてみれば高齢者の足腰を鍛えるサービス充実を再確認https://datey.blogspot.com/2018/10/1165.html

●2016/11/18【東京・渋谷駅定点観測】日夜変わる渋谷駅で老人ウロウロ、立体迷路はら三途の川と黄泉の国へつながるかも  https://datey.blogspot.com/2016/11/1133.html

●2015/03/12 ただいま渋谷駅は巨大な立体迷路遊園地かつ健康ウォーキングランドでバリアフリーくそくらえ http://datey.blogspot.com/2015/03/1066.html

●2013/03/28玉久三角ビルから東横デパートへと渋谷の変わりゆく姿を追うhttps://datey.blogspot.com/2013/03/746.html

●2012/05/08渋谷駅20世紀開発は21世紀再開発時代 http://sites.google.com/site/dandysworldg/sibuya20120508

(20231031記)

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2023/10/30

1724 【新聞広告ご馳走】どれ食っても同じ味にちがいないと見えるご馳走極彩色写真に辟易

 新聞が来ても全く見ないページがかなりある。とにかく全面広告ページは全く見ない。スポーツページも99%見ない。ごくたまにスポーツ界キャンダルが載ると読むだけだ。

 ところで、こんな料理の極彩色の全面広告ページに、つい目が行った。派手な総天然色写真の「おせち料理」が、もう予約の季節なのか全面広告に登場している。しかし、全体を見てもどれかを見ても食欲がわかない。同じ味に見えてくる。

 むかし、この外注型お節料理を何度か購入したことがある。夫婦二人には食べきれないし、そもそも味がどれも同じようなもので飽きてしまう。正月3日目には食卓に残飯の散らかる様相を呈してきて、見るのも嫌になる。


 また別のページの全面カラー広告には、毎食事用のおかずであり、家庭にどさっと冷凍で送り付けてくるのを、毎食時にレンジで温めるらしい。
 フム、歳とって老人一人か二人で食べるのに便利であるような気がする。和洋中なんでも日替わりで食べられて、便利そうだ。

 だが便利には見えても、美味にはちっとも見えない。見たところ食材は異なるようだが、どれもこれも同じような色で、皿に同じようにレイアウトされているから、どれを食べても同じ味に違いないと思えてくる。まあ、実物は魅力的な味と姿だが、この広告写真の出来が悪いのであろう、たぶん。

 それで思い出した。昔々のこと、東京駅前の大きなオフィスビル内に仕事場があった頃、昼前になると弁当屋がオフィス内にまで売りに来たものだ。外の店に行くと混雑するのでよく利用した。毎日異なるメニューであった。

 初めのうちは毎日違う料理の弁当を食って楽しんでいたが、毎日その同じ弁当屋から違うものを買っていても、いつも何を食っても同じ味になってきて、嫌になってしまった。弁当が変わったのではなくて、こちらの口が変わったのだ。
 多分、大きな厨房で大量の弁当を作るのだろうが、同じ厨房でいつも同じ作業員や同じ機械が量産体制で作れば、材料に関係なく同じ味になるものだろう、と思った。

 この広告写真の同じ様に並ぶおかずを見ていて、そのことを思い出した。わたしは食い物には恬淡としているのだが、これは願い下げである。朝昼晩と異なるおかずで毎日の飯を食うのはいいことだと思うが、毎度またこの味かあ、なんて思いたくない。

 まだ飽食の時代が続いているようだ。だが、国際情勢が不安定なコロナ後世界が来ると、食糧難の時代が来るだろう。その頃はどのような生活をしているのだろうか。1940年から10年間ほどのあの酷い生活がまた来そうだ。その頃はわたしはこの世に居ないから、知ったことではない。

(20231030記)

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2023/10/27

1721【おとなの性教育】人間の性が男女二つしかない時代が終る先の世界を見たい

 このところ新聞にちょいちょい登場する「外観要件」なる法律用語であるらしい言葉、それって要するにアレの恰好のことであるらしい。アレを想起させる見出しが新聞の第1面に登場するとはねえ、どうも居心地が悪い。尻のあたりがモゾモゾする。



 もしもそれが顔に関する「外観要件」ならば、美しいとか可愛いとか醜いとかって条件を備えていると、何らかの要請によリ「外観要件」になるんであろう。
 それがアレ、いやアレのことを法律用語で堂々と書いてあるから遠慮することはない、「性別の性器に似た外観」のことである。この「似た」と言うところを読むと、なんだかニタッとしてしまうのが恥ずかしい、いや、新聞第1面で恥ずかしがってどうする、続いて精巣・卵巣・陰茎などが登場するのだ。

 さて、それらの用語を語る大新聞記事、そのニュースソースの判決を語る裁判官、あるいは検察官など、これらの外形要件を大真面目に語り書くときに、そのブツの外形を頭の中に描くのだろうと思うと、ニヤニヤしたくなるのは、不謹慎だろうか。

 そこでこれはいかん、この記事は大人の性教育なんだなと、まじめに読みだすのだった。読んでいくと第2面ともなるともっと直截になり、陰核(クリトリス)、陰茎(ペニス)、精巣(睾丸)なんて医学用語?さえ出てくる。さてこの新聞を声を出して読むことになったら、ちょっと躊躇するだろうなあ。

 いやいや、いまや三面記事どころか第二面の記事に登場する言葉に、これらが堂々と登場する時になった、と言いうことは、いわゆる三面記事ともなると、チンポコ、ヘノコ、オマンコなんて堂々と登場、更には画像も登場するに違いないと、急いでそちらを見たのだが、どこにもないのであった。なんでだろう?、記事の出来が悪い。
 ついでに書くが、ヘノコなる言葉は今やだれでもどこでもいつでも堂々と発言するようになってしまって、男のアレの隠語であることを忘れられてしまったらしい。哀しむべし。

 この種のことにわたしはあまり興味を持たないでいたが、このところ急にこの類の大人の性教育事件がちょくちょく登場するようになった。優勢思想による強制断種手術事件もそのひとつである。またつい先ごろには、なんとかと言う芸人プロデゥサーの男が少年芸人たちをつぎつぎと性的暴行したと元美少年たちが訴える事件があった。

 私はTVを観ないから、これについても特に興味なかった。だがこの話題の新聞やネットの大騒ぎで、この男はどんなことをしたのか推理をしたら、要するに男色の相手を強制したらしいと分かった。おお、西欧のキリスト教的規範輸入の前までは、歴史的にも普通にあったのだな、でもそれが何をするのか詳細なことはどこにも登場しない。まさかTVには登場?

 これでは性教育にはならない感もあるのだが、その点で言えば今回の外観要件事件、いや、「性同一性障害特例事件」(性が2回も登場するのがオカシイ)の方が露骨に表現されていて、ワイセツ感ある用語が登場するのが、なんだかオカシイ。

 それにしても男と女というものは、生物的な自然科学の厳然たる分類と思って生きてきたのだが、それが人間の心や医学という文化的側面から次第に突き崩されていく現代に直面して、さてこれは面白いことになって来たぞ。

 こうなれば今に男女の分別が全くなくなる、あるいは両者は左右両極にあってその間は虹のごとくに各種の性がある、あるいはグラデーションを持って変化してゆく、そんな性同一性障害なる言葉が溶け去る時代が来るにちがいない。
 そうなればそうなれば文化的態様も大きく変わるに違いない。興味津々である。それならばそれを見届けてから死にたい気がしてきた。無理だろうな。

(20231027記)

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2023/10/22

1716【生成AI】自分の経歴を質問してみたらどう答えてくるかやってみたところ、、

 世の中でいま評判の生成AIなるもののカシコさに驚いている。ときどき暇つぶしの遊びに、どうでもよいことを聞いてみると、それなりの答えを真面目な文章で返してくるのが、奇妙におかしい。文章が一応はそれらしい言葉なので、つい信用したくなる。
 これに関連して以前にこんなブログ記事を書いたことがある。

 ある時、わたしの専門的なこと(都市計画関係)を聞いたことがあるのだが、その答えが明らかに間違いであることに気が付いて、それを指摘しつつ何度か追加質問をしても、いつも同じ間違いをするのだった。もっとも、可笑しくも奇妙なことに、”不正確な答えをすることもある”というような言いわけが付いてくるのだった。。

 そうか、既存ネット情報の中を検索して質問に対応する答えを出しているのだから、検索先が同じなら同じ間違いを繰り返すだろうと気がついた。この場合はわたしの専門分野だったから、その間違いを指摘できるのであるが、あまりに普通に読める文章なので、専門外の人が読めば信用するに違いないと思ったことだった。

 これはどうも、まだまだあまり近づくものでもないなと思って、しばらく敬遠していたが先日ふと思いついて、面白半分にわたし自身の名前を書いて経歴を教えてほしいと、グーグルの生成AIに訊いてみた。
 どんな答えが出てもその正誤については、当然のことにわたしが最もよく分かるので、生成AIの信用度合いを測ることができると考えたのだ。

 その回答が出てきた。いかにもちゃんとしたお答えの文章形式は整っている。
 簡単な年代形式の履歴の記述は正しい。その出典はわたしのブログの中の経歴ページから抜き取っていると分る。
 ところがわたしの著書の一覧は、どれも書いた覚えのない書名である。それが、いかにもわたしが書きそうなタイトルであるが、その一方では書名としては当たり前すぎるネーミングでもある。これはどなたのネット情報が元だろうか。それにしても私の本当の著書名が、ひとつもないのが不思議だ。

 さらに驚いてニヤニヤ笑えて来たのは、受賞歴である。自慢ではないがわたしは無冠である。いや小学校で皆勤賞があったな。いかにもそれらしい賞の名が並んでいるのだが、これはどなたの経歴を持ってきたのだろうか。

 さらに数行の人物紹介の文章があるのだが、これはまあ、なんというか、いかにも有能で素晴らしい働きをしてきたと、要領よく簡潔な文章になっている。ほほう、こう言われたいものだと思わせるが、内容は全然が違うのである。一体どなただろうか、いくぶんわたしも覚えのある記述もあるが、これではいかにも提灯持ち文章である。

 というわけで、はじめニヤニヤして読んでいたが、もしかして同姓同名のお方がいるのかと不審な気分が湧いてきた。
 どうやら、生成AIは質問者に取り入る技術を持っているらしい、とも思えてきた。利用者に嫌われることを避けて、へつらうようにプログラムされているのだろうか。なんだか生成AIって、ある意味ではもの凄く賢いのかもしれない。バカにされているのかもしれない。

 これをお読みのお方も、お試しあれ、自分が何だか偉くなったような、いや、生成AIにからかわれているような気分になる。

 これを書くためにグーグル検索で生成AI作の画像を検索してみたら、若い女性の顔ばかり登場するのだ。え?、生成AIは女であるのかとしげしげ見れば、これらの顔は生成AIが制作したものらしい。
 そうか、商業広告に実在の有名女性を使うよりは、生成AIに作らせるとタダで済むってことなのだろうか。それにしても不思議なのは、どの画像も女性の顔ばかりであることだ。どうしてだろうか。

(20231022記)  

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2023/10/20

1714【救急搬送病院で看護師と口論】誰でもカメラ携帯時代に院内撮影禁止一点張りで素人患者は困惑

 先日のこと救急車に乗った。老家人が板の間で転倒し、後頭部を打って外傷出血、傷の場所が問題とて脳外科のある病院へと救急搬送された。


 その日の傷治療(二針縫う)とMRI検査、そして医師からの状況報告と、あわただしい日だった。負傷当人は特に問題なく日常生活に戻り、1週間後に抜糸もおわった。
 治療や検査についてはプライバシーなのでここには書かないが、看護師と口論になったことを、病院の運営として一般的にも重要な問題と考えるので書いておく。

 最初の救急搬送の日に、脳外科医からMRI映像をもとに説明を受けたが、1週間後の抜糸の日にもさらにMRI映像で追加説明を受けた。わたしは先日と同じように、医師の説明を聴きながら、その説明個所のMRI映像の写真を撮っていた。重大な話だった。

 後に立って見ていた白衣の看護師が突然に口をはさんできた。
「院内で撮影禁止なので写真を撮らないで下さい」
「え、だってこの前は撮影自由っだったよ」
「いいえ困ります」
「いいから黙ってみてなさいよ、患者家族のわたしには必要なんだから」

 医師が言う。「わたしが不注意だったので先日は寫眞OKにしましたが、今日はここまでは良しとして、あとは撮らないで下さい」
 看護師が言い募る。「必要なら有料ですがCDに焼き付けて差し上げましょう」

「あのね、今ここで先生が話し中の脳内映像が、そのCD映像のどこにあるか素人がこのシームレスな映像をみても探せないよ、ここで話を聞きつつその所を撮るしかないんだよ」
「なぜ写真が必要なんですか」
「わからん人だね、あのね、だって素人がこれらの映像と先生の話を、両方とも全部ここで記憶できるわけがないでしょ、それに家族の重要な脳内映像を写真に撮って、今日の先生の話と一緒に記録を作っておきたいのは、後のために当然ののことでしょ」

 医師が困った様子で、「では画像プリントを出しましょう」と白黒印刷紙を出してくれた。わたしはまだ言いたい文句があったが、医師に気の毒な感じがしてきてそこで引き下がった。
 だが、話し中だった医師の説明を聞くことができないままになった。いや、医師は説明を終えたのかもしれないが、わたしは怒りで忘れてしまった。同席の家族が聞いていたからいいようなものだが、看護師には怒りが残り不愉快になった。

 なお、持ち帰ったMRI映像CDを、うちのPCで見ても、あまりに多すぎる似たような映像情報であるために、医師の説明映像がどの部分であるのか見tけることをできないのだった。案の定だが、あのにっくきバカ女看護師め!

 院内撮影禁止は、プライバシーだらけの病院だからそれはわかる、だが今ここで写しているのは、わたし自身の家族のプライバシーである。なんの文句があるのか。
 病院宛にクレームを書いて送ってやりたい気分である。院内撮影禁止について、素人の患者と家族の身になって、その現実についてよーく考えろ、と言いたい。(20231020記)

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2023/10/19

1713 【吹けば飛ぶよな…】地球の西方で何百人もが戦争で死ぬ日々に日本の新聞は、、、

  

 これは2023年10月12日に、フェイスバカに書いた記事である。

 こんなことがなんで新聞のトップニュースなんだ?、世の中もっと大切なことがあるだろうに。

2023/10/12 各新聞のトップ記事

 いや、これは平和な世の中の証拠だから、と言うには、今の地球上はあまりにあちこちで戦争紛争や巨大自然災害が起きているのに、マスコミはボケているに違いない。 ここまでの一文は、先月9月9日にも似たようなことを書いたが、その時はジョニーとか言う芸人会社の社長が、美少年強姦魔だったという事件である。

 今回は吹けば飛ぶようなプロ将棋勝負である。なんでも誰かが8大タイトル全部を取ったとかって言う。そんなにたくさんタイトルがあるって、タイトルに権威がない証拠みたいだ。それぞれに企業スポンサーがついているらしく、読んでいて噴き出したのは「おーい、お茶」王位タイトルは茶業者がスポンサーのようだが、そのコマーシャル文句は旧弊な家庭内格差の表現だから今どきいかがかと思うし、駄洒落タイトルって権威ないよなあ、なんて将棋好きの人たちは思わないのだろうなあ。

 わたしはジョニーも将棋も囲碁もスポーも、見世物勝負ごとに興味がない。お好きな方はご勝手にだが、新聞の一面を占めるような(見ないけどTVもそうだろう)バカらしいことを、マスコミややめてほしい、購読料を返せ。 

 ここからは2023年10月19日に書く記事である。

 上の10月12日第1面トップ将棋記事新聞の第3面には、こんな記事があったのだ。

10月12日第3面の記事(朝日新聞)

 世界が注目している大事件、そして今日の10月19日には、ガザの病院が爆発して数百人が死んだという記事がある。



 そしてその爆発の原因者は、ガザのハマスに言わせるとイスラエルの空爆であり、イスラエルに言わせるとガザから発射したロケット弾による誤射、それぞれが非難の応酬、世界各国もそれぞれの味方になって政治声明とか、それぞれの味方をする市民たちのデモとか、いま地球は割れつつある。

 そんな時に、吹けば飛ぶよな将棋の駒いじりとか、美少年レイピストさわぎとか、マスコミの報道の重点がヘンだ、いや世間の目がおかしくなったのか、う~ん、そんなバカばかりの地球なら、大戦争が近いな。

 このところ毎日が、イスラエルのガザへの侵攻が、今起きるか明日起きるかのハラハラの日々である。USA大統領が大西洋を越えて、イスラエル訪問して応援すると言いつつも牽制して進行を遅らせる時間稼ぎとか、よくやるもんだと思うが、こんな危ない橋を渡るのは、世界の警察を今も任じているのだろうか。

 ところで、あのウクライナはどうしているんだろうか、新聞登場情報は激減したが、戦争が止んだのではないらしい。それがジャーナリズムと言うもんなんだろうなあ、どうもわからない。
 どうやら東ヨーロッパから中東にかけてが地球の火薬庫として、ウクライナを発火点となり、パレスチナは爆発起点となり、第3次世界大戦になるのだろうか。シリア、レバノン、イランなど、巻き込み巻き込まれて戦火拡大か?


 火薬庫から遠くのアジアやアメリカでは、その戦争に兵器供給で大儲けを企んでいる死の商人が多くいるに違いない。このところながらく地球各地に小戦争はあっても大戦争が無くて、各国がこれまで作り貯めててきた兵器が老朽化していたころだ。ここで世界大戦が起きてくれると、兵器一新の巨大産業活動がはじまり、地球は景気良くなるに違いない。

 日本が第2次世界大戦敗北のどん底から回復したのは、朝鮮戦争のおかげだったし、飛躍的に高度性と要した陰にはベトナム戦争があった。兵器産業の世界ではあの景気よ再来せよとの願望が叶いそうなのだろう。
 もちろんそれにはその兵器で死ぬ人間の山が、地球上の各地にできるのだ。そんなことがあった時代を経験した最後の世代なんだなあ、わたしは。

 ヤレヤレ、わたしはこんなにもバカらしい時代に、地球に生まれ出て死ぬのかあ、日本の十五年戦争の真最中に生れ、いま第3次世界大戦前夜か、うっかりすると戦中に死ぬのだろうなあ、良い日々も無かったわけではないが、初めと終わりが悪ければ、すべてが悪いとなる人生世だな。(2023/10/19記)


2023/10/17

1712【戦争とTV放送】中東の戦争悲劇と美少年強姦魔事件と商品広告が同棲するTVに羞恥

 中東のイスラエルとパレスチナとで、なにかスポーツの大会があるようで、TVが騒がしい。つい先日もラグビ-試合で騒がしかったから、今度はサッカーとかだろうか、わたしには興味がないのにうるさいだけ。

 わたしはTVを見る習慣がまったくないのだが、最近になって家人が難聴になり、そのTV視聴時には音が大きくて、こちらもついつい聞かされてしまう日々を送っている。

 冒頭のいちゃもん文句はもちろん、ハマスの攻撃(反撃か)に対するイスラエルの攻撃(報復か)という、またまた始まった中東戦争であると知っている。はるかに氏の彼方のことだが、ふと思えば、日本だって中国東北部で満州というパレスチナの悲劇を作ったのだ。

 だが、それがTVの中ではスポーツ関係の放送に聞こえてしまう。いまに試合が始まるぞ、双方の選手が入場しようとしている、ハラハラドキドキの実況中継だ。聞いているこちらの心が、期待と不安、はっと気が付いて羞恥、そのあいだでで奇妙に揺れる。

 昨日までの悲劇よりももっと大きな悲劇が、今にも起こりそうだ。そう思って聞いていると、突然に音声が切り替わって、バカらしくも陽気なコマーシャル放送が延々と続く、これはいったいなんだ、いまや娯楽番組かよ、戦争さえも、、、。




 わたしが30年くらい前まではTV放送を時には見ていたが、今は全く見ない。このまえにTVを熱心に視聴したのは、東日本大震災の時だった。ニュースはPCのネットで見ればよろしい。

 TVを完全無視することにした動機は、あのコマーシャルなるバカらしくて、ガキが喜ぶような寸劇が、そこまでの放送内容とは全く無関係に割り込んできて、延々と居座るのにまったくもって辟易したたからだ。

 TV放送とはそんなものかと漫然とおもっていたが、あるとき事情があってTVをしばらく見ない日が続いたら、気が付いたのだ。こんなもの無くてもいっこうに困らない、ネットから発するニュースでを、自分の好きな時間に好きなように選んで視聴すれば、時間も内容も押し付け一方のTVよりも、はるかに短時間で必要な情報が得られると分かった。
 もう、もうTVオサラバだ。

 今、はからずも音だけTVを聞くと、あの辟易したころと全く変わらない様子である。何でもないことを大げさに大金をかけて放送に仕立てるようだし、ということはそれを提供する金持ち企業がいるのだろう。そし「TVで放送中」とわざわざ書く新聞の広告欄を見ると、TV放送が何か権威となって来ている世の中に、ただ嗤うしかない。

 一方でTVで売り出した(らしい)芸人たちが、実は次々と美少年好き強姦魔の魔手にかかっていたとかって、現代のシモネタ怪談ときたら、もうTVからはみ出してしまい、中東の悲劇と並んで新聞やネットを賑わわせている。

 いやはや、世も末じゃよ、なあ、熊さんよ、もう嫌になったよこの世がね、いいかげんにせい、ああ、やっぱり長生きはするもんじゃないね。(20231017記)


2023/10/02

1707【外苑再開発いちゃもん】国立ラグビー場だけ大損の再開発にJSCは参加するな

・いま環境破壊と悪評判の外苑再開発(正式名は都市再開発法による「神宮外苑地区個人施行第1種市街地再開発事業」)について、わたしはタックスペイヤ―として考えてみた。結論は、国立ラグビー場は再開発に参加するべきではない。

・現在この事業に対する世間の批判の目は、それによる土地利用の改変が緑の環境と都市公園の景観を毀損するものとして向けられているが、事業の採算性つまり損得についてまったく目が向いていないので、わたしはここでラグビー場のそれについて意見を言う。

・この再開発の権利者のひとりであるJSCのラグビー場は国立施設であり、土地も建物も国有財産である。つまり国税を納める者として、わたしもここにラグビー場に限って反対意見を述べる権利がある。他の民間事業者には言及しない。


・現ラグビー場は再開発事業によりその土地を明治神宮野球場と交換するが(正しくは権利変換による)、その結果でラグビー場は543.5億円もの新規支出(事業損)をするそうである。

・ラグビー場が再開発後に取得する土地の位置は、土地平面形状が不整形であり、保全森林を含むし、青山通りの商業地から遠ざかるので、固定資産税や相続税の路線評価額(固定資産税評価は6割以上も安い)を見てもわかるように、現土地と比べて単価が大きく下がる。

・その実金額は正確には分からないが、かなり安価になるはずだ。土地価格が安価になればそれに反比例して、再開発後に取得するラグビー場の土地面積は現在地よりも広くなるはずである。

神宮外苑再開発地区あたりのの固定資産税評価路額(8千円/㎡)

・ところが再開発後のラグビー場の土地は、6割増加どころか僅か6%弱しか増えていない(表C赤囲み参照)。その差分は、多分、他の民間事業者に売って権利床建設費に充てるのだろうが、それでもなお540億円の税金の持ち出し(保留床買い増し=事業損)をしないと、新ラグビー場を取得できない(表A赤囲み参照)。これは本当に等価交換(適正な権利変換)だろうか?

これらの表は2023年9月24日岩見良太郎氏公開ZOOMレクチャーから引用

・ラグビー場が再開発後に取得する(権利変換)土地には、外苑で唯一の自然植生(に近い)と言われる「建国記念文庫の森」を含むが、土地全体形状が不整形でしかもラグビー場建築には面積が不足していて、森を毀損せざるを得ない状況にあるために、世間から非難されている。狭い使いにくい土地と交換したのが間違いである。

・この建国記念文庫の森はその由緒の名称(ここで神武即位があったのか?)からして明治神宮に帰属すべき森であり、ラグビー場には不要で邪魔だから、ラグビー場との交換(権利変換)対象の土地とすべきでない。もし交換したいならこの森は除外して、その南に整形で利用しやすい面積を取得(権利変換)するべきである。

・要するに再開発によって取得する新ラグビー場は、利用しにくい土地を、不十分な面積で押し付けられて、更に540億円もの税金投入をし、しかも環境破壊と非難される羽目になっている。タックスペイヤーとしては看過できない。

・更なる不満としては、現ラグビー場の国有地が東京の都市計画公園削除の元凶であることっだ。これがあるから公園まちづくりを適用して公園削除ができた。というより、これを狙って公園まちづくり制度を作り、見事に悪用したのだろう。政府機関が環境悪化に加担するどころか元凶になることを、タックスペイイヤーとして哀しむ。

・この再開発で他の民間事業者はそれぞれ不動産投資事業として成功するかも知れないが(損しても一向にかまわないが)、国有財産は投資対象すべきものではないだろうし、一方的に毀損されるばかりの結果になり、しかも多額の国税負担を必要とするするならば、これにはタックスペイヤーとして反対せざるを得ない。

・外苑再開発をやりたいなら、ラグビー場(ここは外苑の外)を除外して、その他のやりたい民間事業者でおやりください。

・あるいはまた、見世物スポーツ嫌いのわたしだから言うが、ラグビー場は国営施設としては不要だから、現在の土地全部を他の権利者たちにできるだけ高額に売却してはどうか(市街地再開発事業では転出という)、いくらか知らないが国庫収入にはなる。そこに民間事業者がどうラグビー場を建てようが建てまいが、わたしには関心がない。ただし、公園削除したJSCつまり文科省つまり政府には、「なんという馬鹿なことをしてくれたのだ」と恨みは残る。

(2023/10/02記)

●最近の外苑再開発瓢論4部作(伊達の眼鏡ブログ)

2023/10/05・ラグビー場はPFI入札ダンピングで国費新規投入抑制か

2023/10/02・国立ラグビー場だけ大損の再開発にJSCは参加するな

2023/09/30・見世物スポーツのためにラグビー場に多額税金投入やめよ

2023/09/25・意外にもこの再開発に超多額の国民負担が必要と知った

●関連するわたしのブログ記事

【五輪外苑騒動】国立競技場改築騒動と神宮外苑再開発騒動瓢論集





2023/09/30

1706【外苑再開発長屋談議】見世物スポーツに興味ないタックスペイヤとしてはラグビー場に税金投入やめてよ

熊五郎:ご隠居、生きてますかあ。元気そうでよかった。

ご隠居:おや熊さんかい、久しぶりだねえ、うん、どうやらコロナから逃げおおせたようだね。ま、ビールでも飲もうよ。

:ありがてえ、では、乾杯っ、と。どうです、その後ボケは進みましたか。

:ごアイサツだね、うん、昔々仕事で都市計画やってたがね、その古い知識で現今の都市計画にいちゃもん付けるんだが面白いよ、これがボケ進行を少しは遅くしてるだろうよ。

:ハハ、他人が仕事でやる都市計画にケチ付けて、自分のボケ遅延策にするって、安あがりリハビリですねえ、で、今は何にケチ付けてるんですか。

:今というよりももう10年間もケチ付け続けているボケ対策良薬があるんだ、同じ都市計画なのにケチ種が次々と湧いてきてね、ボケてるヒマがない。

:そりゃ結構なことで、あ、分かった、それって神宮外苑再開発でしょ、森や並木が切り倒されるって騒がれてる。あんな洋風庭園に森なんてあったっけ?

:そうそう、オリンピックが来るってんで国立競技場の建て替え騒動があったろ、その2013年からだよ、もう10年もっ経つんだ、あのデカ過ぎ運動場ビルを建てるために都市計画変更をしたのはわかるが、それと関係ない外苑迄ひろげて変更した。

:10年も先のことをオリンピックと同時の様に錯覚させて、どさくさ紛れに都市計画変更に持ち込んだのですね。

:そこにいまの騒ぎの元がある。

:じゃあ開発構想を作ったのははそれより前でしょうから、10年以上もかけてなかなかの戦略ですねえ。そのころのご隠居のブログを読むと、今騒ぎになっている外苑再開発の骨格はもう決まっていたようで、それは当時の各種の公表資料を見れば、ご隠居にはわかったが一般には気づかれなかったようですね。

:世間が言うように今年になって初めて知ったなんてことはないね、昔から世間は都市計画に無関心なものなんだよ。わたしだって初めからよくわからなかったけど、沢山ブログ駄文を書いたのを読んでみると、まるで螺旋を描くように事実に近づいていれ、われながら面白い。


:都市計画で決めた道づくりや建物づくりが始まって、目に見える何かが起こってから騒ぎだすが、実はそれまでには法的手続きが終わっている。でも世間じゃあ、その手続きが秘密のうちに進んでいて、計画が公開されて意見を言う期間があっても、たったの2週間しかない、けしからん、と言ってますよ。

:そうだね、でもね、いきなり公開意見求むってのじゃなくて、それまでにも何度もその機会があるのだけどね、平素からネット公開されている都市計画情報を見るなんてしないものだよ、世間は何せ都市計画に無関心だから。

:ところでご隠居はこの前のブログに、外苑再開発は大赤字で540億円も国民負担だと、刺激的なタイトルで書いてますねえ、世間から大げさと怒られてませんか。

:そう、ちょっと赤新聞的で品がなかったね、怒られてはいないないけど、あの文章読んでもすぐには何か分からないだろうなあ、ちょっと都市計画プロ的なところもあるからね。

:その540億円も国民負担とはなんですか。

:外苑再開発をやるのは、民間の明治神宮、伊藤忠商事、三井不動産の3者と、国家機関の日本スポーツ振興センタ(JSC)だがね、民間事業者が儲けようと損しようと勝手にやってくれ、でもJSCには損しないどころか儲けてほしいと、タックスペイヤーとしては思うのは当然だろ。

:そうそう、それなのに540億円も新規負担するのが、大赤字というのですね。ラグビー場建ててタダとか、儲かるってあるんですか。

:そこが問題だ。そもそも一般的な市街地再開発事業で共同事業するなら、地権者はその土地を活用して新規支出無しで必要な建物が建つって仕組みなんだよ。だからラグビー場を市街地再開発事業で建てるというものだから、これはてっきり税金投入はないものと思っていたんだよ。だからこそめんどくさい市街地再開発事業にJSCは乗ったのだろうと思ていたんだよ。

この話のもとになる外苑市街地再開発事業の諸元
左の表の右上から4段目にある数字約54,359に注意

:でもね、そんな金出さないでラグビー場が建つなんて、ありうるんですか?

:そこが市街地再開発事業だよ、他の地権者と共同してしかも今回の様に非地権者の三井不動産にも参加させて事業をやるんだがね、細かい手法はめんどうだから書かないが、要するに三井とか伊藤忠とか明治神宮という金持ちに金をださせるんだよ、それでラグビー場を建てる。

:JSCが他の民間事業者たちを強請るとか、寄付させるとか?

:まさかそんなことはしないよ、JSCの土地の一部を他の民間事業者に売ることにより、建設費を調達して建てるとの言い方が分かりやすいかな。それが都市再開発法による市街地再開発事業の仕組みなのだよ。ただでラグビー場が建つわけがない。

:では今回の再開発でも540億円国民負担で、これが赤字だとご隠居がいうのは、そのJSCの土地の一部を売ったのだけでは建築費に足りなかったのですか。

:そうらしいね、土地売った金だけではラグビー場全部76700㎡のうち52880㎡分が買うには足りなくて、540億円ほど税金から新規に投入する必要があるらしい。

:へえー、そうですか、ならばもっと土地を多く売ればいいでしょ。

:そうすると計画するラグビー場が土地に入らなくなるのだろうね。ラグビー場を狭くすればいいのかもな?

:競技の都合でそうもいかないのでしょうね。

:とにかくね、ラグビー場が新規投入税金が無くても建つように、事業の仕組みを考えてほしい。例えばラグビー場の土地をかなり高く評価するとかしてね、全員同意型市街地再開発事業では土地評価も同意すれば自由に決められるからね、540億円分を民間事業者から拠出してほしいね。

:そういえば、この外苑は全国各地からの寄付金と労力提供で国営神社を作ったそうですから、今度は国営ラグビー場をそうしてもらいましょうか。

:おおそうだね、昔、国営神社の一部として外苑を作る時に、全国の行政システムをフルに使って、献金とか奉仕の美名でヒト・モノ・カネを徴収して作ったんだね。それは当時の植民地も含めて日本各地への国家神道の布教と明治王権の普及の立派な活動だったろう。

:じゃあ、今回は国営ラグビー場を再開発事業の民間企業からの寄付と奉仕で作ることにしましょうか。それが今回の再開発に乗った民間企業のお役目と考えよう、なんてね。

:わたしは見世物スポーツを大嫌いでTVさえ見ないから、国営ラグビー場なんてどうでもいいんだよ。そもそもオリンピックでよく分かったように、見世物スポーツは完全に商業化されているだろ、なんで国営施設をつくる必要があるんだよ、戦前日本かよ。

:まあまあ、話がが横にそれますよ。

:だからさ、新規に税金負担がないならまあいいさ、JSCが市街地再開発事業に乗ったのはそれが無いからだろうと、わたしはてっきり思い込んでいたんだよ、それが540億円投入とはねえ。

:ではJSCが土地をもっと高く売ればいいのですね。

:そうそう、もしもラグビー場が動かなければ野球場は建たないのだから、そこのところを高く評価しろとね。ラグビー場は今の位置で困らない、移転させたいなら金か土地をもっとよこせってね。

:そうですね、ゴネるのですね、金ないから再開発に乗るのや~めたっ、なんてね。

:まだあるよ、そもそもラグビー場が元凶となる都市計画公園の一部廃止ができたからこそ、明治神宮の土地に三井の高層ビルを建てることができる、この事業の最大貢献者だ。

:あ、そうですね、ラグビー場が公園未共用なので一部廃止できた、そこに三井はビルを建てる、これがこの再開発のキモですもんね。JSCは国の機関でありながら、都市の公園を減少させる原因者・元凶になるとは実にけしからんと非難され、大いに評判を落としている上に、また税金投入するなんて、ますます評判落とすばかりだ。これもゴネ種にしますかね。

:ごねると言えば、ラグビー場が移転先で建国記念の森を破壊すると市民から非難されてている、気の毒にね、そんな森の土地なんか要らないから、もう少し南に敷地を拡げてよこせとごねりゃいいのに、野球場が頑張ってできないんだろうね。

:へえ、建国記念の森なんて、あそこで神武即位があったんですか、知らなかったなあ、そうですか、ラグビー場は踏んだり蹴ったりで、再開発に参加しなきゃよかったかも。

:他の3者から貢献への見返りと非難への補償を受けるべきだよね、それにはラグビー場の保留床処分金の540億円を伊藤忠・三井・明治神宮に乗せ換えて、ラグビー場全部を権利床にすればよいのだ、そういう権利変換に修正してもらいなさい、金持ちばかりの全員同意意型再開だからケンカせずにできるだろ。JSCの再開発コンサルを受託しているらしいURはがんばれ。

:だんだん踏み込みますねえ、ご隠居の与太話は大丈夫ですかあ、まあ、JSCは再開発にうまうまと乗せられたドジなのか、それとも乗らなきゃならない何か政治的な事情があるのか、とにかくタックスペイヤーにとっては、まことに不採算な市街地再開発事業であるってことですな。

:あ、そうだ、どうだろ、また国立競技場みたいに、国立ラグビー場も「白紙撤回」してもらっては、。

:ハハハ、そうきたか、でもムリヤリ白紙のアベチャンがいなくなったしなあ、キシダさんはオリコウサンみたいだからこんなハシタガネって、やらないでしょ。

:そうかもな、まあ、わたしとしてはまだまだ揉めて、ボケ進行遅延特効薬になってほしい。

:え~、その薬代として540億円いただきます。

(2023/09/30記、2023/10/01補綴)

●最近の外苑再開発瓢論4部作(伊達の眼鏡ブログ)

2023/10/05・ラグビー場はPFI入札ダンピングで新規国費投入抑制か

2023/10/02・国立ラグビー場だけ大損の再開発にJSCは参加するな

2023/09/30・見世物スポーツのためにラグビー場に多額税金投入やめよ

2023/09/25・意外にもこの再開発に超多額の国民負担が必要と知った

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【五輪外苑騒動】国立競技場改築騒動と神宮外苑再開発騒動瓢論集

2023/09/25

1705【神宮外苑再開発は不採算事業】意外にもこの再開発に超多額の国民負担が必要と知った

●外苑再開発は不採算事業

 いま反対運動であれこれ取りざたされる東京の明治神宮外苑再開発事業について、事業採算の基本となる資料の一部を知ったので、忘れないうちにコメントを書く。
 2023年9月24日に岩見良太郎氏による公開ZOOMレクチャーがあった。岩見氏をわたしは知らないが、昨今の都市開発事業(たとえば土地区画整理事業や市街地再開発事業)について批判的な立場にあるらしい。神宮再開発について初めて登場した市街地再開発事業に関する専門家と言ってよいだろう。そのレクチャー内容についてわたしは論評しない。

 そのレクチャー資料の一部に事業資金計画等があり、この事業は市街地再開発事業一般としては権利者にとって大赤字の採算割れ事業であることを知った。ここで言う赤字とは、市街地再開発事業の中で権利者の収支が完結しないで、権利者たちが土地のほかに資金投入をして長期回収する必要があるという意味である。零細な権利者にはできない事業である。

 ここですこしだけ基本を解説する。都市再開発法の適用による市街地再開発事業の一般的な方法は、地権者たちが土地建物を持ち寄って、共同して新たなビルを建てる。そのうちの権利者たちの再開発前の資産に相当する床(権利床)部分を受け取り、その他の床(保留床)を第3者に売却する。この保留床売却金を建設事業費に充てることで、権利者は権利床を無償で取得することができる。(後日補足:なお、ここで無償と書いたが、実は事業の中で金銭支出しないで取得する意味であり、実際には保留床に対応する土地の売却金を権利床取得に充てる)

 これが市街地再開発事業の仕組みの基本であり、その建築規模が巨大になればなるほど保留床売却収入が大きくなり、事業採算性がよくなる。これが市街地再開発事業で建設する建築物がが巨大になる原因である。逆に言えば、だから事業に取り掛かる前に、事業区域の都市計画を変更して事業用地の容積率を上昇させておくのである。外苑再開発では再開発等促進区の地区計画がそれである。

 もちろん事業はそれぞれ事情が異なるから、この基本に忠実である必要はない。低層建築でも、赤字でも、権利者や事業関係者それぞれの判断である。金持ち権利者ならば保留床を他人に売らないで自分が買い取る投資をするだろうし、零細権利者ならば保留床を他へ売却できないならば事業を見合わせるだろう。

●事業費の7割は権利者たちの持ち出し

 では神宮外苑地区第1種個人施行市街地再開発事業(以後、「外苑再開発事業」という)の事業採算はどうか。
 結論から言えば、権利者たちにとっては採算割れが著しい大赤字事業である。何しろ権利者たちの持ち出しがものすごい。普通ならば事業をしないだろうが、金持ちばかりのメンバーだからできるのだろう。

この記事は岩見レク資料の内のここに引用した3件の表をもとに書いた

 全事業費は約3千5百億円(349,053,566千円)である。その全部を保留床処分金で賄うのだが、実はそのうちの7割近くは権利者たちが自己負担しており、非地権者で参加してきた三井不動産が負担するのは3割余である。つまり権利者たち(JSC、明治神宮、伊藤忠等)が、事業費の7割を持ち出しで行うのである。

 金持ちの民間事業者がどのような採算割れをする事業をやってもわたしには関係ないから、それらについては金銭的にはどうぞご勝手にというばかりである。
 せめて思うのは、通常の市街地再開発事業では国と都から多額の補助金が入ってくるものだが、この金持ち事業ではそれが一切ないのが、タックスペイヤーとしては幸いである。それは非都市計画の市街地再開発事業だからだが、それを選んだ権利者たちの金持ちぶりを表している。

ラグビー場建設にも新規巨額国費投入

 しかしJSCは文科省所管の特殊法人である。つまり国家機関であり、税金で運営している。わたしも納税者の端くれとしてひとこと言う権利があるので、その事業採算性についてコメントする。

 そのラグビー場の建設費用であるが、市街地再開発事業だから権利床として取得するので新たな支出はないものと思っていた。つまり第3者等床(多分、三井不動産と伊藤忠)に売却する保留処分金収入でラグビー場は建ち、新たな税金からの支出はないものと思っていた。最初に解説したように、それが市街地再開発事業の常識である。

 ところが岩見さんのレクチャーで見た資料によれば、ラグビー場の建設のためにJSCは、約540億円の支出をするのである。え、なんだこれは?、そもそもこのラグビー場建設を面倒な市街地再開発事業に仕立てるのは、保留床処分金を充てることで新たな支出を回避するためであると思っていたが、違ったか?、しないどころか540億円も支出するのである。

 ついでに書けば、明治神宮は新たに約240億円の支出(投資か)、伊藤忠は約1670億円の支出(投資)である。第3者の保留床取得者として登場する三井不動産の投資支出は約1070億円である。これら民間権利者がいくら投資支出しようとどうぞご自由にである。明治神宮は意外に金持ちなんだなあ、事業後の運営や三井からの地代で回収するのであろう。

 だが国有財産であるラグビー場については、約540億円も支出するのは合点がいかない。タックスペイヤーとしては、それだけの金を出すなら、現ラグビー場の改修費用の方が安いだろうに、とも思う。なんにしてもこの建て替えで約540億円の国民負担を必要とする。

●ラグビー場と野球場の土地交換について

 更に問題があることを見つけた。JSCはラグビー場を再開発前の位置から神宮第2球場の位置に移転して建てる。つまり外苑と土地の交換をすることになる。事業の仕組みとしては交換と言わないで権利変換というが、実は交換と同じである。当然のことに等価交換である。

 そしてこのレクチャーで新たに知った資料の中に、再開発前と後のそれぞれの土地面積があった。現ラグビー場の土地面積は41100㎡であるが、神宮第2球場がある位置に移ると43480㎡となり、事業後は2380㎡増加している。

 ところで事業前つまり現在のラグビー場の土地価格と、事業後の土地つまり現野球場の土地の価格を比べてみよう。正確には専門家による鑑定が必要だが、ここでは相続税路線価を比べてみる(ネットで知ることができる)。

 路線価を見ると、ラグビー場の前の道(外苑西通り)は2010千円/㎡である。一方、野球場の前は1490千円/㎡(国立競技場との間の道では960千円/㎡)である。これだけで土地総額は分からないが、両方の土地の単価の比は想像できる。現ラグビー場の土地は現野球場の土地よりも6割ほど高いのである。(当初3割と書いたが6割に修正した20231002、下図参照)


 ということは、現ラグビー場の土地が野球場の場所に移れば、いまよりも倍以上の広さになるはずである。だがこのレクチャーでの資料を見るとわずかに6パーセント弱の面積増加に過ぎない。とすればその差分の土地価額は建物建設費に変換(権利床)されるのであろうが、それでも建設費には届かないので約540億円の支出をすることになる(のであろう)。

 一方でに入れ替わって建つ神宮球場の移転先の土地(現ラグビー場の位置)は3割ほど面積が減るはずだが、そうはなっていない。減らすと野球場が入らないからそうはいかないのだろう。土地全体の広さは変わりようはないのだから、結果的には野球場(明治神宮)がラグビー場の土地(国有地)を買ったことになり、そのカネはラグビー場の建設費の一部になるのだろう。このような権利変換だろうが、要するに結果的にJSCは土地の一部を売ってラグビー場の建設費の一部に充てるのだ。

 この概略推測計算がどれほど正しいか自信ないが、どうもすっきりしない。権利変換計画書を見れば明確にわかるが、国有地処分にかかることだからいずれ公表するのだろう。

 高額な土地と安価な土地を交換するのだから、広すぎる土地の一部を売却すれば(一部転出補償金)、国民負担はないどころかうまくすればもうかるかもしれないとの、タックスぺーやーとしての考えは甘いのか
 市街地再開発事業だから権利者負担はないものと思いこんでいたのが間違い、ということになる。なぜ国民負担が必要な再開発なのか、もっと国民にとって採算をよくしてはどうか。

●JSCはもっとがんばれ

 JSCは権利交渉でもっと頑張ってもらい。自分が使う建築を自分で買い取り、つまり保留床買取をしなくてもよい方法にしなさいよ。せっかく市街地再開発事業に乗ったのだから常識的に行きましょうよ。
 全員同意型事業なのだから、権利変換で権利証として全取得できるように、三井不動産や明治神宮と談判交渉してほしい。このラグビー場建設事業を委託されているらしいUR都市機構には、再開発プロとしてもっとガンバレと言いたい。

 この再開発ができるようにした、つまり公園廃止をした原因者(元凶)であるJSCは、事業者の中で一番の貢献者であるのだから、もっと強い立場で権利交渉してはどうか。下世話に言えばゴネルのである、町場の再開発によくあるようにね、勿論冗談。
 JSCはこんな赤字再開発事業に乗った(乗せられた)のが間違いだったかもなあ、今のところで建て替えるか修復する方がよいのかもなあ。

 以上は、初めて見た基本資料だけで、年取った今も多少は覚えているプロ的な知識で考えたことであり、詳細なことを知らないヒマな老人のピンボケヒマツブシたわごとである。
 まだしばらくボケ進行遅延策に外苑再開発を利用することができそうで、うれしい。

(20230925記)

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2023/09/11

1704 【組踊を観る】横浜能楽堂で4年ぶりに琉球芸能を見て妙なことを連想

 昨023年9月10日の午後、横浜能楽堂で沖縄の組踊などを観た。このまえ組踊を見たのは2019年(「執心鐘入」と「道成寺」https://datey.blogspot.com/2019/02/1185.html)あったから4年ぶりである。野の能楽堂に来たのは6月の能「二人静」以来である。コロナが引いてようやく能楽堂も満員のようであった。


 わたしが芸能を見るのは能との比較が目的だから組踊「万歳敵討」(ばんざいてぃちうち)さえ見ればよいのだが、その他に踊りや独唱もあった。初めて聴いた独唱は「二揚仲風節」(にあぎなかふうぶし)、歌い手は西江喜春というかなりの高齢者であったが、高音を使い分けて上手であったと思うがよく分からない。しかしちょっと能楽堂の屋根から異界のものが下りてくる気配を感じた。

組踊「万歳敵討」

 「万歳敵討」は仇討ちものだが、プログラムに概要の筋が書いてあるものの、言葉をほとんど理解できなくて、字幕表示を欲しかった。能からの翻案ものならば、元の能を知っていれば類推できるのだが、それもないと会話場面の前場はお手上げである。

 組踊の演技をどう観るのかもわからないが、とくに勉強する気にもならない。だが今回あらためて思ったのは、若い女や若い男の装束と顔の化粧である。若い女はともかくとしても、若い男(若衆)の女に近い衣装と顔化粧の、あまりに美しすぎることである。男と女の区別がほとんどつかない。なお、舞台上に居る人たちは、地謡(歌と音楽担当)には女性がいるが、役者はすべて男性である。


 特に思ったのは、若衆の化粧の特別の美しさであ、あの化粧の目で舞台上から見つめられると、女性はボ~ッとするかも、いや男もそうかももしれない、なんて思っていて、突然に連想したのは今世間で妙に話題となっているジャニーズとかいう芸能タレント事務所の前社長(男性、故人)が、実はお抱え芸人少年専門の強姦魔であった事件である。

若衆徳牛節  若衆の扮装

 要するに近世までは普通であった男色行為が、現代では不同意性行為として犯罪となった(はずの)事件である。芸能界では東西を限らずこの類のことがしょっちゅうある(あった)らしいが、わたしはTV観ず、週刊誌も読まず、芸もゲイも知らぬことばかり。

 それで、もしかしたら組踊の役者たちもかつては、琉球貴人たちの男色の相手であったのかもしれないと、能の世阿弥のことに思い至り、ふと連想が働いた。
 時代は14世紀、時の将軍・足利義満(弱冠16歳)があるとき能を観た時に演じた夜叉若(弱冠11歳)という美少年を気に入り、すぐさま側において寵童とした。これが後の世阿弥である。

 そして世阿弥は時の独裁的権力者の庇護のもとにその天才を発揮して、いまにつづく能楽を大成させたのであった。他の能役者が一般的に貴人の男色の対象者であったどうか知らない。それが時代が近世になって武家の社会での衆道であり、町人の社会では歌舞伎役者や陰間がそうであったようだ。

 そしし話が琉球沖縄に戻れば、その王府における芸能であった組踊は、近世初めに朝貢していた明国からの使者たちを接待するために日本の能を参考にして創作したのだから、その芸能者は男色相手であったかもしれない。これは類推である。
 薩摩の侵攻によって支配を受けるようになった近世からは、薩摩からの支配者の接待があるとすれば、有名な薩摩の男色が持ち込まれたかもしれない。これも類推に過ぎない。

 留意することは、日本では中世・近世において貴族支配階級においても町人階級でも男色は普通のことであったらしいのである。
 中世の説話集「今昔物語」の諸所に男色の話が出てきて、これはなんだと思ったことがある。近世の「東海道中膝栗毛」にも弥次喜多コンビが実は男色コンビであることが出だしあたりに書いてあるの発見して驚いたこともある。

 近世以前の日本では性に対する考えが、近代以後とは違っていたらしい。多分、近代になって外国から入ってきたキリスト教文化が男色を排除したのだろうか。
 三島由紀夫や釈超空のそれを、わたしでも知るように語られるのはこの30年くらいの内か。

 少年強姦事件の社長は、死ぬまでそれが犯罪とは思っていなかっただろう。どんな天才芸能者のを育てたのかしらないが、たぶん、現代の足利義満のつもりだったのだろう。
 時代のもたらす人権と性に関する文化の変化がそれを犯罪に仕立てたが、その時は肝心の当人は死んでいて、これはある文化過渡期の矛盾現象なのだろうか。

 それにしても能楽堂の舞台に現れた美少年(若衆=元服前))・美青年(二才=15~25歳男子)の化粧した舞台顔は、どれも同じように見えるのだが面ではなくて本物の顔だからそれなりに個性がある。能では能面があるから、そうはならない。
 一方、わたしはTV見ないから事件被害者美少年たちを一人も知らないが、たまに新聞の広告面に美少年芸人集団公演とかで全員の並ぶ寫眞が登場するので、彼らなのだろう。
 それがどれもこれも同じ髪形と目付きをしていて、なるほどこれが今流行りの顔なのか、そうか、見ようによれば美少女と紙一重の感、フムフム、これが現代の人気男の顔なのか、へえ~。

ネットで拾った芸人グループ写真

 ついでに地球上世界のLGBTXへの容認度合いの地図がったのでのせておく。概してイスラム世界が不寛容らしい。
性的指向に関する世界地図(東京新聞20230910)

 話が組踊と関係ない方向になってしまった。(20230910記)

ーーーーーーーーー資料ーーーーーーーーー

●開館25年謝恩 横浜能楽堂「中締め」特別公演
第2回「琉球芸能600年」 2023年9月9日午後一時開演

【第1部】
王府おもろ「あおりやへが節」「しよりゑと節」  安仁屋眞昭

若衆踊「若衆特牛節」 佐喜眞一輝 知花令磨

二才踊「麾」 田口博章

組踊「万歳敵討」 謝名の子:東江裕吉、慶雲:新垣悟、高平良御鎖:川満香多、
 高平良妻:佐辺良和、高平良娘:伊波心、列女1:佐喜眞一輝、列女2:髙井賢太郎
 供1:金城真次、供2:上原崇弘
 道行人:嘉手苅林一、 きやうちやこ持:下地心一郎

独唱「二揚仲風節」 西江喜春

女踊「瓦屋節」 田口博章  

歌三線:西江喜春

地謡
歌三線:仲嶺伸吾、照喜名朝國、仲嶺良盛 
箏:名嘉ヨシ子
笛:大湾清之 
胡弓:森田夏子 
太鼓:比嘉聰

ーーーーーーーーーーーー

●これまでの組踊鑑賞記録(まちもり散人著)

怖く哀し女ストーカー「執心鐘入」と能「道成寺」2019/02/10
琉球古典芸能の組踊をみて現代の沖縄問題考える2015/01/19
横浜能楽堂で琉球のゆったり時間を過ごすぜいたく2011/06

●関連「趣味の能楽等鑑賞記録」(まちもり散人著)

●まちもり散人ブログ 「伊達の眼鏡」 「まちもり通信