2020/01/22

1439【バウハウス100年映画祭】ミースとグロピウスそして山口文象たち世代の戦争責任は

●『バウハウス100年映画祭』
 めったに映画館に行くことはない。わたしはTVを見ないから、映画ってものはうちの中でPCで見る。映画館やTVと違って、中座するときは一時停止すればよいし、眠くなったら止めてしまい、後で続きから見ればよい。
 それでも年に2、3回は映画館に行く。それがこの1月中に寒いのにわざわざ近所の映画館に、もう2回も行ってしまった。今年はあとは一度も行かないで済むかも、。

 見た映画は、「バウハウス100年映画祭」として合計6作品を下記4つのプログラム構成で上映しているうちのAとCである。
A「バウハウス 原形と神話」
B「バウハウス・スピリット」「バウハウスノ女性たち」
C「ミース・オン・シーン」「ファグス グロピウスと近代建築の胎動」
D「マックス・ビル 絶対的な視点」

●バルセロナ・パヴィリオン
 最初にCプログラムを見た。『ミース・オン・シーン』は、ミース・ファン・デル・ローエの設計になるバルセロナ・パヴィリオンの復元事業を中心に据えて、かかわった来た人たちへのインタビューと、新旧の映像で構成咲いている。
 わたしはこの名作を実際に見てはいない。これまで実物を観たミースの作品は、シーグラムビル、ベルリン国立美術館・新ギャラリー、IITクラウンホールであり、いずれもガラスと鉄の分りやすい空間である。
(映画予告編からコピー)
あの有名なバルセロナ・パヴィリオンは、ベルリンのギャラリーと同じようなものと思っていたのだが、かなり異なるもので驚いた。
 これは建築空間の構成そのものを見せる作品であり、しかもガラスと石によるのだ。石目模様の色彩豊かな大理石が重要な役割を占めている。単に透明な空間ではなくて、その変幻自在な空間の展開を楽しませてくれる。
 多彩な登場人物の語りで、この建築の歴史、空間の構成、力学的構造など、なかなか興味深い映画であった。そうか、安藤忠雄はこれをまねしていろいろと展開しているのだな。

●ファグス靴工場
 「ファグス グロピウスと近代建築の胎動」のほうは、ファグス靴工場である。これも私は実物を見ていないいし、そもそもグロピウスの作品は、ニューヨークでパンナムビルを遠望したことがあるだけだ。この人の作品は少ないが、教育者としては素晴らしい。
 バウハウス創始者のグロピウスのバウハウス以前の作品であり、その後の近代建築への最初のステップを見せる作品として紹介している。
 この工場は今も現役工場として靴を作っているのが素晴らしい。工場の労働環境の改善という目的と、建築デザインを商品宣伝の目的にするという、いかにも近代産業社会到来への対応としての出自を、しっかりと見せてくれるのが面白い。

 現代の建築生産の目から見ると、平凡というか下手くそな感もあるが、1911年という時代相から見るとこの明快さが、時代を突き抜けているのだろう。
 それは1926年デッサウバウハウス校舎についても同じように言える。とにかく近代建築史の視点で観ないと、この映画はわからないだろう。そこがミースのバルセロナパヴィリオン(1929年)とは大いに違う。
 グロピウスのファグスとデッサウを下敷きにしてみると、ミースはグロピウスよりもはるかにデザインの名手とわかるだろう。

●バウハウスの人々
 次に見たのがA「バウハウス 原形と神話」で、これはバウハウスの創立からその運営、影響、そして終焉までを、多くの卒業者たちに語らせるものである。
 盛りだくさんに詰め込んで消化不良気味だが、かかわった人々の熱のようなものが伝わってくる。昔は建築史フリークアだったわたしだが、読み漁った近代建築史上の登場人物の名前が次々に出てくるのを懐かしく聞く。

 オスカー・シュレンマーが出て思い出したが、もう20年以上も前だったか、東京のどこかのイベントホールで、シュレンマーの舞台作品を見たことがある。
 ロボットのような姿のダンサーが行進のようなダンスを、どこかの劇団だったかが演じた。ほう、これがあのシュレンマーのダンスかと、興味深かったが、あれは何だったんだろう。

●バウハウスの影響
 バウハウスの活動が、世界の各地各界にもたらした影響は大きい。
 バウハウスのモダン住宅の例として、ドイツのジードルングらしきものも少し出たが、イスラエルのテルアビブ住宅地が詳しくとり上げれれていて、知らなかったがそれなりに興味深い。

 日本にはどうだったのかは何も出てこなかった。4人の日本人留学生のことも出ない。グロピウスの弟子になった山口文象のことも出ない。
 仲田定之助が訪れて日本に初めて紹介したのが1925年で、山口文象は仲田と親交があったから、当然にグロピウスのことを聞いたであろう。山口文象がグロピウス事務所で働いたのは1931年から11か月ほどだが、ただし山口が渡欧したバウハウス校長をやめていた。

●ナチスとバウハウス
 こうやって1時間以上もぶっ続けで観せられると眠くなってしまう。最近はPCで短時間しか動画を続けて見ないからだろう。それがハッと目を覚まさせられたのは、バウハウスとナチスの話になった時だった。

 例の有名なフォトコラージュも出てきて、ナチスがバウハウスを弾圧した話になった。バウハウスはナチスに強制的に閉鎖されたのではなく、実はミースが路線をナチスと対立しないように左翼系たちを放校し、閉鎖も自発的に行い、それなりの補償も受けたという。ハンネス・マイヤーの後を引き受けたミースは、なかなかの政治家でもあったようだ。

 そして、バウハウスの学生たちにもナチス親衛隊がいたとか、のちに強制収容所の設計をした者がいたとか、一時はグロピウスさえもナチ宣伝出版物にかかわっていたとか、初めて聞く話になりすっかり目が覚めた。
 ただし、その話題はあまり長くはなかったし、どうもまだ明確にし難いこともあるらしい口ぶりが、語る研究者から聞こえた。さすがにナチに対して厳しいドイツの映画であると思ったが、映画はそのあたりで終わった。バウハウスの戦争責任についてはどうなのだろうか。

●日本の建築家と戦争責任
 となると自然に日本の場合はどうなのだと思う。晩年の山口文象が建築家の戦争協力に厳しい言葉を述べていたのを思いだした。
 有名な話は建築家・内田祥三の戦争協力についての糾弾である。今の話題の国立競技場で1943年に、学徒出陣を送り出した時の東京帝国大学総長であったからである。山口は何度か講演会でしゃべっていた。

 山口文象は戦争加担は一切しなかったと語っているが、細かく見ればそうとも言い切れない。山口文象自身の戦争責任をどう考えるか。
 戦争関連の仕事でなくては建築家は食えなかった戦時中、山口の仕事も全国各地の軍需工場の工員宿舎の設計がほとんどであった。山口に言わせると、工員の生活環境を良くするために設計をしたのであり、戦争協力ではないというのだ。
 だが弟子の小町和義さんが語るように、軍需工場の設計もわずかではあるがやっているし、工員宿舎だって軍需工場の一部だから、まったく戦争非協力というには無理があるだろう。

●ベルリンを出るグロピウスと山口文象
 これはバウハウスと直接関係ないが、関連して気になるので書いておく。
 ウィキペディアのグロピウスの記事に、「バウハウス閉鎖後、事務所にいた山口文象とともにドイツを脱出、自身は1934年イギリスに亡命する。」とある。
 だが、山口文象がベルリンを出て帰国したのは1932年であり、イギリスに立ち寄ってはいないことは、山口文象自身が書いた当時の日記手帳によって明確である。
 グロピウスがベルリンを出てイギリスに渡ったのは1934年であることは、山口の評伝を編むときに問い合わせに答えたイーゼ・グロピウス夫人の手紙にその記述がある。

 wikiのこの誤った記述の原因は、晩年になっての山口の話で、1932年にベルリンを出発して日本に帰国の旅に出るとき、ナチスの手を逃れて脱出するグロピウスとともにイギリスに渡ったと、佐々木宏さんに語ったのが公刊されているが、その山口の座談によってwiki執筆者が書いたのだろう。
 わたしはこれまでも著書やネットでこの齟齬矛盾を指摘しているが、もう山口文象よりも長生きしたから、生き残り末席弟子としてはっきり言っておこう、それは虚言であると。なぜそれを言ったのかわからないが、老残のなせる業と思いたい。

 山口文象は晩年には座談の記録をいくつも残しているが、佐々木宏さんも指摘しているように、間違いというよりも虚言としか思えない発言も諸所にある。
 今やわたしも老残の日々だからひとごとではない。バウハウスの話が妙なことに及んだものだ。

2020/01/10

1438【怪しいハイテク】うちのPCWIN7が3段飛び級試験合格してWIN10にヴァージョンアップ

 PC屋というかIT屋というのは因業な商売をするもんだ。せっかく買ったPCに慣れてきたころになると、その上のクラスのOSの入ったやつを売り出して、それに買い替えろと宣伝してくる。
 そのうち更に、その古いPCのOSのメンテナンスサービスをもうやめることにした、そのまま使うと危険だから、絶対に買い替えろと、脅迫してくる。
 あくどい商売だ。
 
 真っ黒粗太なるIT屋からその脅迫が私のところにもやってきた。
 うちのPCはWIN7だが、この1月15日からもう面倒見ないぞ、WIN10に取り換えろ、それの入ったPCを替えろと言うのだ。
 そんあところに携帯電話機屋からも同じような脅迫が来て、更にまたプリンタももうすぐ壊れるぞと脅迫してきている。なんだよ~、これは、持ち主のボロさに対応するのかい。
 で、このWIN7機を買ってから7年半、この期間はPCには長いのか短いのか。これまで一度の故障もなく、まだまだ普通に使っているのに、もう買い替えるのかと、貧乏人には負担が大きい。

 ところが買い替えなくても、ネット上でWIN7からWIN10にヴァージョンアップする方法があるらしい。それならタダでできるからありがたい。
 で、ネットを探したら、そのためのサイトがあったのだが、読んでもよくわからない、やってよいのかどうか、壊れるかもしれない。若いときなら面白がっただろうが、年寄りになった今は手に、いや頭に余る。
 私には、こういう時の伝家の宝刀があるのだ。IT方面専門家の息子である。頼んだらやってくれた。正月の親へのお年玉としてありがたくいただく。にはビールいっぱいとお菓子のお土産だけ。

 Jがヴァージョンアップ作業に取り掛かったのは14時半ころ、それからPCが作業を自主的に延々と次々とやって、画面は真っ青になって点線の輪がグルグルグルグル、こちらはただただ待つばかり。は18時前に帰っていった。
 20時40分ころになってようやく、WIN10の初期画面が登場したのだった。最後のあたりでいろいろと人間臭い表示が出るのが面白い。
開始5時間、延々黙々と何かやっている

開始6時間、「すべてお任せください」とは??
待ちきれずにクリックすると止めるぞっ、てか

準備って何の準備かしら?

ほお、予想した時間があったんだあ、それより遅れてる弁解か

開始から6時間半、ついに初期画面になった!!
ということで、うちのPC君はなんとまあ開始から約6時間半もかけて、7から10へと3段飛び級試験に見事に合格したのである。

 その結果で今、これを書くことができているのだが、なにしろつい先ほどの合格だから、これからあれこれやっていると、一部不合格とか、変なことが起きるかもしれない。
 現に「バックアップファイルない」とか、「ウィルスセキュリティは使えなくなります」とか表示が出る。WIN10には効かないアプリを入れているかもしれない。
 困ればに電話で教えてもらおう。迷惑だろうが、こちらはボケ防止によろしい。

 思えば、わたしが使ったPCのOS歴をたどると、1988年のMacintoshが最初、そしてwindows95、98、ME、CE、XP、7、10と、まったくよく買い替えさせられたものよ。
 PCに触る前は、ワードプロセッサー専用機を1980年ころから使い、ポケコンであそんでいた。インタネットへの接続は、最初はワープロ通信をやっていて、そのうちにパソコン通信へ、そしてウェブサイト「まちもり通信」を始めたのは2000年末のことであった。

 これでまたしばらくは安心してPC生活ができる。よありがとう。

(20200113追記)
 WIN10になって今日で4日目、あれこれとWIN7時代に取り込んだアプリケーションを試しているが、今のところ動かなくなったものはない。7と10は相性が良いらしい。
 どうしてもだめアプリが一つ、「ウィルスセキュリティ」というアンチウィルスアプリである。早速このメーカーのソースネクストから、画面に警告が来た。
 「これはWIN7用だからもうすぐ停止してしまうぞ、そのままにしていると危険だぞ、1518円出せばWIN10にヴァジョンアップしてやる、面倒な作業は一切不要だ」、という。
 なんだか脅迫の感もあって愉快ではないが、安いし、自分で作業しなくてよいのは助かるから、購入した。ただし、代金をネット上でカード支払作業が面倒だったのは、めったにネットで買い物しないからである。
 真っ黒粗太の一方的なやり方のせいで、あれやこれや余計な作業と1518円の出費をさせられた。

2020/01/03

1437横浜関外関内ヨタヨタブラブラ初徘徊

 暮から正月にかけて、なにもせずに雑煮を食って寝ていたら、脚が弱ってきたので散歩と言う徘徊に出かけた。
 正月だからとて初詣をする習慣がないのは、わたしが神仏を全く信用していないからである。

 徘徊だからどこをさまよってもよいのだが、初徘徊らしく横浜ドヤ街の寿町に向った。そう、名がメデタイから初詣がわりになるだろうというのである。
 実は去年の初徘徊も寿町だったから、初詣に相当するわたしの正月の習慣になったかもしれない。う~む、ドヤ街徘徊が正月の習慣とはねえ、、。
寿町のメインストリートは静かな住宅街
部屋は3畳間だけど最先端設備

3か月に一回くらいは寿町徘徊もしているが、簡易宿泊所の街だと言ってもほとんどの宿泊者は事実上の住民となっている普通の生活街だから、正月とて特に変わりはない静かな街の風景で、人通りは少ないがあちこちに日向ぼっこする人がいる。
 でも、いつもとちょっと違う風景に出会った。町の中心部にある児童公園に、青テントの仮建物が建っているのだ。
 そうか、越年の炊き出しなどの特別のイベントをやっているようだ。支援団体などが、平素もここで週1回の炊き出しをしているが、年末年始は12月30日から1月5日までやるようだ。
寿児童公園は越年炊き出しの拠点化

越年闘争スケジュール

2019年度寿冬まつり寄付者名簿には簡易宿泊所名が並ぶ

 炊き出しだけではなくて、年末年始だけの各種の支援活動もやっているようで、「第46次 寿越冬スケジュール」を記載した貼り紙がある。第46次とあるからには、もうこれまで46年間も続いているのだろうか。
 頭が下がる思いであると同時に、46年前と比べると豊かになったはずなのに、多くの貧困者がここに吹き寄せられている現実に、困惑するばかりである。

 公園の斜め向かいに大きな空地が出現していいて、地面に建物を撤去した基礎が見えている。ここは2棟の簡易宿泊所が建っていたから、建て替えるのだろうか。
 去年、いくつかの簡宿の建て替えで高層化した建物があったが、ここにも高層ドヤが建つのだろうか。
新空き地出現(左の青テントが児童公園)
毎週毎年の炊き出しがつづくように、ドヤ住民は次第に増えていて、今後も需要があるから、建替え高層化があるのだろう。数の需要もあるが、入居者の高齢化に対応するために建物のバリアフリー化という、質的な需要もある。

 去年の暮れごろにUR住宅ビルの撤去工事をしていたが、いまは仮囲いの大きな空き地となっていた。さてここには何ができるのだろうか。
 便利な横浜都心の一角だから、オフィス需要はあるだろう。だが、共同住宅となると寿町ドヤ街の中という立地イメージが、市場を難しくするだろう。
UR住宅跡の空き地はなにが建つのかまだ分らない
その近くにも3年前からの空き地があるのだが、一向に何かが建つ気配がないままである。
3年前からの空き地
寿町を通り抜けたすぐ先には、横浜の商業中心の元町と中華街がある。
 ついでにそちらにも徘徊の足を向けたが、こちらは静かな寿町から一転して、大勢の人出となった。
元町商店街
とくに中華街では、中心部の通りは満員電車さながら、車の入る道は大渋滞、あまりの賑わいに逃げ出した。
 逃げ出した先は山下公園、ここも大勢の人出だが、そこは繁華街とはちがって、あの広さが救ってくれる。
山下公園から大桟橋方面を見る
ということで、脚を鍛える3時間ほどの横浜関外関内ヨタヨタブラブラ初徘徊であった。

2020/01/01

1436【フェイクバカ12月孤乱夢】流行語、怪しいハイテク、空き家、常陸坊海尊、渋谷ヘタクソ、箱根紅葉狩、紅白歌合戦


12月4日 伊達の眼鏡ブログ:新語流行語大賞の言葉 
 毎年のこの大賞の言葉のわたしの認知度を調べるのだけど、いつも半分くらいした知らないが、その原因はテレビを見ないせいと分っているから、ぜんぜん驚かない。流行からどんどん遅れるけど、それがどうした?
 伊達の眼鏡ブログ記事

12月5日 横浜ご近所探検
生きても空き家
死んでも空き家

生きても過密
 死んでも過密


12月8日 東京風景
永田町の赤坂プリンスホテル向かいの角地に、大きな木の下に小さな古い木造住宅があった。あの超一等地にどんな人が住んでるのか、前を通るたびに気になっていたが、いつの頃からか空き家状態になった。いまや空き家は珍しくないが、この場所での空き家はなかなかにスゴイ風景だった。ところが2019年12月6日、通りかかったところ、すっかり壊されて、大木も切り倒されていた。なにかビルが建つのだろうが、残念なようなホッとしたような、いや、まあ、何の関係も無いけどね。
2016年5月と2019年12月の写真をどうぞ。

12月9日 怪しいハイテク
プリンターって値段がオカシイ。3年前に6500円で買った同じ機種が、新品で最安値28710円である。え、値下がりじゃなくて値上がりなの?、どうなってんの?
 使っているプリンターが、「廃インクタンクが満杯になったので修理に出せ」との表示、修理代金を調べると11000円だとある。それなら同じ機種を6500円で買おうと、ネット検索したら4倍に値上がりなのだ。
 実はこれを買う前にも同じ現象になったプリンターがあり、その時は急いで印刷することがあり、修理時間がないので買ってきたのである。
 だから今、わたしは「廃インク満杯」プリンターを2台も持っている、トホホ、どうしようかなあ。

12月10日渋谷駅ヘタクソデザイン
 建築家と言うものは、このような複雑な空間でも、スマートに解決して納めて見せるのが腕前であるはずだがなあ、どうなってんだろ、このデザインした建築家は誰だろうか、あのヘタクソ建築家Kマさんだって、もうちょっと上手にやるだろうになあ。デタラメに行き交う部材を眺めて、しばらく楽しんだ。
 大変化中の渋谷駅って、総じて建築はたいしたことないようだが、土木は面白そうだ。これまでは地上を敬遠していたが、これからはちょくちょく地上に出て乗り換え、ちょっと探検もよいなあ、と思った。

伊達の眼鏡ブログ新記事
https://datey.blogspot.com/2019/12/1430.html

12月17日 箱根紅葉狩
久しぶりに箱根に紅葉狩り、ついでに山口文象作品の健在も確認、1936年稼働開始の「東電早川取水堰」と「山崎発電所」は現役の土木遺産。正月行事の箱根駅伝でTVに毎年ちらり登場。なお、山崎発電所はこの地下に本体の発電所があり、地上部は変電設備があるようだ。







12月20日 怪しいハイテク:あれもこれも命尽きる
 プリンター、携帯電話機、PCと次々に取り替えろとのサインが来る。使う本人を取り換えるのがいちばんの早道かもなあ。

●伊達の眼鏡ブログ新記事掲載

12月21日 横浜北仲あたり風景変容
いやはや、この5~6年で空の見え方が、こんなにも大きく変ったもんだあ~




12月23日 【言葉の酔時記:あんか】
 歳とると身体発熱量が減少して寝具が冷える。そうだ、安価な「あんか」を買うか。
 ヨドバシだったかビックだったかの電器店にて、可愛らしい店員に聞く。
「あんかはどこにありますか」
「はい?、なんでしょうか」
「あんかですけど」
「ここは暖房器具売場ですけど、」
「だから、あんかですが、え、 ご存じない?」
「はい」
「ほら、これくらい小さくて平べったくて蒲団に入れて暖かくするの」
「え~と、こたつはここに、ストーブはあちらですけど」
「ありゃ、ストーブを蒲団にいれるかなあ、困ったな」
「聞いてきますのでお待ちください」
(電器屋が知らないとは、今じゃあカタカナでエレクトロホットペットとか言うのか、いや、あんかは絶滅したか、いや、あんかは方言なのか、不安になってきた)
「ありました、この電気あんかですね」
「だからあんかでショ、ほらここにあんかと書いてある、ご存じなかった?、面白いなあ」
「はい」
 なんだかホッとした。でも思ったほど安価じゃなかったので買わず。
(2019/12/28追記)文字通り安価なあんかを見つけた。今夜から温かいぞ、それにしても生れて初めてのあんか、オレも歳とったものだ。

12月24日 伊達の眼鏡ブログ:常陸坊海尊劇評
 神奈川芸術劇場(KAAT)にて、現代演劇「常陸坊海尊」を観た(2019年12月6日)。秋元松代作、長塚圭史演出、白石加代子主演。
 能楽をちょくちょく観るほかは、舞台劇を観るのはオペラと歌舞伎がごくたまにあるくらいで、とくに現代劇というか新劇の舞台を見ることはめったにない。
 それなのに観たのは、いつだったか昔にこの演劇の評判を高く聴いていた記憶、そして趣味の能楽鑑賞の延長上で観ようと思ったからである。
能楽鑑賞の眼で演劇常陸坊海尊を見る


12月27日 言葉の酔時記・今年のトレンド
 それにしてもトレンド大賞の「平成最後の日」って、そんなに評判になったのかい?、世の中なにも変らず単に元号が変っただけじゃん、世間はいったい何に乗せられてるんだろうか。そのカラ騒ぎがあったらしいことを知っていても、その関連ニュースに全く興味なかった。
 その改元の話題に関連して、今年の5月に親しい仲間内の会誌に書いた、言いたい放題エッセイの一部を載せておく。
伊達の眼鏡ブログ新記事:

12月30日オリンピックバカ騒ぎ悪口納め
新国立競技場がようやく完成したらしい。あのバカ騒ぎは何だったのか、懐かしさを感じて、年の瀬の悪口雑言イチャモン納め。
【伊達の眼鏡ブログ新掲載記事】

12月31日紅白歌合戦とは懐かしや

 TVを全く見ないが今も「紅白歌合戦」とは懐かしい。むかしTVを観てた頃もこの番組を見たことはないが、いったいつごろ始ったなかなあ、男女を「紅白」と分けるのも、「歌合戦」と言うのも、今じゃあ死語にちかくて、ここだけで生きているのかもしれない、いまじゃあ男か女か判別することさえも難しい時代なのよくやってるなあ、あ、もしかしてもう男女に分けずに混合して、単に赤白組み分けかもなあ。
【伊達の眼鏡ブログ新記事】

12月31日大晦日の来客
大掃除しているフリで机まわりを整理、油蝉のミイラを窓辺のプリンタの陰に発見、摘みあげればハラハラと翅が解かれる、夏の日の広い空を翔んで林に消えればいいのに、こんな空中陋屋の器械に身を潜めて逝くとは、お前はもしかしてこのオレか。

2019/12/31

1435【紅白歌合戦】男女の分別が難しいこの時代になってもまだやっているとは懐かしや

 TVをまったく見ないから、世間のことは新聞とネットで知る。当然のことに世間知からどんどん遅れるが、それがどうした、。
 今日は大晦日、例年の如く年末の新聞となると、どこのページも今年の回顧雉だらけ、いいかげんにせえよ。読むところないけど、現段階の自分の世間知レベル記録のために、今日大晦日の新聞広告にケチをつけておく。

 なんだこの広告は、同じ顔の若い女性たちが並んでいるけど、はは~ん、これはひとりの女性を何度も撮影して、デジタル加工して一枚にしたんだね、いや、そうでもないか、それぞれ別人かもなあ、それにしても同じ顔の人をよく集めたもんだね、何の宣伝広告か分らないけど、近ごろは個性を発揮することは好まれないのかしらねえ、同じ顔、同じ髪型、同じ化粧、同じ服って、はずかしいよなあ、まあ、なんでもいいや。

 小さな字の解説を読んだら、どうやら「日向坂46」(ひうがざか?ひなたざか?ヨンジュウロク?シジュウロク?フォティシクス?)というグループで、今夜のNHK紅白歌合戦出演の宣伝らしい、ふ~ん、数を揃えりゃ何とかなるさってことか、まあ、どうでもいいけど。

 そういえば、「紅白歌合戦」とは懐かしい。むかし昔にTVを観てた頃もこの番組を見たことはないが、いったいつごろ始ったなかなあ、男女を「紅白」と分けるのも、「歌合戦」と言うのも、今じゃあ死語にちかくて、ここだけで生きているのかもしれない、いまじゃあ男か女か判別することさえも難しい時代なのよくやってるなあ、あ、もしかしてもう男女に分けずに混合して、単に赤白組み分けかもなあ。

 なんて思いながらページめくると、その歌合戦の出演者一覧表83人(組)が乗っているのだが、ほとんどが見たことも聴いたこともない歌手ばかり。なるほど歌手名を見たただけでは男女区別は不可能だ。
 実はその知らない中で、歌手名と曲名の両方を挙げることができるのがたったひとり、「石川さゆり:津軽海峡冬景色」、もともと日本歌謡にまったく興味ないわたしでも(ほんの一部でも)知るほどの有名な歌であったのか。

 もうひとり紅組最後出演の「MISIA」、話声も歌声も知っている唯一のわが耳の現役歌手である、実は夜遅く寝入りばなに聴くNHKFMにしょっちゅう登場する人で、お顔を知らないが声だけ知っている、あ、そうだ、今晩はお顔を観てみるか、もっとも、わたしがラジヲで聞く「ミイシャ」なるお人と同じかどうかわからないが。

 男組の最後登場に「嵐」という芸名があり、いつだったかやはり新聞広告でグループ写真を見たことがあるが、冒頭の女性グループと同じで、よく似た男をおおぜい集めたもんだと思った。今の芸能界は個性を求める時代ではないらしい。
 
 出演者一覧を見ると、ローマ字記載の芸名が多くいて、そのどれもが英語風であるのが、なんとも興味深い。戦後の日本の歌謡界はアメリカンポップスのマネゴトから始まったが、今もそうなんだろうか。
 もうそろそろハングル文字とかチャイナ簡体字の芸名が出てもよさそうな時代と思うのだが、歌謡界はそうでもないのか。

 さて、明日は2020年元日、新聞は例年のごとくにぶ厚い紙屑の束がドサッとやって来るだろう。広告だらけ、記事はあっても内容がまったく無くて、TVを観る気がしないのと同じで、ほとんど読むところがない、
 あれってなんとかならないものかしら、毎年いい加減にしろよっと言っているのだが、あんな紙屑は要らないから、その分を新聞代を安くしろよ、でなきゃ、新聞休み中3が日かかって読む分量の、小説本1~2冊分を載せろよ。(2019年12月大晦日)

   (追記20200101)結局は大晦日に紅白歌合戦を見なかった。元日の新聞は毎年恒例の紙屑の束が来たが、唯一の面白い記事は、15億円の費用をかけて2019年最後を飾るカルロス・ゴーン日本脱出大冒険ニュース、すごいなあ、ghosn has gone!、これで助かってるのは、ケチくさい博打場開設汚職の国会議員だね。

2019/12/28

1434【年忘れ雑言】男女両性原理表現が真正面衝突した国立競技場騒ぎも今となれば懐かしや

 年の暮になると、世間ではこの1年を振り返る。わたしは振り返るべきことがなにもないから、春頃に仲間内の会誌に書いていた悪口雑文を引っ張り出しておこう。
 おりしも神宮外苑隣の国立競技場の建て替えが終って新建築が登場したので、その祝賀の意味も含めて、これを載せておこう。
 元原稿のタイトルは「老いのクリゴト酔いのクダマキ」であるから、そんな口調になっている。

●どろり生ガキ女に大あぐら男が襲われた国立競技場騒ぎ
 無駄なカネって言えば、2020年開催のオリンピックとかいう世界運動会もヒドイねえ、わたしはああいう見るスポーツを大嫌い、世界運動会には全く興味ないけど、それに関連して起きるゴタゴタ騒ぎには野次馬興味、なかでも2015年に起きた例の新国立競技場騒動、これは実に面白い暇つぶしになった、
現在は明治神宮外苑の隣りに巨大な洗濯盥か寿司桶みたいな新競技場が姿を現しつつあるらしいが、あれって本当は全然違う形で建つはずだったんだよ、思い出すとあれは実にヘンな事件だった、2012年に国際デザインコンペで女流建築家ザハ・ハディドが堂々の一等賞、そのデザインは時代の最先端を行く建築だったのを、運動会ボス森喜郎ってわたしと同年ジジイが、「どろり生ガキみたいでいやだ」と言ったけど、ホントはオマ■コみたいと言いたかったはず、生ガキが聞いたら怒るよ、庶民も大好きなオリンピック物件だけに、神宮外苑に似合わないとか、ガラが大きすぎるとか、公園を潰してケシカランとか、あれこれ四面楚歌のうちに、工事費を計算したら膨大過ぎると分って、そうなるとドロリ××デザインのことをすっかり忘れて、もっぱらカネメばかりで悪口雑言、マスメディアもデザイン論より分りやすいから煽り立て、一方では実施設計まで終っていて既にかかったカネが60億円、あとは工事費調達だけになっていた2015年、どういうわけか一競技場ごときに時の総理大臣がシャシャリでて、60億円捨てて白紙やり直し命令、オジャ~ン、国内設計施工コンペやったけど、あれって業界では大成建設物件とお決まりで、実は一部工事に着手していて、出直しコンペもやっぱり大成組一等賞、騒ぎに懲りてデザインじゃなくて早い工期と安いカネメで決めたのが今の寿司桶競技場、なんとも発展途上の開発独裁国みたいで国際的大恥かいちゃった。実はこれには東京都市再開発奇々怪々利権が潜んでいて、オリンピック後に世間が知るその話はまた別のときに。
白紙出直しコンペ当選は早い安いマズイ案
どろり生ガキ露骨な女性原理表現のザハ・ハディド当選案


大あぐら露骨な男性原理表現の神宮絵画館
  
 わたしはザハ・ハディド案で建てばいいなあと期待していた、その建つ位置がなんと明治神宮外苑聖徳絵画館という外苑心臓部の隣なんだからすごい、その姿と言ったら、石造どっしり大胡坐の真ん中に四角な包茎に●頭を覗かせた男性原理も露わな太く短いチン■コ建築だよ、その隣に曲面うねり流れパックリ割れて女性原理も露わなドロリ生ガキ建築だよ、見ようによっては絶好のコンビだけど、実は女が巨大すぎて男が呑まれそう、これでは保守派にとっては明治王権を汚す不埒不届不敬者だと言いたかろう、だってそもそも明治神宮ってのは、明治政府が新統治体制のために京の都から拉致してきた貴族トップ雲上人を、近代統治機構のカリスマ王権に改造育て上げたけれどのに、その死後の後継者が脳の病でカリスマ性皆無、困った政府は死せるカリスマを神に祀るべしとて全国総動員体制で造営したのだからね、その内苑は日本的に森の奥深く隠れる宮とし、外苑は西欧的に視覚に訴える権威的表現とし、合せて王権カリスマ賛美装置、外苑銀杏並木の透視景観の焦点に男性原理建築の明治大帝聖徳記念絵画館、並べて建てようとしたのが女性原理建築の新国立競技場、完成したら明治王権呪縛景観をザハ・ハディド流テロ爆弾で文明批評建築になり得ただろうに、惜しかったなあ、惜しかったと言えば騒動最中にザハ・ハディド急死、世界の建築界に新デザイン潮流を巻き起こしたバグダッド出身の天才建築家は、日本のドタバタ騒ぎで魔女殺しに遭ったのかも。 

 ことのついでに言うけど、カネがかかると言えば、なんと言っても原子力発電所が王者ですね、わたしはどうもこの原子力って言葉がうさん臭くて、ホントは核力でショ、原子力発電技術って核兵器開発と隣合わせなので、わざと言い換えているのかなあ、水力やら火力とおなじように核力って言いなさいよ、その原発じゃなくて「核発」が津波で大事故の事件、あの福島核発事故処理にかかる費用が2016年経産省試算では核廃炉8兆円、
ヒロシマとフクシマ
核毒被害賠償7・9兆円、核毒除染4兆円、核毒物質中間貯蔵施設1・6兆億円、なんと合計21・5兆円!だそうで、最初の想定が2011年で6兆円だったそうだからものすごい膨れ様で、そんなカネって1万円札でどれくらいの厚さか見当つかないけどもっと膨らむかもしれない、だって今までやったことないことやるんだからね、それでね、もっと驚くのはそれを負担するのは事故責任者じゃなくて日本国に住む者たちってこと、つまりみんなが払う税金と電気代なんだってさ、そうすると廃炉事業費が不足すると政府は税を上げるし、発電屋は電気代を値上げすればいいって、なんとまあ気楽な商売なんでしょね、打出の小槌ってこのことだな、これから福島以外の廃炉がどんどん起きてくると、もうとんでもない費用負担がわたしたち、いやわたしはもうすぐ死ぬ年寄りだから知ったことじゃないけど、次の世代もその次もその次もホントに大変だねえ、これって戦後高度成長時代を築いてきたわたしの世代がバカだったんだ、ほんとにお詫びするしかないですねえ、なのに次世代人がやってる今の政治は今後も核発電所を作り続ける政策だって、どうも分らぬこの世から、もうおさらばしたいものだ。
   (以上は、Q人会誌2019掲載:20190505)

 新国立競技場に関する孤乱夢は、竣工したそれを観てからまた書きたいとも思うが、どうせ分かっていることだからもう見に行かないことにして、その悪口雑言はこれで終わりとする。なお、神宮外苑再開発に関してはまだまだ興味が尽きないので、随時イチャモンを書き続けたい。

新国立競技場や神宮外苑再開発の孤乱夢一覧(まちもり散人筆)
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