2012/11/01

684東京駅復原出戻り譚(その5)東京駅ライトアップは昔からやってたのに急にミーハーで賑わう丸の内


 なんだか東京駅あたりの丸の内が、近頃は休日も夜もにぎやからしい。
 昔は(年寄りはすぐこう言う)丸の内なんて夜は暗いし、休日はガラ~ンとしてさびしかったものだ。
 1988年に4省庁の東京駅周辺再開発レポートを出した八十島委員会での討議でも(わたしはその作業班メンバーだった)、丸の内に百貨店などを誘致してにぎわいをもたらすべきだという意見が出されていた。
 それから四半世紀後の今、こんなににぎやかになるとは、世の中は変わったものだ、と、歳よりは慨嘆というか感嘆というか、ホーッと息を吐くのである。

 噂だけではつまらない、さっそく夜の東京駅に出かけてみると、いるはいるは、お上りさんばかり、という形容はもう古いが、近くからも遠くからもミーちゃんハーちゃんがやってきて、駅の中も駅前広場もウロウロとケータイをカメラにして振り回しているのであった。
 つまり、わたしも今夜はその一人になったのである。

 ふ~ん、赤レンガ東京駅はこうなる前からライトアップしていたのに、そのころはたいして見向きもされなかった。今やディズニーランド並みである。
 前もディズニーランド風ではあったが、復元してますます磨きがかかって、こういうのをディズニーランダイゼイションというのだな、よくわかったよ。
 丸ビルも新丸ビルも東京駅も、中はまるでデパートというか、飲み屋街というか、現代版路地裏というか、たまたま土曜日だったからか、わんさと人がいて飲み食いしている。

 丸ビルから撮った昔の東京駅夜景写真を、同じアングルで今と比べてみたら、今は巨大背後霊をいっぱい従えている。そのなかのひとつは東京駅自身の身売り先であるな。

 これは只今の東京駅夜景。

こちらは2005年の夜景。

 その丸の内側の身売り先のひとつである新丸ビルからの夜景。

 駅前の二つの老舗の中央郵便局と丸ビルも、お化粧なおし山高帽子かぶり再登場。ウゥ~イ、ヒック、酔眼になってきた。



●参照→ 東京駅復元反対論集(伊達美徳「まちもり通信」内)
まちもり通信(伊達美徳アーカイブズ)

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