2022/08/22

1641【安倍晋三暗殺事件】広がる政界の旧統一教会汚染騒動のさなかに首相コロナ感染とは、、

 政界は今、自民党の著名議員たちの統一教会汚染が次々と暴露されている。政府大臣たち、衆議院議長、自民党役員、もうどうしようもない。
 それらの議員の弁解の歯切れ悪さが、さらに汚染度を深めるようになり、格好のニュース種になる。有権者としてまことに困るが、面白いことでもありヒマツブシになる。

 中央政界ばかりでは無くて、じつは地方議会も汚染が多いとのこと。要するに右派保守層に統一教会が選挙応援を通じて浸透しているらしい。
 無償で選挙ボランティアをやってくれるのだから、議員には美味しい人たちだろうが、おいしい食い物には毒があると今頃になって知り慌てる。

 なにしろ反社会的団体が、優しい真面目なボランティアおばさんになってやってくるのだが、このおばさんたちのまじめさの裏にカルトが控えているのは、いったいどう考えればよいのか。
 学生時代のことだが、東海道線の中で日蓮正宗の大石寺参拝のおばさん集団と同席になったことがある。早速に折伏(しゃくぶく)の言は「あの総理大臣のキシさんも参拝されたのですよ、すごいでしょ」と。つまり政治家をとりこんで権威付けをするのであった。なお、これはのちに創価学会と公明党を生んだ宗教であり、今の統一教会も同様である。

 特に地方議会では、統一教会思想による子供と家庭教育に関する条例づくりが、いくつも出ているとのこと。政府の「子ども家庭庁」も、当初の「子ども庁」暗に「家庭」が入ったのは、統一教会教義に保守的な家庭教育の維持が根本にあるらしく、これが影響したとか。
 まったくどうかんがえればよいのか。これほど汚染されるともう汚れではなくてそういう染物になってしまった政党として、これが普通になるという怖さがある。

 統一教会の教義の基本に日本の植民地政策への怨念、つまり日本右派保守層が最も唾棄する思想があると知られて、右翼系の人たちは困り果てているだろう。
 ネトウヨのこの件での発言がパタッと絶えているとのことだし、日本会議系の人々もこれにについて何も発言しないという現象が続く。社会現象として実に面白い。

 暗殺された安倍さんには気の毒だが、片棒担いだのだから非難されてもしかたないし、一方ではその死が政界の膿を出すきかけのなったことを功績としようか。
 そこで妙なことに気が付いたのだが、統一教会の教義の根底に日本の植民地化への怨恨があるとすれば、それは日韓併合の立役者だった伊藤博文にさかのぼらねばならない。

 とすればそれは長州閥の罪に至り、安倍晋三は長州閥の末裔だから、その怨恨がおよぶとすれば、まさにご先祖の犯した罪が後世にたたるという統一教会の教義そのままである。
 う~む、おそろしや、霊の壺を買わねばならなかったのは安倍さんだったか、。いや、安倍さんは壺よりもはるかに大きな貢献をしたはずなのに救われず、伊藤博文を同じ末路になった。

 そんなときに岸田首相が夏休み中にコロナに感染したとのニュース。気の毒だが、これは格好の狂歌の種になる。

狂歌<まあ、よかった?>
アアついに岸田首相もお仲間か いやトーイツじゃなくてコロナ感染

狂歌<困った>
宣言をする人がコロナになっちゃった どうしようかな緊急事態

狂歌<お大事に>
まさかとは思えどまさかトーイツの騒動逃れコロナ感染

 感染率世界一になってしまったコロナだけで大変なのに、トーイツ病まで蔓延してきて、さらに次第にプーチン戦争の影響が及んでくるし、これは生きているのが大変な世の中になったと思ういっぽうで、こうも大きな変化があると、それらが治まった後にはどんな世界が来るのか見届けてから死にたいとも思うようになっている。

 日本のコロナ感染者数累計は、とうとう世界ワースト10になってしまった。隣のコーリアはそのさらに上(下か)を行き、ワースト7になっている。

隣国コーリアは16日まで世界8位が今や7位、日本は後塵を拝して10位に

 飽きていたこの世にもうすこし居てみようかな。(2022/08/22記)

2022/08/18

1640【二重汚染国家】外にはプーチン戦争におびえ内にはコロナとトーイツのダブル汚染を生きる

熊五郎:こんちわ、ご隠居、まだ生きてますね。

ご隠居:おや、熊さん、いらっしゃい、はいよ、まだ生きてるね。

:だんだん世間が騒がしくなってきますね。

:そう、だからあれこれ好奇心が忙しくて、死んでなんかいられない。

:そうか、コロナプーチン戦争安倍暗殺事件ですもんね。

:暗殺事件は日本政治家の宗教右派汚染問題に広がったね。酷いもんだけど、ヒマツブシにはもってこいだね。

●自民党にトーイツ派閥誕生か

:そうそう、このところコロナ汚染の広がりを、統一教会汚染がまねしているみたいに、自民党にトーイツウィルスが蔓延、コロナ並みに蔓延防止ナントカって適用かな。

:岸田第2次内閣の新大臣、新副大臣、新政務官たち、次から次へと統一教会との接点というよりも接線、もっと広い接面のある政治家が暴露されているが、自民党はコロナ並みの緊急事態だろうね。

:でもね、それでおたおたしてる人がいないみたいですよ、平然として同じような言い訳をしている、統一した言い訳をね。あれほどたくさんの汚染者がいるってことは、汚染者がそれなりに数の力を持つから、岸田さんも手を出せないかも。

「黒信号みんなで渡れば怖くない」キシンダ内閣トーイツ見解

:あ、そうか、自民党内に統一教会派という派閥ができてるんだね。そうか、安倍晋三がその派閥の親分だったのか、暗殺されて次の統一派閥親分は誰になるんだろうね。岸田内閣は文字通りキシンダ内閣だねえ。緊急って思うのは庶民だけ、当事者政治家はそれが普通なんだろう。

:軋しみに軋んだ内閣だねえ、なんにしても、コロナウィルスと同じで、統一教会思想に自民党は席捲されてしまい、撲滅どころかトーイツが党の基本方針になるかも、げんに憲法改定自民党案は統一教会の言説に酷似しているらしいですよ、怖いなあ、トーイツ汚染とコロナ汚染でダブル汚染国家になるのですかね。

:それが日本だけじゃなくて、USAでもなんだね。キリスト教福音派という宗教右派が共和党を支えていて、トランプの復活がありうるらしい。

:そうそう、あちらさんもなんだかトーイツ流の奇妙な思想が席捲しているのですね、こりゃあ地球温暖化が人間の脳に何か大きな影響をもたらしているとでも考えないと、つじつまが合いませんねえ、怖いなあ。

●コロナ世界ランキングでトップに躍進

:怖いねえ、そうそう、日本はコロナに席巻されたね、コロナ感染者がじゃんじゃん増えても、政府は今回は何の規制策も出さないから、庶民はもう旅行だって宴会だってやってよいのだと誤解してしまった。

:これじゃあますます感染者は増えるばかり、なんでもその増加する感染者数は世界一、死者数は第2位らしい。このところ世界ランキングから経済やら教育やら学術やら落ち続ける日本だけど、こんなところで挽回ですかい。感染しても病院が満杯で入れない人がどんどん増えてるらしいですよ。

自宅療養するそうだね。ようするに病院に行くよりも前に、医者から見放されるってわけだ。それほども増えてるってことは、実際の感染者数はもっと多くて、もう勘定しきれないってこと、お手上げってことかもねえ、そうだとしたら、怖いねえ、あたしは検査なんてしたことないよ。

:え~っ、ご隠居を怖くなった、なんて言ってるあたしも実は検査したことないですねえ、お互い様ですよ。

感染者数の波の具合が、世界と日本と違うね。日本の今の第7波は、これまでのどれよりも高いけど、世界全体では今の波はそうでもないんだねえ。ま、世界でも感染者数の勘定はかなりいい加減だろうけど、いちおうは傾向はわかる。

:日本の波がちょっと下がり気味でホッとするけど、これって、もしかしたらもう数えることが不可能なほど増えて、現場では勘定をやめた結果かもなあ。日本だけが投げやりだってことじゃないでしょうね。

:何だか心がうそ寒くなるねえ、外は暑いのに。

●止まらないプーチン戦争

:心が寒いといえば、未だにプーチン戦争が止まりませんよ、もう長期戦にするって決めたのですかね。いや、ウクライナの頑張りで、そうさせられているのか。

:ドンパチやっていることはニュースに毎日出るけど、どっちが勝っているのかねえ。でも、どっちが勝てばどうなるのか、さっぱり分からないよ。

:なんでも先日は、例のクリミア半島で大爆発が起きてロシア側に大被害とかで、ウクライナ側の破壊工作というから、正規軍のほかに地下組織軍もいるらしいですね。

:ますますだらだらと続く戦争だねえ、第3次大戦になるからうっかりまわりから直接に手を出せない、イライラしてるのだろうね、ヨーロッパ全部が、、。

:そのイライラが高じて、妙な次のステップが生まれるかもと怖いですね。

:8月は日本も戦争の月だ。わたしの父は日本の十五年戦争に、なんと念入りに3回も兵役についた。うち2度は満州での戦いだよ。その戦争手記が遺品にあったので、わたしはそれをもとに『父の十五年戦争』という戦記を書いて冊子にして、家族や親せきに配布したことがある。それをあらためて読んだら、日本軍の中国大陸侵攻は、今のロシアによるウクライナ侵攻と同じだね。父の手記の中にはロシア軍がウクライナのブチャでやったようなことを示唆する日本軍の暴虐を書いてあった。あの温厚だった父がねえ、と思ったよ。

:へえー、怖いですねえ、戦争になると人が変わる。

:それも含めて、わたしの戦争体験をかいつまんでブログに書いておいたから、読んでおくれ。(20220818記)

参照:まちもり通信サイトより



2022/08/15

1639 【戦争の記憶】あの敗戦日から77年の歳月には次々と戦争の日々が重なるばかり

●8月15日を祝日にせよ

 ふと思う、8月15日敗戦の日をなぜ国民の祝日にしないのか、あの超悲惨な十五年間もの戦争が終ったのだから、後世まで記憶して祝ってしかるべきと思うにだ。
 これを書いている今日は、その日から77年目の敗戦記念日である。人間なら長寿を祝うことだろう。

 8月10日山の日なんて、どうでもよい祝日をつくるのではなくて15日を敗戦記念日にするべきだ。
 何だか近頃はやたらと祝日や休日が増えて、しか毎年その日が移動するらしいから、毎日が休日を送る暇老人は、役所に出かけてその日が休日と突然に知って怒るばかりである。
 8月15日を祝日としようと、法制定の時に話題になったのか、あるいは山の日制定の時に国会は何も考えなかったのか。なんとも不思議である。

●靖国神社野次馬観察

靖国神社風景
 2005年に突然思い立って、8月15日に靖国神社に徘徊に行くことにした。参拝ではなくて、世相観察である。特に世の中で戦争をどうとらえているのか、この日にここに来れば、ある特殊な断面だろうが、観察できるのである。

 高齢者は次第に少なくなってきて、最近は若者が増えている。まるで真夏の初詣のような気分のカップルが多い。もちろんウヨクらしい青年たちもいるし、軍服コスプレのマニアもいる。それは夏祭りの幻想的な風景の一つとも見えてくるのが面白い。
参照:2005年+2013年 2014年 2018年 2019年 2020年

 一昨年は行ったのだが、去年はさすがにコロナに負けていかなかった。今年はプーチン戦争の影が、どう靖国神社に及んでいるか、そこのところを観察に行きたかったのだが、コロナにも年齢にも負けるようになってしまった。

●父の十五年戦争にプーチン戦争を投影

 一昨日のこと、大学同期ネット仲間十数人とZOOMで話をしたときに、わたしは父の戦争の話をした。『父の十五年戦争』というネットページを作っているので、それを見せながらかいつまんで、父の3度の兵役の話をした。

 話しながら、父の大陸に渡っての戦争は、今のプーチン戦争ロシアが日本で、チャイナがウクライナだなと気が付いた。父は日本の十五年戦争中に、満州事変、支那事変、太平洋戦争の3回の兵役で7年半も過ごしたのだった。

 父の兵役の最初は1933年2月から1年間弱、旧満州に侵略軍として入って戦った。いわばロシアによる2014年のウクライナのクリミヤ半島侵略である。
 2度めは1938年から41年まで北支(ノースチャイナ)の侵略地で戦った。いわば2022年からのロシア軍のウクライナ侵略である。3度目は1943年から45年までの太平洋戦争兵役だが、この時は国内にいたから侵略地には出かけていない。

食料略奪宴会写真 1938年熱河作戦
 最初の旧満州での戦いはかなり危険なこともあったと父の戦争手記に出てくるが、同時に侵略軍としての暴虐もノーテンキに書いている。
 一般人から巻き上げた紙幣だとして手記の手帳にはさんである。戦場で農家から貯蔵してある芋などの食料を略奪して、うまかったと写真付きの手記もある。
 さすがに殺した手記はないが、身近で砲火に死んだ戦友の話が詳しいから、当然にこちらからも砲撃して敵チャイニーズを殺しただろう。

●父を戦場に送り出して号泣する母

 わたしは日本の15年戦争の真っただ中に生れ、敗戦の時は国民学校3年生だった。中国地方山地の盆地の街だったが、都市のような戦争の直接的な衝撃はなかった。だが、子供には父がいないのは大きな被害だったし、直接的には戦争後の貧窮で腹ペコの日々こそが戦争被害だった。

 1943年11月父に3度目の召集令状が来た。これについて強烈な記憶がある。
 父が兵役に出かけるのを、鉄道駅まで母と共に送った。家に帰りついて玄関を上がり、畳の間に入ったとたんに母は前に倒れこんだ。両手で顔を覆って畳に押し付けて、突然大声で号泣し始めたのだ。

 幼児のわたしが泣くのは当たり前だが、大きな大人に目の前で泣かれているわたしは、なんのなすすべもなく、号泣に合わせて母の背にある帯の結び目が大きく上下するのを、呆然と見つめているばかりだった。
 やがて誰かが玄関にやってきて案内を乞う声が聞こえた。母は急に泣き止み、今泣いていたことを誰にも言ってはいけないと、わたしに厳しく言い渡して玄関へ出て行った。

 もう戻らないであろう戦場に行く父も大変だが、送り出し母も大変なこと、しかも嘆いてはならないタブーも世間にあった。その時母の胎内には半年後に生まれる第三

 幸いにして父は南方戦線に送られるのを姫路で待っていたが、制海権を失った日本は輸送船がなくなり、父は小田原で湘南海岸に上陸するであろう連合軍を迎え撃つ本土決戦の準備をしていた。その地で敗戦の日を迎えて、月末にはわたしたち家族のもとに戻ってきた。家族が一人増えていた。
 母は父を無事に取り戻すことができたが、実弟をフィリピン山中のジャングルで失い、その若妻と乳児が母の実家に残された。

●77年前の8月15日のこと

 その8月15日は、いかにも夏らしい晴天だった。わたしの生家は神社である。その社務所の大広間座敷には、その1か月半前から兵庫県芦屋市の精道国民学校初等科六年生女児20人と職員1名が、集団学童疎開でやってきて滞在していた。盆地内のほかの寺社などに児童51名が疎開して来ていた。

 そのころはラジオのある家は限られていたが、その疎開学級が持っていた。社務所の玄関口に近所の人々が集まって、ヒロヒトさんの分かりにくい敗戦の詔勅を聴いていた。
 放送を聴き終わると誰もみな声もなく散会して、列になって黙々とぼとぼ参道の長い石段を下って行くのを、わたしは社務所縁側から見ていた。緑濃い社叢林の上はあくまで晴れわたり、蝉の声が滝のように降る暑い日であった。

 もちろん8歳のわたしには内容を分らない。その場の情景の記憶のみである。ラジオを聞いていた人たちがこれを敗戦と分かったのは、たぶん、疎開学級の教員がそれを伝えたのであろう。それから数日の後に疎開児童たちは芦屋に戻っていった。
 芦屋はその数日前に空襲を受けて大被災、中には親を亡くした子もいたという。あの子たちはその後どのように日々を送ったであろうか。

沈黙の湖になりたる盆の地よ昭和二十年八月真昼 
      (まちもり散人2014年詠)

 その半月後に、父が長い参道の石段を登ってくるのを見つけて、私は飛びついた。

●戦争の記憶を書き記す

 77年前にようやく平和が来たことを忘れそうになるので、毎年この日に同じようなことを書いている。
 だが、戦争はあの敗戦の日から地球上から消え去ったのではない。ちょっと思いつくだけでも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、フォークランド戦争、湾岸戦争、ウクライナ戦争など、地球上は戦争に埋め尽くされている。人間がいるから戦争がある。

 ことしはプーチン戦争とでもいうべきウクライナへのロシア侵攻がはじまった。それはどこかなつかしい戦いぶり、つまり20世紀前半時代の戦争の感がある。
 そこで、わたしのブログのいくつかのテーマのひとつに「戦争の記憶」を立てて、これまでの記事などをまとめておくことにした。わたしの記憶にある過去と現在の戦争記録である。
 その中にはわたしの記憶だけではなくて、大学同期生たちの『昭和二十年それぞれの夏』、中越震災の村の長老『大橋正平戦場物語』という知人たちの戦争記憶もある。
 戦争記憶を書かなくてよい日が、いつか来るだろうか。それは私が地球上からいなくなった日であり、戦争がなくなった時ではないことは確かだ。(2022/08/15記)

参照:まちもり通信サイトより


2022/08/05

1638【怪しいハイテク】超高齢PCの後継機をネットオークションで導入したドタバタ譚

 


●ヨロパソ後継機導入ドタバタ記

 わたしはパーソナルコンピューターに触れるようになってから、たぶん35年くらいだろうか。その前の似たようなワードプロセサ専用機からだと40年くらいだろうか。
 最新はもう10年前に購入したダイナブックである。持ち主同様に超高齢である。

 去年4月にはこんなことを書いている。
2021/04/07 1526【ZOOM事始め譚】ヴァーチャル画面で大勢が雑談する飲み会やるのは無理だなあ
2021/04/08 1557【怪しいハイテク】キイボード一部欠落でゲーム感覚文章書きを面白がる

 2021年11月にその超高齢PC(よろよろPCなので「ヨロパソ」と命名)に脳移植手術をして活を入れ、ちょっと若返りさせたことについては、すでに下記に書いた。
 2021/11/03 1595【怪しいハイテク】年取って判断力が鈍ったので脳移植手術で能力倍増、それでヨロパソ君は見事に若返った、、かといえば、そういえばとちょっと反応が早くなったような気がするが、実のところはよくわからない。ネット切れは同じように起こるが、PCに詳しいT君によればそれはメモリーには無関係という。

 そうやってちょっとは若返ったかもしれないヨロパソ君、それをこの半年ほど使っていた。だが、ZOOMやると妙に熱っぽくなるので氷枕をしてやるネット切れがたびたび起きて、復旧は簡単だがそのうちにヨロパソ自身の命が切れるだろうと気になる。PCも持ち主もともに老人力がついているのは精神衛生上よくない
 このブログ新記事は、その続きともいうべき、その後継PC導入のドタバタ記である。

●ヨロパソ後継機をネットオークションで買う

 そんなことをZOOM仲間に話したら、またT君がいろいろ助言をくれる。その中に中古PCを、ネットオークションで安く買う方法があるという。
 わたしはこれまでワードプロセサーに始まり、PCになってからはMACWIN95WIN98mileniumWIN7と、それらにデスクトップ型、ノート型、タプレット型などあり、この約40年間に10機以上は買い使い潰したろうが、いずれも新品だった。

 そうか、中古を買うのもいいな、だって新品を高く買ったとたんに持ち主が死んでは意味がない、持ち主が中古ならぬ大古だからPCが中古で似合っている。
 そこでT君にオークションで中古ダイナブックを落札してもらうことにした。オークションのやり方を教えてもらって自分で落とせばよいとも思い、ちょっと調べたら実になんとも面倒で付き合いきれない。ここはオークションに慣れているT君にすがるしかない。

 2022年6月6日からオークション対応を開始、その前に入札条件を決めなければならない。T君の助言にしたがい、現有のヨロパソ君と同じダイナブックとする。15.6型、WIN10、HDD500GB以上、メモリー8MB以上、金額15000円以下、ほかにもいろいろあるのだがわたしにはよく分からないので、恐縮しつつT君に任せて頼るしかない。

ヤフーオークションは例えばこんな画面、ヤフーは一般的に画面が汚い

 狙いをつけて落札に至るまでに,T君は4回の入札をしてくれた。最初は若干の欠陥はあるが実質は問題はない安いやつを狙ったが逃した。結局は1万5千円で6月19日に落札し、その一部始終経過ををネットで見ることができる。
 なお、それを見たからか、以後今日もそうだが、めったやたらにYhooから宣伝メールが来る。だからヤフーって大嫌い

 わたしはオークション向きではないなあと思った。特に貧乏人には、金額でハラハラするのは貧乏人には精神衛生上で良くない
 この間にT君とのやり取りはメールやZOOMや電話が数十回あった。ハラハラして面白いが、落札が夜中になるので眠いし疲れる。対応して下さるT君におおいに感謝である。

●黒パソ君がやってきた

 そうやって2022年6月19日に落札したダイナブックは、6月21日にはもう手に入った。愛知県の知多市から届いた。佐川急便できた箱はダイナブックにしては大きすぎて変だなと思った。

 開けてびっくり、中身のほとんどが丸めた新聞紙で、その中から真っ黒ダイナブックと電源接続コードが出てきた。箱の大きさが420×380×180㎜で、中身の380×260×25㎜ダイナブックは箱に対して17%しかない。

宅急便の箱と中身、右の包装プラと何十枚もの古新聞がクシャクシャ緩衝材

 ほとんど空気を運んでいる。いかに精密機器PCだとて過剰包装だ。通販の荷物ってみなこうなのかしら、日本で世界でこうして空気を運んでいるなら、大いなる無駄だ。送料は箱の容積で決まるから、何とかしたらどうだと、PCを叱りつけながらとり出す。

左が従来の白パソ、右が新来の黒パソ

 こうしてやってきたPCは表も裏も真っ黒である。これまでのヨロパソ君は表3面真っ白だから対照的である。そこでふたつそろったところで、これまでのものをヨロパソを改名して「白パソ」、やってきたものを「黒パソ」と命名することにした。これならヨロパソも僻むことないだろう。以後この名で書いていく。

 黒パソ君の身体状況をネットで見ると、性能はDynabook Satellite B35/R、Win110 64bit 4GB(16GB) 15.6型 500GB、2015年発売価格は228,800円とある。よく分からないが当然に白パソ君よりも性能が上位にあるのだろうなあ。

 これってどうやら、どこかの大人数の組織で大量に買って使っていたものが廃棄されて、それを買い取った中古業者が売れるように再整備したものらしい。
 なるほど、そうやって大量中古PCが世の中に出回っているのか。中古品流通は流行のSDGsの一環ではある。ただし送る箱がSDGsに反する。

●黒パソ君をわが子分として調教訓練開始

 さてこれから黒パソ君をわたしの子分とするべく訓練調教しなければならない。面倒なことだが、年寄りのボケ進行遅延策と思えばたのしい。
 ネット接続が円滑にいくのか不安だったが、息子に聞いて分かったので机上にある携帯式Wi-Fiルーターにつながった。このルーターに白パソもゼロ円スマフォもつながっている。そういえばゼロ円スマフォは9月から1200円スマフォに一方的無限大値上げになるという腹立たしい夏だ。他への乗り換え思案中。

 黒パソにあれこれと飲み食いさせていく。白パソからアプリ(秀丸、カレンダ等)をいくつか移行し、使い慣れたアプリ(クローム、プリンタ、WEBメール、GIMP、PDFヴューワ、PHOTOstitch等)をダウンロード、白パソ付属CDからMSOffice2010、息子からもらってウィルスバスターなどなど、急ぐことはない、黒パソ君が新持ち主に懐くようにとゆっくりやる。

 これまで約30年間に作ったデータファイル類は、外付けHDDにあるから、白パソから移行はしない。白パソ内にもあるそれらファイル類はHDDのバックアップになった。つまり白パソ君は黒パソ君の召使いに格下げ、この10年間の働きに感謝して第1線から引退である。

 そして次第に黒パソを日常使いにしつつ、はて、どこが白パソよりも良くなったのだろうかと思案する。ネット切れはなくなったことは確かだが、動画の途中で一時休憩する時もある。立ち上がりもあまり変わらない気もする。まあ、これでいいや。
 実は前任の白パソ君が後継の黒パソ君がよりも決定的に劣るのは、メモリが白8GB、黒4GBであることだ。そうか、これを改善しないと白黒両パソ比較はできなのだった。

●増設用メモリを追加オークション

 そこでまたT君の出番である。黒パソ増設メモリーをまたもやオークションで手に入れてもらうのだ。黒パソ君に対応するメモリーを探してくれて、さっそく落札に及ぶ。
 わたしは前にモリー増設をどうやったか記憶が怪しいので、白パソ君の裏を見るとその増設のための四角なメモリー蓋があり、これを外して入れたと思い出した。

 とうぜん黒パソも同じだろうと思ったが、念のためひっくり返してみたら、なんとまあ、そんな外せるようなメモリー蓋がなくて、真っ黒な一枚板である。

上が白パソの裏でメモリー蓋を開けた様子、下は黒パソの裏でメモリー蓋が無い

 え、どうしようかと、ネットで黒パソマニュアルを探せば、なんとまあ、『お客様ご自身でメモリの交換・増設はできません』と書いてある。あわわ、大急ぎでT君に「落札しないでよ」とメールするも、すでに1000円で落札済み(2022年7月1日)。

 でもさすがオークションベテランのT君は落札取り消しを申告してくれたが、取り消し可能かどうかは出品者の好意にすがるしかないという。1000円だから、来てしまえば払うことにしようと思ったが、結局は出品者が取り消しを承知してくれた。やれよかった。

 だがこれには続きがある。次の日にT君のメールに、「黒パソでもメモリー増設する方法がネットにあったよ」と。そのページを見れば、なるほどメーカーは保証しないけど、裏ブタ全部のビスを抜いて、パカッと開けて増設用メモリを差し込むとある。https://www.ginger-pepper.net/etc/dynabook-b35-ram.html

 そうかそうか、それはそれで面白そうだから実行しよう、まさか感電しないよな。ということは、実は取り消し無用だったのだが、すでに取り消し済み。
 またオークションにて4メガメモリー再落札の労を取ってくれた、感謝。ドタバタさせてしまって申し訳ない。

●メモリー増設手術前にやる大仕事

 そうやって増設用メモリーも無事に落札されて、うちにやってきた(7月11日)。さすがに今度は段ボール箱ではなくて郵便封筒でやってきた。
 以前に白パソ増設でも買ったから、今度も同じだろうなと開けてみたら、以前のそれよりも長さが2倍以上ある感じだ。同じ4ギガでもいろいろだなと思った。これがまたドタバタを起こすとはまだ知らない。

 このメモリーすぐにとりつけ作業したかというと、どっこいそうはいかない。T君からそれに関連してPC性能の調査をしたいので協力せよとの要請が来たのである。もちろん要請に従う。
 調査の目的は、メモリー増設の前後での性能向上の変化度合いを知ることである(らしい)。わたしのPC歴は30年にはなろうかと結構古いが、その使い方については普通程度にやっていても、中身を調べるのはやったことが無いし、興味もなかった。
 ただし、これまで何台かのPCを廃棄するときにバラバラ分解したことは何度かある(その話はこちら)。機構調査ではなくて、PC脳内の芸術的姿を鑑賞したかったのである。

 T君の調査指示書が送られて来た。エクセル3枚の解説付きのおおきな一覧表である。調査項目が増設前と増設後それぞれ62項目、あわせて122項目もある。調査作業はストップウォッチとにらめっこしつつ、黒パソ君の反応時間など測定する。
 これはすごい、これを俺がやるのか、こんなことはじめてだ。指示手順通りに始めたが、間違いがしょっちゅう出る。そのたびにやり直す。中学生の科学実験の気分である。

調査表の一部

 あっという間に1時間くらいは経っている。これは退化する脳に刺激を与えて、ボケの進行を防止する効果が大きいに違いないと思えば、やる気が起きる。じつのところ、困ったのは指示してある文章の意味が専門用語とか専門的言い回しかで、理解できぬところが多々あることだ。

 いちいちT君にメールや電話で聞く。もたもたしながらも一応やって数値記入した用紙をメールしてこれで良いかと聞くと不合格、やり方間違っているらしくまたやり直す。T君はそのたびに表や解説を分かりやすくしてくれるし、修正もしてくれる。

 ひまだからヒマツブシになるし、なんだかボケ進行遅延になるしと納得しつつ、それなりに繰り返し励むのであった。でも実のところ、自分が何をやっているのか理解していないことも自覚している。

 そうやって何回もの測定調査やり直しを経て、7月27日のこと、ようやく合格が出たのであった。性能調査開始から2週間もかかったドジ仕事であった。と言ってもこれはまだ半分しかできていないのだ、まだメモリー増設後にも同様の調査が必要なのだ。

●ようやく脳手術開始、ありゃ?

 そして7月28日、いよいよ今日は黒パソ君を開頭して、メモリー増設なる脳移植手術を行おうとて、異例の午前5時起床、身を清めて黒パソ君の開頭手術にとりかかった。
 黒パソ君を手術台の上に裏返しに寝かせて、麻酔はしないが、22個のビスを外していく。もっともそのうちの2か所はビスがなかった。全部を白い紙の上に元の位置に応じて並べておき、さてパカッ!、とはいかず、レターオープナーの刃先を差し込みつつ、プチ、プチ、ペカッと開頭手術、開いた。

黒パソをパカッと開いた

 封筒の落札メモリーを取り出して、さて差し込もう。美しいアーティスティックな脳内を眺めれども、はて、どこにさしこむのかしら? 白パソで経験あるし、実例ネットページの画像も見てるから、おおよその見当はつくのだが。

左のHDDの上に斜めに置いたメモリーの差し込み位置は?

 メモリーらしきところにある既設メモリーは、用意したメモリーとは似ても似つかないその半分ほどの大きさ、その隣にはめ込むことはできそうにない。ほかにはどこもはめ込み可能そうなところがない。

 どうやらこれは、最初に郵送で受け取って封筒から出してみたときに思ったように、大きすぎる代物であり、違う物らしい。せっかく一度は落札したものをキャンセルして、また改めて落札というドタバタやって手に入れたのに、またまたドタバタだろうか。

 仕方ないのでまた蓋してビス20本回して、T君に状況を書いてどうすればよいかとメールした。T君の返事は、どうやらノートPC用とデスクトップPC用と間違えて落札したらしいとのこと。すぐに調べて再落札(正しくは再々々落札になるのだが)するからちょっと待てという。
 わたしとしては今の状況で十分だからもういいよの気分だったが、T君の真理探究調査に水を差すわけにもいかない。

●再々々落札メモリー脳内移植手術成功

 そうして8月3日、再々々落札メモリーがヤマト便でやってきた。T君が改めて仕様をよく確かめて、信用ある出品者から落札してくれたというのだが、さて、こちらもちょっとは用心するのだ。この前の半分くらいだから、今度は正しいかな?

左は再々落札4GBメモリ、右は今回再々々落札4GBメモリー

 早速にその3度目落札メモリーの裏表を写真に撮って、これで本当に良いのかと、メールで確かめるのであった。T君からは「PC3L-12800Sとかいてあればよいのだ」と返事。
 だが、実際はその前後にたくさんの文字が書いてあるので、また偽物かと心配してメール、それで良しの返事。


 そうやって確認して次の日、身を清めてまたもや開頭手術パカア、では移植手術にとりかかろう。うーむ、白パソとは脳の構造が違うなあ、ここに似たやつがあるからその隣だな、はて、並べようにも嵌まらないよ、あ、先客とは逆向きにするのかな、でもどうやれば嵌まるのか、止まるのか、あれこれ思案いじくっていたらヒョイパチッとはまり込んだ。なんだ、そうなのか。ダイナブックならみんな同じ仕様にすれば悩まないのに。

さてどこにはめ込むかな

ようやく上下反対向きに対になって嵌まった

 そうやって、ついにこのどこか別のPC内にあった中古メモリーはうちにやってきて、黒パソに脳移植手術は終わったのである。成功かどうかは、この後で内部のタスクマネージャーを見なければ分からない(もちろん後に成功と分かった)。今日これをやったことをシールに書いて貼って、ふと見るとこんなことを書いてある。
「警告 サービスマン以外の方による分解は絶対に行わないでください。感電や故障の恐れがあります」
 おお、こわや、感電するのかあ、ぶるぶる。

今日のことをシールに貼ってその下を見たら

●脳手術後8GB黒パソ君登場

 さて8月4日、これで最後の段階に来たぞ、T君調査研究の黒パソ8ギガ版データ調べにとりかかる。さすがに4ギガ版で苦労しただけに、たったの1時間で調査表に書入れをするところまでできた。
 これで調査終了、上出来であると自分では思うが、T君なら10分くらいでできることだろう。T君の採点を求めるべく早速メールで調査票を送ると、8月5日にT君から合格のメールが来た。この2か月でT君と交わしたメールを数えたら約110通にもなった。

 調査票には、黒パソ君の4GBの場合と8GBの場合の各データを書き入れているから、この手術でどれほど賢くなったかがわかるのだろう。わたしは見てもわからないが、とにかく使っているから、感じはわかる。最初の立ち上がりは確かに早くなった。
 その他のデータ類とかアプリケーション類も立ち上がりが早くなった(ような気がする)。ネット切れは起きないし、動画の中途休憩も起きない(ようだ)イライラ度は半分になった(ようだ)。次の寮仲間とのZOOMが楽しみだ。

 おもえば、この黒パソ導入プロジェクトの開始は6月6日、もう2か月も経っていた、この間はボケ進行も停止していた(らしい)。もっとも、痛風になったが。
 T君には長期にわたり世話になり、おおいに感謝している。当分はPCドタバタはないだろう、いや、このPCがわたしの最後の相棒であろう。

 そういうことで、ようやくこれをここにドタバタ記を載せる。ドタバタといっても、身体的にはPCに黙々と向かうのみの静かなもので、頭と心がドタバタしたのであった。

(20220805記)

20220813追記)
 今日の14時から2530まで大学寮の同期仲間11人を相手に、ZOOMで
ホストとレクチャラー役を兼ねて、わたしの故郷の話をした。わが黒パソ君の対外初登場であった
 さすがに立派に働いてくれた。当たり前ながら、途中でネット切れなどの故障はなくて、カメラもこれまでの外付けと違って今度は写りが良いとほめられた。もっとも、操作にちょっともたもたしたが、これは黒パソが原因ではなくてその持ち主の老人力の故である。
 2か月ドタバタの甲斐があった。T君に感謝

伊達美徳=まちもり散人dateyg@gmail.com 

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2022/08/01

1637【コロナ・プーチン・カルト同時戦争】現代3大ウィルス大感染中の地球に生きるのは大変だ

熊五郎:ご隠居、暑いですねえ、どうですいっぱい、はい、ビール。

ご隠居:おや熊さん、いらっしゃい、お前はもしかして、わたしンところに避暑に来てるのかい?

:あ、気が付きましたか、今日もクーラーをオンにして下さいよ。

:ビールのお礼に、ではスイッチオン、今年で2回目冷房だな。

:恒例の月初めは、先月のコロナやらウクライナやらまとめましょ。

:暗殺事件は一昨日話したからもういいね。



●コロナ第7波いよいよ隆盛

:コロナ第7波がものすごい勢いですねえ、これまでの波なんて、さざ波でしたね。

:そう、それなのに奇妙なことに今回は緊急事態だとかマンジュウだとか営業補償だとか騒がないんだね、なんでなんだい。

:なんででしょうねえ、今度の首相は宣言嫌いなのかなあ、それとももう3年もやってりゃ国民も慣れただろうからいいのだ、なんて思ってるとか。

:いや、わたしの考えるところではだな、ほれ、先日暗殺された安倍さんの葬儀を国葬にするって決めただろ、国葬に国費が要るからコロナ対策費をケチってるのだろ。

:ウワ、生きてる人より死人優先ですかい、今どきすごい。でもねえ、9月の国葬までに第7波が治まるのでしょうかね、治まらないと無観客ならぬ無弔問客開催かも。

●日本が世界ランキング1位に躍り出た

:それにしても今回の第7波の高さときたら、前代未聞だね、しかも世界一の増え方らしいよ。

:おや、そうですかい、このところ日本は経済も文化もあれもこれも世界ランキング低落しているけど、ようやく世界一になったものもあるんですねえ。なさけない。

:その増え方ランキング1位が日本で、2位がアメリカ、3位がコーリア、4位がドイツってことらしいから、東西肩を並べている、すごいもんだ。

:ちょっとそれらの感染者カーブを見てみましょうか。

:おお、波形がそれぞれ異なる特徴を持っている、そのわけを知りたいな。中でも日本がいちばん過激な上昇だねえ。

●日本地域別防疫ランキングにも変化

:日本の去年初めからの新規感染者の推移のグラフを見ると、今回の第7波と比べて第1波とか第2波は微々たるもんですが、ものすご大騒ぎしましたよね。

:そうそう、それなのにこの巨大な第7波でも平然としているのは何故かね。

:いやいや、平然とはしてなくて、病院は大勢の患者で逼迫らしいですよ。平然としてるのは中央政府だけみたいですよ。

:日本の各都道府県別の感染や死者の数を見ると、あの防疫先進地鳥取県はランキングではいまだに1位を保ってるけど、もう過ぎ3万人になるね。グラフを見ると感染者数増加率がすごいね。医療法化になるかと心配だね。

:防疫第2位は島根県が頑張ってますよ。人口ランキング20位なのに感染者ランキングが10位の沖縄県も頑張って、いや、大変ですね。


●プーチン戦争とコロナ状況

:あそうだ、プーチンのロシアのコロナはどうだろうかねえ。

:やや、ロシアコロナなんだか落ち着いてますねえ、戦争とコロナは関係ないのかしら。

:う~ん、大感染で戦争どころじゃないってことになるかと期待してたのになあ、じゃあウクライナはどうだい。

:それがねえ、出てこないんですよ、たぶん病院はてんやわんやで、統計とってる暇がないのでしょうね、気の毒に。


:そうか、南部都市争奪攻防戦が続いているニュースが毎日あるからねえ。この5か月ちょっとの長引く戦乱で、どれくらいの人間が双方で死んだのだろうかねえ。

:コロナによる死亡率よりずいぶん高いでしょうね。あ、食料の需給バランスが崩れて、戦ってもいない国で餓死者が大量に出るってことになるかもしれませんよ。

●カルト感染状況

:あ、そうだ、それはそうと、こっちの感染状況も気になるね。

:何です、こっちの感染って。

:ほれ、いまニュースを騒がしている政治家のカルト感染だよ。

カルト濃厚接触者名簿

:あ、統一教会ね、あれは信者が感染者で56万人もいるらしいですよ。政治家はもちろん感染者もいるでしょうが、かなりの数の濃厚接触者がいるようですね。そのトップに安倍晋三さんがいたってことが、暗殺事件の発端となった。

:そうそう、むしろこちらこそが政治緊急事態宣言するべきだね。この濃厚接触者たちも、しっかり自宅療養とか入院隔離とかして、カルトウィルスを除去してほしいね。

:次の選挙までには徹底的に治癒して、選挙でお灸ワクチン接種をさせましょ。

:なんだか急に心配になってきた、政治の世界は宗教右派に操られているような気がする。このキリスト教系統一教会は政権党の自民党右派に食い込み、もう一つの政権党の公明党は仏教の日蓮宗系の創価学会だろ、USA大統領だったトランプの共和党はキリスト教系右派の福音派というのだからね。うわわわ、世界はいつの間にやら右派宗教ウィルスに侵されているのかあ、怖い怖い。。

          (2022/08/01記)

参照:コロナ大戦+プーチン大戦おろおろ日録 
   安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4
   伊達の眼鏡まちもり瓢論

2022/07/30

1636【安倍晋三暗殺事件4】赤信号みんなで渡れば怖くない統一教会みんなで渡ろう

熊五郎:ご隠居、暑いですねえ、生きてますか、あれっ、冷房にしてないの、まだ?

ご隠居:おや熊さん、いらっしゃい、うん、エアコン点けてないよ。

:そりゃだめだ、すぐ点けて下さいよ、ご隠居が死んでもいいけど、あたしゃ嫌ですよ。死にたくない。点けなきゃすぐ帰るよ。

:そうかい、じゃあ、この夏初めてエアコンスイッチオンだ。どうだこれで。

:ちゃんと動いてますかい?

:うん、去年動いたから大丈夫だろ、何せ20年前に買ったものだからね。

:どうやら涼しくなった、よかった、ところで元気ですかい。

:うん、コロナにも戦争にも殺にも負けずに元気だよ。コロナがあんまり長くて嫌になって、もうおさらばしたいと思っていたら、戦争がやってきた、お、これでしばらくヒマツブシできるぞと思っていら、なんと暗殺事件がやってきて、当分生きてあれこれ見てからおさらばにするかと思い始めてるんだよ。

:う~む、悪いことを餌にして長生きしようってのは、いかがなもんですかね。

:うん、わたしもそう思うよ。

言ふまいと思へどけふの暑さかな
  ついに点けたるエアコンディショナー

:それにしても安倍暗殺事件には驚いた、ご隠居はこれまでこんな事ありましたか。

:そうだね、同時代的に記憶にあるのは社会党委員長の浅沼稲次郎暗殺事だね。大学生の時、床屋で臨時ニュースをTVで見たよ。あの暗殺場面は今回の事件場面の動画とそっくりだね、刃物と鉄砲の違いだけだよ。

:でも犯人が、あれは思想的背景を持った右翼青年、これはただの貧困中年ということで、大いに差がありますね。

:わたしもはじめはそう思っていたけど、あれから20日ほどでいろいろ情報が出てきて、そうとも言えない気がしてきたんだよ。

:どうしてですか。安倍さんが肩入れした統一教会って詐欺団体なんでしょ、思想なんかじゃなくて。わたしは今回初めて知ったけど、ご隠居は昔から知ってましたか。

:あの霊感商法とか集団結婚式なんて日本とコリアをまたぐ奇天烈な事件で、何だか奇妙な宗教を語る団体として、大きな話題になったもんだよ、あれは70年代だったかしら。

:なんでも1950年代には日本に入ってきて、岸信介とか大物右翼とかと結んで、反共運動団体を立ち上げたのが、日本での始まりのようですね。知ってましたか。

:知らなかったよ、芸能的話題だったもんなあ。その岸信介から孫の安倍晋三まで、そしてそれにつながる政治家たちまでも、統一教会に侵されていて、そこから右派政治家の思想が構築されたらしいけど、なんともすごいね。これって大陰謀論として語られるだろうね。

:そんなことが暴露されて大問題になっているのは、まさに安倍暗殺事件によることですね。暗殺犯が貧困原因となった統一教会憎し、それを支援する安倍憎しで起こした事件の効果は、暗殺犯が狙ったよりもはるかに大きな効果を上げていますね。

赤信号みんなで渡れば怖くない 統一教会みんなで渡ろう
公明党創価学会自民党統一教会なにがおかしい

:そうそう、暗殺犯の思想はどちらかといえば右寄りだったらしいから、意外な効果を生んだというべきかな。ということはだね、今回も単純な恨み殺人じゃなくて、社会的背景があったってことだよ。

:なるほど、暗殺された安倍さんの右翼思想が撃たれたってことになったんですね、犯人はそう思わなくても。

:そして今、政治家たちと反社会的集団の統一教会のつながりが、つぎつぎと暴露されて来た、主に自民党の人たちってのが不気味だね。しかもその当事者たちが否定するのじゃなくて、それの何が悪いか分らぬと無知で居直るとか、そんな団体とは知らなかったとバカのふりするとかなんだもんね。あんないい大人がねえ。

:そうそう、統一教会が唱える保守的思想と、自民党保守派の唱える政策があまりにも符合してるってことは、統一教会がそれなりの作戦をもって、自民党に時間をかけて食い込んで教育したのでしょうね、その成果がいまぞくぞく暴露されてる。

:暴露でもあるけど、実は前から分かっていたんだね、だから映像や文書が次々登場する、ジャーナリズムが怠慢だったんだ。しかも統一教会のその活動の根っこには、日韓併合植民地政策に関する積年の恨みの報復だというのだから、本当だとしたら根が深いね。

:それは国家的怨恨を利用して個人的思想と欲望を絡めて、戦前からの積年の恨みを日本からの金銭収奪と政治家の思想的感化に転換した統一教会の長年のカルト戦略は、暗殺犯の家庭崩壊と貧窮の少年時からの積年の恨みを安倍暗殺へと転換した長年にわたる戦略とは、実はよく似ているとも言えますよね。

:う~む、統一教会の動機行動と暗殺犯のそれがよく似ているというのは、鋭いねえ。そんなこと言ってる識者はいるかしら、いないねえ、うんうん、そうだね。

:そうでなくても日韓関係が最悪と言われる今どき、こういうことが暴露されるとどうなるんでしょうね。

:考えようによっては、日本庶民信者たちはけっこう贖罪してる感もあるね、集団結婚といい、巨額寄付といい、言われるままにやってるし、政治家たちも思想信条を知らぬ間に乗っ取られているんだものねえ。大成功の敵討ちだったろうね、どっちも。

:う~ん、どっちもってところが怖いなあ、日本の信者たちからの寄付というか寄進が毎月何十億円も、コリアの統一教会の本体の財団に送られて、それが活動資金になっているというのですからねえ。その金のために暗殺犯は貧窮してこの犯行に至った、なんともドロドロ怨念世界、隠某論にはもってこいですよ。

:そうだ、もう一つ暗殺事件を思い出した、現職のUSA大統領J.F.ケネディだよ、太平洋横断の中継TV放送開設の日だったから、それが一番のニュースで飛び込んできて大騒ぎだったな。いつだたかなあ。

:ネットで見たら1963年11月、浅沼暗殺の2年後、暗殺時代だったんですね。

:そうそう、その暗殺犯人がまた暗殺されたものねえ、さらにJFKの弟のロバートもその5年後に暗殺されたんだった。

:ひやー、すごいなあ。暗殺犯を暗殺して証言させないのですかねえ、あ、安倍暗殺犯も暗殺されるかもしれないですね。

:そうだよ、殺さなくても余計なこと喋らせないように、病気だったことにするなんてことあるかもよ。裁判が簡単に終わるからね。

:今回のように暗殺動機の重要な位置を占める政治家と統一教会の深い関係について、世に深く知られないようにするには、公判がおおいにじゃまでしょうね。何かが起きるかもしれないって、映画みたいですねえ。怖い時代が来た。

第5波でオリンピックは無観客 第7波では無弔問客

:さてその安倍さんを国葬にするそうだよ、葬式費用に全額国費を充てるというから、日本は景気がいいのだねえ。物価は上がるし年金は減るし、なのになあ。

:9月の末とからしいけど、それまでにコロナ第7波が治まるのでしょうかねえ。

:前政権の時の第5波オリパラやったから、この政権では対抗して第7波国葬だろ。

:あはは、そうか、じゃあやっぱり電通に丸投げするのかなあ、喪服はAOKIで、アベノマスク着用とかね。あ、無弔問客でしょうね、ここはやっぱり。

香典をいただくことにして、税金投入をできるだけ少なくしてほしいもんだね。

:香典なら、統一教会とか創価学会とか生長の家とか立正佼成会とか日本会議とか幸福の科学とかから、それぞれ10億円以上もって来るでしょ、たぶん、何とかなるでしょ。

:ワハハ、そうかい、そうかい、それにしても第7波到来というのに、岸田さんは国葬準備に忙しくて、コロナまで手が回らないらしいね。

:そうらしい、医療崩壊間近といわれていても、地方自治体で良きに計らえ、感染したら家で寝てろってことのようです。

:昨日だったか、ついに一日感染者数は世界ランキングでトップに立ったらしいよ、すごいなあ、こうなるとコロナに感染しないわたしとか熊さんは、立派な非国民だよ。

:さてさて非国民は、これからは平和とか家庭とか世界とか統一とかって言葉には眉に唾つけて対応しなくっちゃね、まずはこども家庭庁に、ですね。

                  (2022/07/30記)

参照:安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4

   伊達の眼鏡まちもり瓢論

2022/07/27

1635【ようやく来た夏】世にはいつもの夏が巡り来るが生身にはいつも異なる老いが来る

  ようやく夏が来たらしい。今日、買い物の行き帰りに木陰が続く大通公園を通ると、今年初めて聞く蝉の声である。幹に抜け殻、上方にアブラゼミ、初蝉である。



 今年は夏が遅い、暑さもまだ不十分だ。その証拠には、わたしの部屋は今年はいまだに冷房にしたことがない。まあ、いつもの年でもほとんど冷房しないのだが、嫌いだからではない。地上20mの空中陋屋は風が気持ちよく通るのだ。ホコリも通るが、、。

 昨日の買い物帰りのこと、うちの近くの路上で後ろから若い男に声をかけられた。
「こんにちは、これをどうぞ」
 振り返り見れば、差し出してきたのは小さな透明プラ袋にはいったチリ紙らしきもの。何かの広告か。
 近頃は知らない人に声をかけられて、物をもらってはいけないと教えられている。コロナウィルスがついてるかもしれないから。

「え、どうしてこれをくれるの?」
「はい、わたしはオウチコープと言って、野菜などの買い物を、買いに行かなくても、おうちにお届けするのです」

 みれば「おうちコープ」とチリ紙袋に書いてある。わたしは近所の食料品店で買った野菜などを入れた白いプラ袋を手にぶら下げていた。
 なるほど、コープって協同組合のことだったな、おうちがコーポラティブショップになるってわけか。買い物ぶら下げてヨロヨロ歩く老人を見て、カモがいるとて声掛けして営業だろう。ねぎを買ってはいなかったが。

 わたしは昨年の夏に家人からバトンタッチされて、買い物役をやっている。それまでは酒の値段しか知らなかったが、今や豆腐3つで100円もせぬとさえ知っている。
 そういえばこの辺りには、わたしのような爺さん婆さんがババ車を押してヨロヨロ買い物姿によく出くわすから、おうちコープの彼の営業相手は多い。商売は成り立っているかもしれない。

 わたしはヨロヨロしてはいるが、街なか徘徊が趣味であり、足腰の健康のためであり、買い物はその一環だから、趣味を取り上げられては困る。
「ああ、そうなのかい、でもね、わたしには用がないね、ありがとう」

 超高齢社会になるとこういう商売がはやる。食材よりも料理した食品の通販も新聞には盛んに登場する。お世話になる時が遠からず来るかもしれない。
 今の横浜都心部住まいでは歩ける近所で、生活、医療、文化、行政、観光などの何でも調達可能だが、ヨロヨロ度がある程度以上になると、それさえも不可能になる時が来るのか。

 それにしてもこのところ忙しい世の中である。ヒマツブシ話題に苦労しないし、考えているとボケの進行が止まるような感がする。
 そこで狂歌を数首。

  宣言するお方を替えてみたけれど今度のお方は知らんぷりらし
  第5波でオリパラ開催やったから第7波では国葬開催
  第5波でオリンピックは無観客 第7波では無弔問客
  国葬のドレスコードは喪服着てアベノマスクを着用すべし
  国葬の準備でいま忙しいコロナ罹るとうちで寝ていろ
  公明党創価学会自民党統一教会それがなにか?

 そんな夏が今年も来たが、去年と違う夏でもある。 (20220727記)

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2022/07/20

1634【明治神宮外苑再開発騒動】石川提案に続きようやく建築家からも「見解と提案」公開で喜ばしいが、

 

都体育館から外苑絵画館坊主頭が見えたころ 2015年

 東京の明治神宮外苑再開発計画は、その地区計画(2013年)の変更都市計画は事業者の提案通りの姿に決定(2022年)したのだが、環境アセスメントの手続きにおいて、その環境影響評価審議会から待ったをかけられて、行政手続きが停滞しているようだ。その理由は、主に現存植生の保全に関しての方針に疑義を呈されたようである。

 これは行政手続きではかなり珍しいことであろう。都市計画や環境アセスメントについては、それらの審議会を自治体や事業者からの原案通りに了承するのがふつうである。待ったをかけるようなことはないとことはないが、稀である。その稀なことが明治神宮外苑再開発で起きた。

●ランドスケープアーキテクトからの代替案

 その背景には外苑の隣の国立競技場建設時において発生した諸問題について、市民たちに負の記憶があり、その延長上の開発計画として警戒し、再開発反対運動も起きつつあった。そこにはあの有名な銀杏並木が危ないらしいとの、都市の緑保存運動の底流がある。

 これを力づけたのが、緑地計画学者のランドスケープアーキテクト石川幹子さんである。イコモスの委員会で当該再開発計画を検討して、現存樹木が1000本も伐採されるという調査をして、伐採樹木はほぼゼロの代替再開発計画の提案をしたのであった。なお、石川さんは国立競技場建設に関しても、その立体公園計画について異議を唱え、日本学術会議の委員として代替案提案をされていた。

 外苑再開発計画案には、歴史的環境、都市景観、都市計画、事業手法、将来運営維持など、それぞれの課題対応がある。そのなかのもっとも一般市民が分かりやすい既存の大木の保全に焦点があつまり、「1000本大木伐採」が再開発の最大の問題のような様相を呈してきた。

 かつて隣接地の国立競技場が、その建物が高すぎるという高さの数値に焦点が集まり、これも一般市民に分かりやすい数値攻撃になった。そのうちに工事費が高すぎるという金額に焦点が集まり、これも一般市民に分かりやすい数値攻撃になった。
 今回の再開発においても、伐採大木1000本という実に分かりやすい数字攻撃になっている。もちろん新築建物の高さや景観も内容も問題にされているが、樹木1000本とは多くの市民を巻き込むにはなかなかにうまい戦術である。

 樹木のことは事業者側も心得て、銀杏並木の保全にはそれなりに対応する計画だが、全体の既存樹木伐採本数を人質に取られるとは意外な戦術だったのだろうか。いや分かっていて、植え替えや植え増しで対応する作戦だったのが、アセス対応でドジったらしい。
 さてこれから環境アセスの審議会がどう動くのか、その決定権者の東京都知事が政治的にどう動くのか、興味深いことになってはいる。

●ようやく出てきた建築家からの提案

 そんな時に、新建築家技術者集団(新建)の東京支部が、イコモス石川提案の向こうを張ってかどうか知らないが、神宮外苑再開発問題「見解と提案」なるものを公開した。これを書いたのは東京支部とはあるが担当の建築家個人名がない、誰だろうか。

 ようやく建築の専門家の声が聞こえるようになった。国立競技場の時の建て替えに至るどさくさの端緒は、建築家の槇文彦さんの問題提起であったが、今回はむしろ一般市民からの問題提起が先行した感がある。
 だが、わたしから見ればそれはずいぶん遅い動きであった。そのずっと以前の2015年地区計画から問題をはらんでいた事業であるが、都市計画の専門家の他にはわかりにくかったのだろう。

 なお、わたしはずいぶん前からブログで問題を指摘しているが、それとて専門家以外には分かりにくいことであったのだろう。もっとも、わたしの書きぶりは真正面からでなくて、皮肉と諧謔あるいはわたしもよく分からない法解釈論などだから、分かりにくい。

 新建の建築家としての「見解と提案」に対して、わたしは賛意も反対の意も述べる気はない。現状保全の意志を強く読み取って、新築するばかりが建築家じゃない時代が、ようやく日本の建築家の世界にも来たのだなあと、興味深く読んだ。

 わたしは事業と何の関係もないので、この再開発事業の資料類は、ネットt公開されたものを見るしかない。新建の建築家は何か非公開資料をご存知かもしれない。

●新建提案で気になったこと

 「見解と提案」を読んで、下記の部分が気になった。

2 再開発計画による外苑の大改造から伝統ある環境を守る 
2) 容積率の緩和と移転による不動産収益とその行方
 再開発の事業計画が明らかにされていませんが、球場とラグビー場の建替えは移転した容積率に対応したもので、いわば自腹を切っての等価交換だと考えられます。とすると、不動産収益は超高層ビルの新たな床(保留床)に集められ、その所有者が手にすることになります。

 これを読むと権利者である明治神宮とJSCは、野球場とラグビー場の建て替えのために、「自腹を切っての等価交換」とある。自腹とは権利者が再開発事業の外から資金調達して、各自の建設事業に投入するという意味であろうか。

 つまりこの市街地再開発事業においては、施設建築物権利床だけではなくて、十分に巨大な保留床がありながら、その保留床処分金を権利床建設等に充てないという、市街地再開発事業では異例のことなのであろう。本当にそうだろうか。

 この再開発をわざわざ法定の市街地開発事業としながら、そのような権利者に不利な権利変換をするものだろうか。もちろん全員同意型権利変換だろうから、それもありうる。
 新建の建築家は事業者から権利変換計画書(案)を見せてもらい、そのように書いてあったので、このようにお書きなのだろうか。

 そうだとすれば、明治神宮とJSCはよほどの金持ちなのだろうし、なぜ市街地再開発事業にするのか、わたしには理解できない。明治神宮は祈祷料でも賽銭でも原資にして自腹をご自由にきればよい。
 だが、JSCがそれでは納税者としては困る。JSCの自腹とは税金を原資とする国費を投入になるのだ。せっかく事業の収入金である保留床処分金をあててもらいたい。そして権利床をできるだけ広く獲得してもらいたい。この事業を市街地再開発事業にする意義はそこにあるはずだから。

 普通に考えると、市街地再開発事業の保留床処分金収入は、権利者の明治神宮とJSCにも従前権利額に応じて権利床に変換して配分されるから、自腹を切らなくても新球場とラグビー場を手に入れることができるから、この事業に加わっているに違いない。
 再開発ビルなどの事業費を外部から調達するために、再開発事業地区内の容積率UPをして権利床のほかに巨大な保留床を生み出してこれを売って保留床処分金という収入を調達する。必然的に巨大高層ビル建設となるのが市街地再開発事業の仕組みである。

 また、「不動産収益は超高層ビルの新たな床(保留床)に集められ、その所有者が手にする」ともある。この意味がよく分からないが、保留床を青山通りに面する超高層ビルに集約する、という意味だろう。

 一般的にはできあがる再開発ビルの権利床と保留床の配置は、権利変換計画書(案)を見て初めて分かる。新建の方はご覧になったのだろうか。
 そういえば、この再開発事業のコンサルタントは日建設計らしい。建築設計も当然に日建設計だろう。

●前代未聞の単純市街地再開発事業の真の目的は

 さてこの市街地再開発事業は、権利者がわずかに4者だから個人施行になり、施行者は三井不動産だろう。あるいはほかに隠し権利者がいるなら組合施行も可能。
 市街地再開発事業としては、稀に見るほど権利者数は少ないし、稀に見るほど権利関係は単純だし、稀に見るほど広大な土地で計画自由度は大きい。この条件が全部そろう市街地再開発事業は前代未聞だろう。

 大勢の零細権利者も含む一般的な市街地再開発事業につきものの、権利関係をめぐるもめごとなどはありえない順調事業だろう。事業の都市計画決定という法的担保を不要として非都市計画事業にするかもしれない(個人施行の場合)。
 市街地再開発事業としてはあまりに単純すぎて(つまり都市問題がほとんど無い)、これが都市再開発法が定義する市街地再開発事業に相応するのかと、わたしは疑問に思う。まあ、都市再開発法第3条2項ロ号適用で違法ではないだろうが。

左右に明治神宮内苑と外苑だが、再開発すべき地区は内外苑以外であろう

 JSCは非課税団体だろうが、民間権利者3者(特に明治神宮)の意図は、市街地再開発事業とすることで不動産の交換売買に関する税逃れにあるようだ。これはわたしの邪推だろうか、違法ではないが釈然としない。認可権者の東京都知事の判断によるしかない。
  この前代未聞の単純市街地再開発事業でも一般会計補助対象になるのだろうか?
 密集市街地再生とか被災地復興とかという都市再開発王道で苦労している事業と同じ扱いなのかしら?

 ところでランドスケープアーキテクトと建築家の意見は登場したが、都市計画家の意見はどうなのだろうか、未だに聞こえない。

 わたしはこれまでこの都市計画と再開発事業について散々書いてきたので、改めてここで繰り返さない。とにかくようやく事業の全体像が分かってきた。(20220720記)

参照:【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発騒動瓢論集
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2022/07/16

1633【コロナ第七波到来】日本はいつの間にやらコロナ感染先進国に

 毎月の始めと半ばの2回、コロナの状況を記録してきている。
 2022年7月の半ば、ついにコロナ第7波が来たの違いない様相である。この第〇波との名称は、何時誰がつけるのか知らないが、新聞は誰かがそう言ったという書き方しかしないのはなぜだろう。

 コロナ第6波からの下がり方どうも円滑ではなくて、4月半ばからはいやいや下がる様子で時には引き返してみたりして、じらせていた。だが7月15日、もう確かに第7波への上昇具合である。

 これまで2年と7か月の累積感染者数は、ついに1000万人の大台に達した。その数字に意味は無さそうだが、覚えやすいとはいえる。
 だが7月15日の感染者は、一日で10万人を超えるというのは異常ではないのか。これまで6つの大波を経験してきているが、これ程にも感染者が増えると、大騒ぎをしていたような記憶がある。

 だが、政府は例の緊急事態とかマンボウとか全く言わないようだ。マスク着用ルールを守れというくらいなものだ。
 そうか、死者や重傷者がこれまでよりも少なくなったということで、コロナと共存政策に転換したのだな。ワクチンも8割がた行き渡ったことだし。 それはまあ良いことだが、本当にそれで大丈夫なのかしら。
 先日は参議院議員選挙で、日本列島端から端まで騒ぎがあって人々は集まったに違いない。それは感染拡大の原因にならなかったのか。

 いずれにしても人々はコロナがないがごとくに街は賑わい、旅行に行くし、飲み食いしている。だが実は、内心では恐る恐るであることは、相変わらずマスク姿がまかり通っていることで分かる。

 地域別に感染者数をみると、原則的には人口に比例するらしい。防疫先進県の鳥取はその地位は維持しているが、とうとう200人を超える感染者になった。次いで隣の島根県で、この2県の防疫能力はすごいが、もちろんこれには、この2県の人口が全国ランキングの最下位を争っていることと大いに関係があるだろう。

 だが、それだけでは沖縄県の感染者の多さの説明がつかない。沖縄県の人口ランキングでは25位にあるが、感染者数ランキングは10位に位置するのはどう説明するのか。沖縄県はいわゆる交流人口が多いのか。

 この日本の第7波到来の状況は、世界各地でもそうなのだろうかと、全世界のグラフを見れば、若干の右上がりが見えるが、大波に至る気配は見えない。日本のように地球全体にも大波が来るのだろうか。


 北半球の主な国の感染状況のグラフは、日本のそれのようにはねあっげていはいない。隣のコリアチャイナも、海の向こうのU.S.A.もユーラシア大陸の西のドイツでもU.K.でも波が上昇の気配がない。

 どうやら日本だけが感染先進国になったらしい。それなのに特別な対策しなくてもよいほどに、日本列島の人間とコロナとは共存の時代を迎えたのであるか。まことに結構なことだが、本当だろうかと、眉に唾つけざるを得ない日々である。

 コロナ騒ぎの日々が2020年1月からつづくが、22022年2月末からプーチン戦争騒ぎが始まり、さらにこれに加えてこの7月初めから安倍晋三元首相暗殺騒ぎが始まった。
 国葬にすると岸田首相が表明したのが不愉快であるが、それもよいかもしれない。それは犯行動機を誤解殺人と矮小化せずに、国葬にするほどの政治的暗殺事件となるなるからには、さぞや厳しい原因究明がなされて、政界と右翼団体との奇怪な関係の究明と清算ががなされるに違いない、きっとそうに違いない。

 当分は退屈しない。わたしもこのところ久しぶりにブログに書き込む頻度が戻ってきた。ボケ進行防止ににはなるが、もうちょっと楽しいことにしてほしいものだ。

(20220716記)

参照:コロナ大戦+プーチン大戦おろおろ日録

参照:伊達の眼鏡ブログ』、まちもりブログ

2022/07/14

1632 【安倍晋三暗殺事件3】誤解殺人で犬死か政治テロで栄誉死か国葬は暗殺犯の思う壺かも

 なんとまあ、惨殺された安倍晋三氏を、国葬に付するそうだ。

岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相を追悼するため、今秋に「国葬」を行うと表明した。戦後、首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相の死去時にしか営まれたことがなく、安倍氏は2例目となる。閣議で実施を決定する。(NHKWEBニュース20220714/20:35)

 これで明白になった。安倍氏の死は、国家がその葬儀を司るほどの、大いなる政治的テロの犠牲であった、栄誉の死であったと、少なくとも政府はそう判断したからこそ、国葬にするのであろう。

 安倍晋三氏の死は、狂気の中年男の誤解殺人の犠牲となった犬死ではなかったのだ。つまり、ある特定宗教による家庭破壊を、その宗教団体を安倍氏が支援したことによると勘違いして怨恨を抱いた中年男の狂気の行動に、安倍晋三氏が巻き込まれて殺された、ということではなかったのだ。

 政治的テロの犠牲者となると、その暗殺に至る原因究明が徹底的になされなけrばならない。安倍氏の政治的言説や言動のなかでも、事件に直接関係すると暗殺犯人が供述するところの、統一教会と安倍氏との関係である。

 実は、安倍晋三氏と統一教会との関係の深いことは、彼の祖父の岸信介氏の時代に始まっているのだ。その因縁の深いことは、ネット上に過去の映像や画像あるいは言説が、無数に登場している。常識として私もいくぶんか知っていた。

 統一教会はずいぶん前に犯罪や奇矯で新聞沙汰になったが、数年前には統一教会系系団体の会議に、安倍さんがトランプとともにビデオメッセージを寄せたことが、その映像とともにスキャンダルニュースになった。
 あるいは統一教会系の出版社がが出す情宣活動の雑誌の表紙に、安倍晋三氏の大きな写真が飾ってもいる。

 つまり暗殺が政治的テロとするのならば、これらの安倍氏の言動は政治的なつながりがある行為であったことになる。どうも安倍氏には気の毒な用か気もするが、国葬にするほどの事件ならば、そういうことだろう。

 さらにまた有田芳生氏や多くのジャーナリスト弁護士たちが、出版物等でこれまでも公にしてきた、政治家と統一教会の関係についても、公判の場に持ち出されることにならざるを得ないだろう。

 となると、これから関係政治家たちの言い逃れれや裏工作が横行するだろう。すでに起きつつあることがネット社会には出ている。ある政治家は、「講演したことがあるが、知らなかった」とtwitterにつぶやいている。

 一番怖くてありうると危惧するのは、暗殺犯の口封じである。彼の身柄が今の検察からいずれ司法へと移って言うだろうが、その間に彼に物言わせないような何かが起きると思うのは、私だけではなかろう。劇画ならゴルゴ13の登場である。

 なにしろ安倍晋三氏が偉大な死を迎えたという神話に仕立てるのは、これを政治テロにしないと話が成り立たない。だが政治問題にしたくないなら、勘違い殺人に仕立て上げ、安倍氏には犬死してもらうしかない。

 さてこの栄誉死と犬死の間で、政府は、政治家は、あるいは社会はどこれから動くのか、誠に興味深いことである。
 それにしてももったいない気がする。安倍晋三氏を国葬とするとは、彼の右翼思想を称える国家になってしまった、そんな気がしてならない。国葬とはいくら税金を投入するのだろうか。統一教会や生長の家や創価学会や日本会議から多額の香典が来るだろうから、それをここに入れると投じた税金以上になるという計算か。

  国葬とすれば、その生と死を国家としてたたえるのだから、その暗殺にも意義を与えざるを得ないことになる。これはとりもなおさず暗殺犯にとっては、まことに都合がよいことになる。暗殺犯が目的とした統一教会への恨みは、国家によって認知されることになる。すでに社会の関心はそちらに傾きつつあり、国家もそれに加担して、今や暗殺犯の思い通り、いやそれ以上になりつつある。

(2022/07/14記)

参照:安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4

   伊達の眼鏡まちもり瓢論